マイカー規制直前 白山
- GPS
- 07:23
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,496m
- 下り
- 1,506m
コースタイム
- 山行
- 5:07
- 休憩
- 3:40
- 合計
- 8:47
天候 | 豪雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
備考 | 先週のヤマレコを読むに、この週末(7/1)から白山のマイカー規制が始まるとの事で何人かが今のうちにと登っていらっしゃる。 確かに、別当出合いまで車で行けるとそうでないとでは計画がだいぶ変わる。 ならば規制前に別当出合いまで車で入ればいいのか? という事で、金曜日から徹夜登山とすることに。 そして金曜日、いつも通りの時刻で退社。 家に帰ってシャワーを浴び、夕飯を取って装備の最終確認。 夜の8時半に家を出る。途中で車のオドメーターが55,555Kmになる。 金沢から市ノ瀬までは1時間半ほど、10時に到着。なるほど7/1からの規制の案内看板が目に入って来る。 規制の2時間前に無事市ノ瀬ゲートを通過。 前回5月にママチャリを押して別当まで登った事が遠い過去。車は偉大だ。 道路沿いの駐車場には2台の空きが残っていてそこに停める。(実は下の駐車場を使ったことがない) 「てんきとくらす」の予報を見るに「大荒れ」、空を見上げるともちろん星は見えない。 風がめっぽう強いがここまで来たんだ、さあ準備。 準備を整え別当センターまでの舗装路を10分ほど歩く。 到着、そして誰もいない。 登山届を記入・提出し、11時前に登山開始。 |
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感想
大鳥居前で今夜の安全登山を祈願、ほんとは挨拶だけするのが正解なんだろうけど。
この時点では風は強いがまだ雨は無し。
日の出時刻は4時半頃、それに合わせて登ればいいので焦らず。
なんせ真っ暗、160ルーメンのヘッドライトが心強い。
道はもう夏道、日中の雨で濡れた滑る石に気を付ける。
中飯場に着くも、辺りは静か、ただ通過するのみ。
前回はこの辺りから残雪があったがもうきれいになくなっていて、アイゼンは不要。
夏道ってこうなっていたんだな、と思い出しながら進むと別当覗きに。
初めて白山を登った時、この場所で「つかれたー」と言って休んだ事を思い出す。
甚之助小屋の手前で残雪が。
暗がりの中、ヘッドライトだけで道を見つける事に。
最初は戸惑ったが、なるほど泥跡が濃いところ、スプーンカットでえぐれている所がそうなんだ。
何事も経験だな、と進む。
日が変わり7月1日となる。
ほどなくして甚之助小屋に、真っ暗で写真にならないが後からの確認のため1枚。
南竜分岐まではわずかながら残雪あり。
この先が難儀、十二曲がりまでの残雪通過。
ツボ足で進めるが滑ると下まで止まらない感じ、ポールを出すか迷ったがそのまま。
夜間の雪渓歩きは本当に怖い。
沢がいくつか現れ、その近辺の残雪がまた難儀。
スノーブリッジになっていて、おまけに穴が開いている。
厚みも分からないし、いつ崩壊するか、ひやひや。
きっと運が良かったのでしょう、こうやって日記を書いていられるという事は。
やっと十二曲がり下まで。その後、沢の大きな音を右手に聞きながら延命水に到着。
少しいただいたところ、ふと見ると辺りはカエルの大群衆。
ちょっと怖いくらい、踏まないように歩き、黒ボコ岩に。相変わらず風は強い。
もう雪も消え木道がはっきりとした弥陀ヶ原を歩くが濃霧で5メートル先は不明。
このまま五葉坂を登り、無事室堂着。
当たり前だが真っ暗、正面入口を避け祈祷殿前の入口から中に入る。
誰もいない。少しロビーのベンチで休ませてもらう事に。
着いたととたん、外は大荒れとなり「あられ」が窓のガラスを打ち始める。
そして空には稲光が。
良かった、降る前に着けて。
ウェアが汗で冷えてきた、震えるほどになったので着替える事に。暖かかくなった。
今度は足元が冷えてきたのでレインウェアの下も履く、さらに暖かい。
1時間ほど眠ろうと、うとうと。
少し人の声がしはじめ時計を見ると3時か。
だんだん人が増えてきた。そうか宿泊されている方がご来光に向けて出て来たんだ。
何人かの方と話をしたところ「白山市」のイベントがあるのでその方々のよう。
手取川の水を汲み70Kmの距離をみんなでリレーして最後、この日の日の出に合わせて白山頂上の奥社に奉納するとのこと。
「これは混むな」と思い、3時半、早々に頂上に向かう。
いやー、何だこ豪雨は!?
