また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 1705690
全員に公開
山滑走
白山

厳冬期白山・加賀禅定道-楽々新道21時間

2019年01月14日(月) [日帰り]
 - 拍手
YSHR その他1人
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
20:59
距離
38.7km
登り
3,082m
下り
3,064m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
1:17
休憩
0:00
合計
1:17
22:42
77
一里野スキー場
日帰り
山行
17:16
休憩
2:25
合計
19:41
2:48
3:01
78
4:19
4:19
78
5:37
6:03
6
6:09
6:09
93
7:42
7:42
23
8:05
8:06
26
8:32
8:40
20
9:00
9:15
125
11:20
11:20
6
11:26
11:38
26
12:04
12:08
38
13:27
13:48
10
13:58
13:59
15
14:14
14:28
17
14:45
14:59
68
16:07
16:07
95
17:42
17:57
4
18:01
18:01
78
19:19
19:20
22
19:42
一里野スキー場
天候 快晴 
過去天気図(気象庁) 2019年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
1.一里野スキー場の方々は登山者にとても優しい、スキーをするなら一里野へ
2.岩間温泉への林道及び導水管尾根は降雪直後は危険過ぎる。よほど好条件でなければ立ち入らないほうが良い。
3.美女坂も危険カチカチ注意報
4.楽々新道はまさに山スキー天国
その他周辺情報 一里野温泉天領リフト割引で400円
闇夜の中にようやく奥長倉避難小屋が見えた。救われた
2019年01月14日 05:37撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
6
1/14 5:37
闇夜の中にようやく奥長倉避難小屋が見えた。救われた
一里野スキー場を出て闇夜の歩行7時間ようやく美女坂で白んできた
2019年01月14日 06:41撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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一里野スキー場を出て闇夜の歩行7時間ようやく美女坂で白んできた
美女坂上部のまさにヒマラヤ襞
2019年01月14日 07:15撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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美女坂上部のまさにヒマラヤ襞
朝7時大笠山に朝日が射す、昨日登頂した笈ヶ岳が右
2019年01月14日 07:17撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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朝7時大笠山に朝日が射す、昨日登頂した笈ヶ岳が右
美女の頭からは平原となる。朝日も射してモチも上がる
2019年01月14日 08:04撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 8:04
美女の頭からは平原となる。朝日も射してモチも上がる
YSHRもモチ沸騰!
2019年01月14日 08:11撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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YSHRもモチ沸騰!
美女の頭から平原となり素晴らしい展望が広がる
2019年01月14日 07:57撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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美女の頭から平原となり素晴らしい展望が広がる
飛行機も止まれるんじゃないか
2019年01月14日 08:04撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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飛行機も止まれるんじゃないか
おなじみ百四丈滝も出来上がっていた
2019年01月14日 08:14撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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おなじみ百四丈滝も出来上がっていた
白一色の加賀禅定道
2019年01月14日 08:17撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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白一色の加賀禅定道
振り返れば大笠山と笈ヶ岳
2019年01月14日 08:17撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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振り返れば大笠山と笈ヶ岳
加賀禅定道は並々を超えていく
2019年01月14日 08:20撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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加賀禅定道は並々を超えていく
遥か遠くに四塚山、うーん、待ってなさい!
2019年01月14日 08:20撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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遥か遠くに四塚山、うーん、待ってなさい!
昨日の新雪が心地良い
2019年01月14日 08:24撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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昨日の新雪が心地良い
まずは天池まで行く
2019年01月14日 08:24撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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まずは天池まで行く
天池から片シールで下り次の鞍部まで片シールで登る
2019年01月14日 08:54撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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天池から片シールで下り次の鞍部まで片シールで登る
次の鞍部から四ツ塚まで標高差500m弱
2019年01月14日 09:25撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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次の鞍部から四ツ塚まで標高差500m弱
乗り越えてきた並々、トレースがかすかに見える
2019年01月14日 09:35撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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乗り越えてきた並々、トレースがかすかに見える
鞍部から四ツ塚まで強風地帯
2019年01月14日 10:09撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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鞍部から四ツ塚まで強風地帯
帰りに使う楽々新道方面
2019年01月14日 10:19撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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帰りに使う楽々新道方面
四ツ塚までシュカブラの嵐
2019年01月14日 10:25撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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四ツ塚までシュカブラの嵐
四ツ塚までの2300mから2400m地点はモンスター群が続く
2019年01月14日 10:29撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 10:29
四ツ塚までの2300mから2400m地点はモンスター群が続く
