天人峡-トムラウシ山
- GPS
- 12:57
- 距離
- 32.4km
- 登り
- 2,012m
- 下り
- 1,997m
コースタイム
08:30 ヒサゴのコル
10:10 トムラウシ山
11:20 ヒサゴのコル
14:55 駐車場
天候 | 快晴 (東川 7時 -21.8℃、山は推定-25〜30℃くらいか) |
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過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪の量はタカ曰く例年通りとの事。 涙壁は登りも滑りもエクストリーム 。 涙壁〜第一公園の手前の壁までは地形図では分からないアップダウンが多数あり帰りは何度もカニ歩きが必要。 |
その他周辺情報 | 温泉は敷島荘 |
写真
感想
1シーズンにあるかないかの爆弾高気圧が週末の北海道の中心にやって来る。久しぶりに大雪山で暴れようぜ!ってことでタカと天人峡からトムラウシを目指す事にした。タカは2回目、自分は初見だ。
核心部は涙壁をどう処理するかだ。タカの経験から夏道の方から行った方が良いとの見解なのでそちらからアタックすることにした。雪はしっかりと付いているし急ながらセカンドが等高線を見て右、左とサポートしながらやれば登れるので、このまま行けんじゃねぇ!と話ていたが壁は序々きつくなる。
やはり涙壁は涙無しでは登らしてくれない。左右は藪に阻まれ、どうしてもスキーでは上がれない所が出てきたので板を脱いでバケツリレーで這い上がった。
ここをクリアすれば再び板で登れるようにになり1時間丁度で尾根に乗り上げた。ここを登れたんだから今後は雪さえ付いていればどんな急斜面も板で登れる気がする。
次は第一公園手前の壁までの森だ。地形図を見ると尾根の東側を巻けそうだが、実際には倒木や木で巻けず微妙なアップダウンが続くので、帰りを考えてカニで階段を作りながら進んだ。第2の壁は雪が少なくて藪が邪魔してウザかったが涙壁に比べれば屁でもない。
第一公園に到着すると経験したことがない冷気が待ち受けていた。2m/sくらいのそよ風が吹くだけで信じられないほどの寒さを感じ、最後まで持つのかと少し弱気になる。しかし天然のプラネタリムに励まされながらスノーモンスターの脇をすり抜けていく。耳鳴りを感じる程の無音で僕達の歩く音だけが響いていた。
第二公園を登っていると東の空が暁に変わりやっと長かった夜が明ける。登りきった辺りで日の出時刻になり、旭岳もピンク色に染まりやっと太陽を拝めると思っていたが忠別岳や高根ヶ原の影になって一向に太陽がでてこない。この時が1番寒かった、ホントに寒かった。今まで生きて1番寒かった。東川の7時のアメダス気温と標高差を考えると理論上は推定-25〜30℃だったかもしれない。これが本物の極寒やつだ。温度計が欲しかった(笑)
ポン化雲の下に到着した時に日の出時刻より40分も遅れてやっと太陽が昇った。ここでトムも見えて元気が出てきた。
ヒサゴのコルで板をデポしてアイゼンハイクで一直線でトムへ向かう。
風は4〜5m/sくらいで予報通りだが気温が低すぎて2〜3分休むと体が冷えて指がカチカチなってしまう。でも目指すトムが近づいてくるので気持ちは切れない。
北沼の上を歩き山体を登り切ると長かった山頂に到着。360°の快晴で北海道の殆ど山が見え、ここまでの苦労の全てが報われた瞬間だった。羊蹄山まで見えたのには驚いた。
帰りも長い道のりなので写真を撮ったらすぐにヒサゴへ引き返すが、帰りの方が長く感じた。板を履き滑走ポイントまで戻るのに100mくらい登り返しがあるが上手くトラバースできたので以外と楽だった。
第二公園から壁までは青空のなか旭岳とスノーモンスターを眺めながらのオートクルーズで天国みたいで最高、このためにだけに再訪したいと思うくらい。来る時は真っ暗で何も見えなかったがこんな素敵な場所だったとは。
さぁ、お楽しみあとは涙壁までの森という試練が待ち受けている。2人で悶絶しなが何度もカニ歩きをして涙壁に戻る。分かっていたが最後にこれはキツかった。
涙壁の滑走は人生最高斜度の超絶急斜面。チビりそうになりながらコケないように集中して、木にぶつからない様にヨチヨチ滑る。それに引き替えタカはヒャッホーと叫びながら凄いスピードで駆け下りていく…やっぱスゲー奴だ。
何とか無事に滑り終え、駐車場に戻り熱い(寒い!?)13時間の戦いをやり切った。
決して楽な道のりでは無かったが、最高の景色のなか今回もプライスレスな一生もんの思い出ができました。楽しかったぜ!ありがとよ、タカ。
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