悶絶紅葉、那須恐るべし!
- GPS
- --:--
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 1,593m
- 下り
- 1,580m
コースタイム
- 山行
- 10:50
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 12:00
読みはズバリ当たって、すばらしい1日を紅葉三昧することができ大満足です!
天候 | 爆風ガスガス〜晴れ時々ガス〜夕方快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
那須は荒天時強風が有名ですが、この日の朝方はまさにその状況。心が折れるぐらいの強風でした。場所によらず、稜線は爆風状態で、煽られてバランスを崩す方が危険でした。気温は峰の茶屋避難小屋中温度計で、7℃だったので頂上付近は5℃ぐらいだったでしょうか?爆風時体感温度は氷点下の感じでした。上は3枚着てヤッケかぶってもまだ寒かったし、手袋忘れてつらかったので、もうこの時期冬装備が必要ですね。三本槍方面は結構ぬかるんでおり、しっかりした足回りを! |
写真
感想
前日夜に峰の茶屋駐車場に入り、仮眠を摂って早朝に出発するつもりだったが、夜中じゅう爆風の音に、眠ったような眠らなかったような、うつらうつらで朝を迎える。外はまだ爆風!さらに朝日岳はガスガスだ!そうこうするうち、御来光になり、ちょっとだけ拝めたが、すぐにガスの中へ!この不安なお天気に、踏ん切りつかずに、出発が予定より1時間は遅れる。すこし遅めのスタートで午後の回復に期待しよう。そのかわり、朝はしっかり食べて、トイレもしっかり行って準備を整える。
大分ガスが薄くなってきたのを確認して、上は3枚+ヤッケと着込んで6時半ごろ出発!しかし風は一向に収まらない。登山カードを書き込み、歩き出すと陽が差してきた。陽が出るとヤッケは暑く、脱いでしまう。林の中はまだ良かったが、稜線にでると、相変わらず爆風が襲い掛かってきた。時に一歩も前へ進めないぐらいの風だ!ひたすら耐えながら黙々と歩くしかない。思えばこのあたりが、最もひどかった。次々流れるガスをみながら、かなり寒くてなんとか避難小屋に逃げ込んだ。
小屋でしばらく休憩、というかすこし戦意喪失してしばらく様子見しようかとも、なんだか弱気になっていた。気温は小屋の温度計で7℃。外はもっと寒いだろう。今度出る時は上を1枚脱いで、2枚+ヤッケのほうが風を通さず、寒さには良さそうだ。何人かの登山者も小屋へ入って来られ、おしゃべりしたりして再び気持ちを建て直し、意を決して外に出た。といきなりぶっ飛ばされそうな風が吹いたが、朝日へのトラバースへ入ると、うそのように風が止まった。山って不思議だね。遭難しそうになっても冷静に場所を選べば、意外と風下やちょっと下がっただけでも、風が結構違うものなのだ、と学習。
剣が峰に入ると再び爆風、でも少し慣れてきた!余り気にしても仕方ない。しっかり風体勢とりながら進むしかないのだ。クサリ場や岩場のトラバースをぬけて最後の登りで朝日の肩へ到着。しかし朝日岳は相変わらずガスが流れ、ここはパスして先を急ぐ。しばらく行くとガスが切れ始め、1900m峰が見えてくる。そして忽然と朝日斜面のすばらしい紅葉が全貌を現した。すばらしい!これを見に来たんだよ!と心の中で叫んでしまった!みるみるガスが抜け始め、1900m峰に立ったときはすっかり晴れ上がった。しかし上空のガスはめまぐるしく動き、この先もしばらくは、ガスったり、晴れたりの繰り返しだった。
1900m峰は紅葉のまさに盛りで、一番いい時だったと思う。ドウダンツツジの紅葉が笹原にパッチワークのように広がり、ここからの紅葉と朝日岳の姿は私としては一番好きな構図だ。清水平にかけての紅葉は見事なもので、行きかう登山者の方たちともすばらしい紅葉を共感しあう。ちっとも足が進まないが、清水平を越えると、再びすっぽりとガスに覆われてしまう。一番楽しみにしていた三本槍への道はまったくの深いガスの中の道になった。頂上は幾分風はおさまったものの、ガスガスで視界ゼロ。まれに一瞬ガスが下の方だけ切れることもあったが、眺望は拝めず、ほとんどの方はそのまま諦めて引き返していかれた。
しかし自分は諦めが悪く、晴れるまではここに留まろうと意を決し、周辺をお散歩することにした。ガスの中を大峠側へと進めば、三本槍の北斜面になるが、ガスの中でもそれは見事というしかないすごい紅葉が拡がっていた。これで眺望効いたら、ホントすごいだろうなあ!と想像、ガスが晴れるのを待つしかない。まず甲子のほうへ少し下っていき、鏡が池が見えるところまで行ってみることにする。少し下ると視界が利くようになる。須立山方面の紅葉が絶頂だった!そして鏡が池が見えた。甲子山はまだガスの中。池周辺はまだ緑が濃く、紅葉はこれからの感じ。