この時期限定アイスモンスター
2019年01月14日 10:36撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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この時期限定アイスモンスター
アイスモンスターと言っても良いと思う
2019年01月14日 10:32撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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アイスモンスターと言っても良いと思う
モンスター達
2019年01月14日 10:35撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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モンスター達
四ツ塚到着
2019年01月14日 11:15撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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四ツ塚到着
さあ大汝峰が見えた
2019年01月14日 11:15撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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さあ大汝峰が見えた
四ツ塚から御手水鉢までのアップダウンも片シールで行く
2019年01月14日 11:28撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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四ツ塚から御手水鉢までのアップダウンも片シールで行く
御手水鉢も厳冬期は凍る
2019年01月14日 11:44撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 11:44
御手水鉢も厳冬期は凍る
御手水鉢から先はシュカブラ、氷化の嵐
2019年01月14日 11:44撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 11:44
御手水鉢から先はシュカブラ、氷化の嵐
希望の行進
2019年01月14日 11:54撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 11:54
希望の行進
厳冬期火の御子峰も雪は付いてない
2019年01月14日 11:46撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 11:46
厳冬期火の御子峰も雪は付いてない
火の御子峰をバックに
2019年01月14日 12:04撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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火の御子峰をバックに
手前から地獄尾根、中宮道、遥か北アの山並み
2019年01月14日 11:47撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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手前から地獄尾根、中宮道、遥か北アの山並み
大汝の巻もカチカチ要注意、厳冬期は甘くない
2019年01月14日 12:30撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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大汝の巻もカチカチ要注意、厳冬期は甘くない
大汝を巻いてきた
2019年01月14日 12:50撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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大汝を巻いてきた
さあ御前峰ロックオン
2019年01月14日 12:56撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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さあ御前峰ロックオン
YSHRもロックオン態勢
2019年01月14日 13:00撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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YSHRもロックオン態勢
この時期の景色は神懸かり
2019年01月14日 13:04撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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この時期の景色は神懸かり
稜線の肩までシビレまくり、ウィペット様様
2019年01月14日 13:10撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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稜線の肩までシビレまくり、ウィペット様様
大汝と同じ高さまで来た、最後まで気は緩められない
2019年01月14日 13:25撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 13:25
大汝と同じ高さまで来た、最後まで気は緩められない
最後のカチカチ斜面、ウィペット刺しまくりで突破
2019年01月14日 13:27撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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最後のカチカチ斜面、ウィペット刺しまくりで突破
白山肩にてこんな長いエビの尻尾初めてです
2019年01月14日 13:36撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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白山肩にてこんな長いエビの尻尾初めてです
さあもうちょいだ
2019年01月14日 13:30撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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さあもうちょいだ
山頂手前大岩
2019年01月14日 13:34撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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山頂手前大岩
サブちゃんゴール
2019年01月14日 13:37撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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サブちゃんゴール
YSHRもゴール
2019年01月14日 13:43撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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YSHRもゴール
室堂方面、人はだれもいなかった
2019年01月14日 13:37撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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室堂方面、人はだれもいなかった
奥社へ避難
2019年01月14日 13:37撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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奥社へ避難
YSHR只今30ヶ月連続お参り継続中
2019年01月14日 13:46撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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YSHR只今30ヶ月連続お参り継続中
お参りは入念に、御利益は間違いなくある
2019年01月14日 13:40撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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お参りは入念に、御利益は間違いなくある
山頂からカチカチ滑走、転けてはいけない場所で転けたらしい。チューンナップはしっかりやらないと葬式代が高くついてしまう
