雪崩のリスクと向き合いながら 伊吹山
- GPS
- 05:57
- 距離
- 11.5km
- 登り
- 1,182m
- 下り
- 1,172m
コースタイム
- 山行
- 4:45
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 5:51
天候 | 雪 たまに止む |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
先頭はノートレース 山スキーで脛ラッセル ストックで測定すると1mくらいの新雪 表層雪崩の危険性がかなり高かったです |
写真
感想
私は大雪が降れば伊吹山に行きます。なぜか?コンディションが良ければもっと長距離とかアップダウンが多いという厳しい山行をしたくなるためで、ドカ雪が降ればそこには行けないということで訓練がてら伊吹山になる、というのが答えみたいです。(雪山経験3桁に乗ってない方は真似しないでくださいね)
一合目までの登山道はまだ10〜20cm程度で、シール歩行しましたが時々岩とエッジが当たってガリっと言います。帰りにここを滑るのは無理そうです。バラクラバしてたら暑くてすぐに取りました。
途中で同じ駐車場の先行の方を抜かせていただき、一合目に。それまでに下山される方とも遭遇。
一合目からは雪もしっかりあり滑走には不自由しません。また同じ駐車場の別の先行の方が前方に。この辺りトレースがしっかりあり、歩きの方も速いので追いつくまでに時間がかかります。一合目ゲレンデ上部で追いつき、抜かせていただきます。
まだトレースはしっかりしてます。もくもくと歩いてると下山される方が。私の全身を眺めてから「山頂行くの?」と聞かれて「はい」と即答。
二合目あたりで先頭の2名を発見。ゲレンデの方に続くトレースに進むようなので、私はノートレースの登山道をラッセルします。ようやく生ラッセル!(笑)
ゲレンデ側に行くと帰りに登り返しになるため、帰りのための工作をしないといけないんです。
ラッセルは脛くらい、ズブッズブッと重いですがこれがトレーニングです。そのまま一直線に三合目のトイレ(閉鎖中)に向かい、ここで小休止。手袋が汗で湿ってきたので交換します。交換する手袋はズボンのポケットに入れておくと、温めるのと濡れたのも乾かせるので便利です。
誰か来るかな?と時々振り返るも誰も見えません。視界はガスで不良ですが、承知で来てますから苦になりません。冬は寒い、みたいなもんです。
五合目から先は目標とするものが少なくなり、方角の判定が難しくなります。六合目の避難小屋すら見えませんから、GPSをサッと取り出しサッとこまめに見て確認します。この環境で地図広げてコンパス見てたら体温下がります。
六合目避難小屋にはもちろん誰もいません。ここで念のためクトーを装着します。急斜面でザック下ろしてクトーを装着するのは恐怖なので。そして汗だくのアンダーシャツを着替えます。乾いたシャツで暖かさ復活です。
相変わらず目標物が何も見えません。斜度は徐々に上がります。今日の雪は歩いていても小さな破断がよく発生しているので、表層雪崩を起こす可能性がかなり高いです。私の経験でも一二を争うくらいの危うさでした。なので東寄りの少し樹林が茂っているルートを目指します。とにかく雪以外のものが見えないと上下左右がよくわかりませんので。
七合目からはさらに斜度が上がりますが、歩くことでもっと長い破断面ができるようになりました。ただ斜度40度くらいなら雪崩は起こらなかったので、可能な限り樹木のあるところ、斜度の緩いところをこまめに方向転換しながら辿ります。こんな時に樹木のないルンゼ状の斜面を横切ってはいけません。
夏道の東側の尾根に近づくと、斜度が30度程度にまで緩み、ようやく安定してきました。ザックのエアバッグのトリガーを初めて引くかも?と思いましたが幸い大丈夫でした。
九合目に上がるともちろん暴風です。ここも視界がないので方向には注意します。雪の表面状態もよく見えないので凹凸斜面を歩くのは難しいですし、下手に東に行きすぎて雪庇には近づかないようにします。
山頂は思いの外近く、写真だけ撮ってお堂に入ります。ヤマトタケルの前で土下座するの忘れてました(笑)
お堂は本当にありがたい存在です。お湯を沸かすためであってもお堂内は火気厳禁ですから、お湯はポットにたっぷり入れて持って行きましょう。(厳密には伊吹山全体で火気厳禁です)
下山の準備をしていよいよスキー滑降です。しかし強風とガスで視界はあまりありません。GPSで都度確認して歩いてきたルートに進みます。こういう雪崩の危険性が高い時にパウダー斜面とか言って直登ルートは決して滑ってはいけません。下の登山者が雪崩に巻き込まれてしまいます。視界もないので目標物の見える樹木のあるところだけ滑ります。こんな状況で転倒すれば往生しますから、安全第一で慎重に下ります。
七合目あたりで3名の方が登っておられるのを見かけましたが、歩きなのでラッセルがかなり苦しそうで進みが悪かったです。無理されてないことを願います。
六合目避難小屋に少し入って手袋を交換します。5名くらいの方が休憩されていましたが、土足厳禁の表示にもかかわらずワカンのままです。まぁ、この厳しい環境で登って来られて、指先も自由に動かないでしょうからワカンを外す余裕がないのは理解できますが、そういう方はもう少しコンディションのよい日を選んで登られるといいでしょう。大雪警報が出ている時に登れる人というのは、そんな時でもちゃんと屋内に入る時にはアイゼンやワカンを外で脱いでから入る余裕のあること、だと思います。
さて緊迫した?避難小屋はそそくさと出て、またスキー滑降です。もう雪崩の心配もなくもくもくと滑っていくとあっという間に一合目。そこから林道にスキーのトレースがあったのでトレース泥棒させていただき快調に林道を滑って登山口まで戻りました。
さすがに雪が深く二合目からずっとラッセルというのは時間を要しましたが、それでも日帰りで百四丈滝を見に加賀禅定道のアップダウン地獄を味わうことを考えるとこの大雪の伊吹山は楽々新道(意味深)って感じでいい運動になりました。3月号もありますし(笑)
それにしてもこの悪いコンディションにかかわらず結構な数の入山者を見かけました。自分の行けるところまで行く、という判断を各自でされているように見受けられました。この厳しいコンディションでの経験が生きることを願っています。
momochan、おはようございます。
西日本に最強寒波(狼少年になりつつある表現ですが)が押し寄せる中、雪崩れで波乗りですか。
なぜかmomochannの場合天気が悪い時の方がうれしそうに見えますね(笑)
僕も一度だけお邪魔したことがありますが、確かに旧ゲレンデやら7合目から上の西側斜面とか大いに雪崩れそう。
僕は「ちゃんと」天気がいい方へ逃げてきました。
あー、momochannの場合安全マージンとって白山→伊吹山に変えたんでしたね。
相変わらずの変○山行、お疲れ様でした。
Sanchanさんおはようございます。コメントありがとうございます。
天気が悪い時のほうが嬉しそうって・・・晴れても嬉しいですよやっぱり(笑)
あ、雪があれば嬉しいんでしょうねきっと
天気がいい方、なんてあったんですね〜さすがそういうところSanchanさん抜かりなく華麗ですね!私はどうもベタベタに変なところに突っ込んでいく傾向が、やっぱり変○だから?
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