戻って今度は大峠側へくだっていく。するとどうだろう、徐々にガスが切れて、三本槍の頂上が姿を現す!北斜面の紅葉は、悶絶するほど美しかった!何と言う紅葉だろう。紅葉としては最盛期、一番良い時期だったと思う。大峠側から見上げる三本槍、その紅葉はすごいです。ピークが2つあり、標柱の立ってるところまでいきましたが、標高差はそんなになく緩い道なので、時間を取ってこちら側に散策される事をお奨めします。1時間あれば十分堪能できます。このピークからは鏡が池が眼下に大きく見えて、これも一見価値ありと思いますよ。
散策中にはすっかりガスも切れて、視界が取れるようになり、本当に幸運でした。回復する時間もしっかりフィットして、1時間遅らせた効果ですね。風も収まり、天候はストレス無く歩けるようになった。それにしても三本槍紅葉恐るべし。主体はドウダンツツジとミネカエデですが、ナナカマドもあり、良い年だともっと真っ赤系が際立つ紅葉になるかもしれない予感がします。今年のナナカマドだけはハズレ!ほぼ葉っぱが落ちており、実だけのものがほとんど。葉っぱが残っていても茶色く変色して、ちょっと残念でした。しかしミネカエデとドウダンツツジは朱色やオレンジ系ですが見事な紅葉でした。またこの時期を見極め、是非訪れたい場所です。
三本槍の東斜面を登山道が通っていますが、ここはすこし今年低調でした。2年前はこの斜面もすごい色づきだった。こちらはナナカマドが多いんです。その分今年は低調に見えたのでは?ただし、マウントジーンズへ続くピークは美しく紅葉が進んでましたので、正面にパッチワーク模様を見ての下りはやはり見ごたえありました。
すっかり晴れ上がり、時間もあったので、北葛温泉分岐からすこし赤面山側へと足を運んで見ます。こちらはナナカマドが多く、実だけの状態、紅葉はもう一歩でした。しかし角度が変わると山の見え方がずいぶん変わって、新鮮な風景でしたね。
1900m峰からの能見曾根は光線状態が変わって、隠居倉に向けて紅葉がとても輝いていました。行きに立ち寄らなかった朝日岳もピークハントします。快晴状態の朝日岳はホント気持ち良いです。もう15時近いのに視界が澄んでおり、最高!茶臼岳や剣が峰の岩峰が間近に見えて、高度感あり、迫力あります。茶臼へも足を伸ばしたいので、長居はできません。急いで峰の茶屋へと飛ばしました。茶臼岳はこれまで登ったことがなく、ここから先は未知のみちです。
風景は一変して、これぞ火山といった雰囲気に変わり、荒涼としたガレバが続き、ぐるっと東側へ回り込むように登山道が続いている。やがてロープーウェイ駅からの道をあわせるとお鉢巡りだ。火口は思ったほど大きくなく、深くも無く、すこし拍子抜け。一回り15分なので、まあ規模感はそれ見てれば、判ったはず。頂上からの風景はちょっと単調で、東側に全く山が無いので、連なりに乏しい。
一旦ロープウェイ駅に降りて、牛首へ向う。ちょうどロープウェイ最終便16:20へ乗り遅れないようにという放送が鳴り響いていた。ほぼ平坦なトラバースを進み、高雄口で殺生石への道をわけちょいと登ると牛首だ。高雄口周辺はパッチワーク紅葉が見事!三本槍は笹が下ばえでグリーンの下地に紅葉が映えるが、姥が平や高雄口はガレガレの岩肌にパッチワークの紅葉で、下地は茶色な分、見え方がちょっと違う。でもこちらは夕陽に輝き、茶臼の溶岩ドームの圧倒的迫力ともあいまって、違った美しさがあった。
牛首に出ると眼下に姥が平の紅葉が拡がっていた。ぱっと見、上部6〜7分ぐらい下部は3分ぐらいか?もう1週間もすると姥が平も絶頂期を迎えることだろう。それでも、快晴で絶好のコンディションと十分美しい紅葉を目前に、行かない訳にはいかない!最後の気力を振り絞り、ひょうたん池へと向う。少し下ると思った以上の色づきで、特に南月山〜日の出平からの斜面はすごい紅葉だった。ここは潅木帯というより、もう立派な木々の紅葉が主力なので、見え方もずいぶん違う。ミネカエデ、オオカメノキ、ダケカンバ、ナナカマドほかいろんな木が混生林を成して、複雑な色合だ。どんどん下って姥が平へ出ると、ここは3分ぐらいの色づきか?ひょうたん池には茶臼岳を倒影する定番の図が待っていてくれた。無風快晴、青空と茶臼岳を映す池は波紋ひとつ無く、静まり返っていた。紅葉フルコースを締めくくるにふさわしい、すばらしい那須の紅葉。まさに悶絶の紅葉の旅であった。
欲張りの最後、沈む落日、茶臼のアーベンロート、ピンクに染まる茜雲、のおまけつき。最後はヘッデンつけての30分の真っ暗闇を下る苦行が待っていたものの、なんとか無事駐車場へ帰還。長が〜い1日、紅葉の山旅を満喫しました。
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