2019年01月14日 14:01撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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山頂からカチカチ滑走、転けてはいけない場所で転けたらしい。チューンナップはしっかりやらないと葬式代が高くついてしまう
さらば御前峰、2月になったらまた来るよ
2019年01月14日 14:08撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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さらば御前峰、2月になったらまた来るよ
帰りは山頂から大汝を巻いて御手水鉢まで15分
2019年01月14日 14:24撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 14:24
帰りは山頂から大汝を巻いて御手水鉢まで15分
御手水鉢周辺には5mほどの壁も出来ていた
2019年01月14日 14:39撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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御手水鉢周辺には5mほどの壁も出来ていた
七倉山まで登り返して左加賀禅、右楽々、行くしかない
2019年01月14日 15:08撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 15:08
七倉山まで登り返して左加賀禅、右楽々、行くしかない
楽々新道、清浄ヶ原
2019年01月14日 15:10撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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楽々新道、清浄ヶ原
七倉山の大斜面も良かった
2019年01月14日 15:11撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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七倉山の大斜面も良かった
清浄ヶ原手前も風の通り道でシュカブラ天国
2019年01月14日 15:16撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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清浄ヶ原手前も風の通り道でシュカブラ天国
清浄ヶ原まで下り七倉山を振り返る
2019年01月14日 15:26撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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清浄ヶ原まで下り七倉山を振り返る
清浄ヶ原ら見る加賀禅
2019年01月14日 15:27撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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清浄ヶ原ら見る加賀禅
清浄ヶ原もモンスター群
2019年01月14日 15:31撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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清浄ヶ原もモンスター群
人サイズのモンスターが続く
2019年01月14日 15:41撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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人サイズのモンスターが続く
モンスターを抜けいて行く
2019年01月14日 15:42撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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モンスターを抜けいて行く
YSHR、モンスターを背景に
2019年01月14日 15:56撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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YSHR、モンスターを背景に
さらばモンスター
2019年01月14日 15:53撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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さらばモンスター
かなり日も傾いてきて火の御子峰は地獄景色に
2019年01月14日 15:57撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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かなり日も傾いてきて火の御子峰は地獄景色に
小桜平避難小屋へ、パウダー発進
2019年01月14日 16:15撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
8
1/14 16:15
小桜平避難小屋へ、パウダー発進
パウダー蹴散らしYSHRもかっ飛ばす
2019年01月14日 16:22撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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パウダー蹴散らしYSHRもかっ飛ばす
楽々新道はパウダー天国だった
2019年01月14日 16:17撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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楽々新道はパウダー天国だった
小桜平から下は林間パウダー
2019年01月14日 16:29撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 16:29
小桜平から下は林間パウダー
もうすぐ日も落ちそうだ
2019年01月14日 16:29撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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もうすぐ日も落ちそうだ
夕焼けの大笠山、朝焼け夕焼けを楽しんだのは初めて
2019年01月14日 16:57撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 16:57
夕焼けの大笠山、朝焼け夕焼けを楽しんだのは初めて
先を急ぐが林道手前で完全に暗くなった
2019年01月14日 16:56撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 16:56
先を急ぐが林道手前で完全に暗くなった
山崎旅館までの林道はボブスレー
2019年01月14日 18:09撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 18:09
山崎旅館までの林道はボブスレー
岩間温泉から一里野への林道は片斜面ばっか、日が落ちた夜しか通れない
2019年01月14日 18:45撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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岩間温泉から一里野への林道は片斜面ばっか、日が落ちた夜しか通れない
ハライ谷加賀禅登山道入り口にて
2019年01月14日 19:30撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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1/14 19:30
ハライ谷加賀禅登山道入り口にて
岩間温泉ゲートまで来た
2019年01月14日 19:43撮影 by  Canon EOS Kiss X7, Canon
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岩間温泉ゲートまで来た
一里野ゴール、サブちゃんよく頑張った
2019年01月14日 19:47撮影 by  iPhone 7, Apple
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一里野ゴール、サブちゃんよく頑張った
おじさんは先に着いてひっくり返っていた。今日も完全燃焼!
2019年01月14日 19:48撮影 by  Canon PowerShot SX720 HS, Canon
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1/14 19:48
おじさんは先に着いてひっくり返っていた。今日も完全燃焼!