祈祷殿右横の残雪は雨で溶け出しツルツルに、残りの雪はここだけだからと注意してハイマツの中に入り込む。
高天原を過ぎたあたりから当たる風はさらに強くなる。
さすがに立っている事ができなくなり、少しかがんだ拍子に強風にあおられ転倒。
「ビューフォート風力階級表」によると20mを超えるあたりとのこと。
頂上着、奥社横に今回のイベントのスタッフさんでしょうか、2名程待機中、ご苦労様です。
頂上の標柱にタッチし、山の日記念に写真を1枚。
この1枚を最後にデジカメのIXY630がご臨終、この豪雨、やっぱり過酷ですよね。
5月初旬の登山でも同じ現象あり「レンズエラー」、沈胴式レンズの宿命か、雨水等の侵入がゼロでは無い。
奥社前でゆっくりしていると、市職員、スタッフ、報道関係者が続々と登ってくる。
カメラや照明、みな雨対策をしっかりされておりさすがプロ。
本日の日の出時刻の4:38になるが晴れる様子は全く無し。
明るくはなるがお日様の姿はなし。
今日の主役のタスキの方が登場、撮影や取材が始まりにぎやかになる。
後から一般の方々の団体も登ってこられ、居場所がなくなる。
同定盤そばのくぼみで風をやり過ごしながら少しの時間、明るくなるのを待つ。
頂上標柱の周りは「万歳三唱」の渦。
「雨風はなんとも」ですが、やはり皆さん嬉しそう。
多くの方の大歓声を後にそろそろ下山することに。
濡れて滑る石に気を付けながら室堂着。
お、ストーブが点いている。
少し温まらせていただき、ザックの中から簡単な朝ごはんを出して食べる。
報道の方々がこの後8時か9時かのお祭りの取材・撮影の準備を始める。
邪魔にならないよう、こちらも下山することに。
エイっと思い切って室堂から外に出る。いやはや、止めとこうか、と。
後は下りのみ、何とかなるでしょう。
弥陀ヶ原で右手に「ライブカメラ」を見つける。
雪がないと高さで2メートル程になるんだ、と感心する。
明るくなって見通しが利くようになった木道を歩く。
黒ボコ岩に到着。
さて、来た道砂防か、それとも観光か?
今日は7/1の山開き、いくら風雨が強いとは言えバスに乗ってかなりの方が登ってくるのでは?
登り下りの渋滞を避けることにして観光新道を選択。(結果的にすれ違った方は7名程)
この道、残雪多し、そして下りで滑りやすいし、進路を見つけにくい。
風雨の勢いはさらに強くなる。
稜線はすさまじい風、向かいの砂防との間の谷は不気味な風の音が。
殿ケ池避難小屋が見える。
ここは本当に避難しようと中に入る。
よくこの道を通り小屋前のベンチで休む事があるが、中に入ったことはなく今回が初めて。
「きれい」の一言、ここなら気持ちよく1泊できる。
雨が収まる気配が無いのでまた歩く事に。
仙人窟で男性が雨宿りしている、確かに休みたくなる天気。
登って来た方のようで少し話をしているとお連れの方も現れる。
今夜は上で泊まるようだ。
元気に挨拶をして別れる。
稜線歩きも終わり白山禅定道との分岐に、迷わず観光(駐車場)の方に
ここからの道が難儀、何度転んだことか。
この雨で、道は川に、坂道は滝へと大きく変貌する。
シューズにはもはや水を防御する機能は無くなっている。
雨の白山は「長靴だ」と言った方の言葉に納得する。
そろそろゴールも近い、森林帯に入り、右手に川の音がしてきた。
吊り橋も目に入ってきて、センターの建屋も見えた。
ふ〜、着いた。
途中からゲラケーのカメラに変えて撮影、到着時の大鳥居と開山1300年の幕を写真に収め、無事下山。
センターでは報道の方々が若者数名のグループの撮影をしている。
皆さんにぎやか、そしてカラフル。何より若い。楽しい登山になるといいですね。
センターの方と少しお話を。
登山届の提出具合を聞きたくて、今日は何人くらい登ってるんですかねと質問?
宿泊予約では昨日は300名、今日は400名だそう。
おー、室堂や南竜ではそれだけ受け入れるんだ、と感心。
上の室堂でお会いした方がいたので少しお話を。
この方、登山を始めた時が雨だったようで、そんなもんだと思ったそう。
皆、なんで雨なら登らないか不思議と思っていたが、最近その理由が分かったとの事。(遅い!)
少し休憩していると何台かのバスが乗客満載で上がってくる。
金沢駅からのバスもあり、てことは首都圏からのお客さんもいるんだ。
そうか、新幹線「かがやき」なら東京からの白山登山も楽ちんなんだ。
すごい世の中になったもんだ。
1時間ほど休憩し、そろそろ私も戻る事に。
舗装路を10分ほど歩き、車に到着。
リアゲートを屋根代わりにして片付けしていると先ほどの男性が車で通過。
手を振って挨拶。
片付けも終わり、市ノ瀬までの道を下る。
この時はまだ大きな失敗に気づいていない。
帰路、仕事明けで登ったせいで凄まじい睡魔に襲われる。
途中何度か仮眠をとり、何とか帰宅。
眠る前に洗濯と片付けをと思い、淡々とこなし最後に「あれ?」
ポールが無い!
別当で下山後休憩した際、柱に立てかけてそのまま気づかずに降りて来たんだ・・・
2週前の赤石山脈と同様、何かが起こる。
市ノ瀬センターに電話して別当出合の職員さんに回収してもらった。
そして今日7/2、再度市ノ瀬センターまで行って受け取る事が出来た。
お手数かけました。
あの豪雨の中、無事帰ってこれたのでそれで充分と思う。
また思い出に残る山行でした。
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