感想

厳冬期の白山を初めて加賀禅定道から往復したのは大魔人、この記録に僕は衝撃を受けた。加賀禅は白峰からと比較すると比べ物にならないくらい難易度は高い、アップダウン、ルート工作、滑りの厳しさ、厳冬期白峰からの往復が関脇なら加賀禅は文句なく横綱だろう。

これを成し遂げた大魔人はやはり怪物くんで自分は全く思いつかなかった山行だった。加賀禅は無雪期の下りでは何度も歩いたが登りで使ったことは一度もない。あんなコース夏でも歩く気にならない。ただこの山行が僕の心の中にいつまでも棘となって引っかかっていた。自分だって負けてられない。ただ厳冬期加賀禅から行くには何度もシールの付け外しが必要で一日雪が降らないという条件でなければ無理だ。この三連休は晴れ予報でまさに今しかないと密かに狙っていた。

ただ記録と言うからには真似ではいけない、二番煎じは全く価値が無いから自分のオリジナリティにこだわり、登りは加賀禅で白山山頂を踏み下りは楽々新道で激パウを頂くという計画にした。記録なら写真が必要だからパートナーがいる。抜群の体力、気力、下りでも付いてこれる滑り技術を兼ね備えたサブちゃんに声をかけることにした。彼も子育てて忙しくて今シーズン一度もスキーに行けてないが金沢マラソンの3時間ペースランナーに抜擢されて走り込んでいたらしいから問題ないだろう。気心も知れているし。

ただ地獄仲間には加賀禅から行くとは言っていたが楽々新道を下るとは言わなかった。七倉まで戻ってもし視界がなかったらトレースがない真っ更な滑ったことのないコースには入れても時間がかかりすぎて危険だ。まして楽々新道の厳冬期の記録は全く無いからである。トレース工作を終えた加賀禅帰還より遥かに難易度は高くなるから最終判断は現地で行うことにした。最初からできないことをやるとは言えない。

前置きは長くなったがこうした経緯でこの山行は綿密に計画されていた。そして昨日決行された。

2019.1月14日厳冬期白山・加賀禅から楽々新道周回

笈ヶ岳から下山して移動はほとんど無く一里野で風呂に入って食事をした。連休ということでスキー場は大賑わいだった。笈ヶ岳はもう過去に何度も行っているのでそれほど感動もなく山行中も頭の中は白山挑戦の事で頭が一杯だった。当初サブちゃんからは今シーズン一度もスキーをしていないので緩い山行でお願いしますと言われていたが、最初は百四丈滝でも見に行くか、と甘い言葉で誘いこの計画は前日夕方直前に伝えた。やめると言うかも知れないと心配していたが絶対がんばりますと頼もしい返答を受けた。おとこだ!

雪の状態は笈ヶ岳で把握していた。日当たりの良い斜面は固め、悪い斜面はパウダーぎっしりただ標高2000m以上は全く見当がつかない。多分雪が降っている可能性はある。スタートは23時、通常より1時間早めた。移動はなかったが何だかんだで睡眠時間は2時間半しか取れず22時に起きて支度を始めた。間もなくサブちゃんもやってきた。

23時少し前に静かで人気のないスキー場をスキーで登り始めた。すぐに両足の小指に痛みを覚えた、前日の笈で痛めたようだ。マラソンコースゆえ早くも不安で一杯だったが足指くらいもげても行くしかない。スキー場は中盤から斜度は増す、途中でクトーを付け効率よく約1時間で標高1000mを超えた。

山頂リフト終点から山の中にスキートレースが付いていた。かなり潜っていた。日当たりが良い斜面は固め悪い場所は靴程度潜るパウダーが残っていた。しかり場へ向けアップダウンを続ける。ますはサブちゃんが先頭でトレースを作ってくれた。スキートレースは途中でなくなりつぼ足跡も皆無だった。この連休中誰も入山者はいないようだった。

小指は少し下りになるともろに体重がかかり悲鳴が上がるくらい痛くなる。どうしたものか鎮痛剤の持ち合わせはない。悩んだ末に歩きにくいがスキー靴に滑走時使うベロを入れてみた。これで痛みは少し軽減されて何とか頑張れそうである。たっぷり3時間かけてようやくしかり場に着いた。加賀平野の夜景が綺麗だった。空は満天の星であった。

しかり場から先はアップダウンの連続となる。トレース皆無の加賀禅を交代でラッセルして黙々と進む。雪が多ければ巻も楽だが少なくはないが多くもないので巻は藪に遮られて難儀する。帰りに使うかも知れないので慎重にルート工作しておく。しかし口長倉山の巻きでは下りが入ってしまった。7時間かかってようやく暗闇の中に奥長倉避難小屋に着いた。二階から入って休憩した。サブはシールの具合が悪くて入念に修正していた。この条件で避難小屋は本当に大助かりで感謝で一杯だった。

小屋から出ると少し白んできた。奥長倉山を巻いて美女坂登りに差し掛かる頃はすっかり明るくなってきた。小指が痛いのでさほどペースは上げられなかった。ラッセルは靴程度で昨日新雪もあったような感じであった。二人共板はスーパーファットなので歩きやすかった。美女坂は一番の難所で核心部分は自分が先頭を行くが谷底を見ながらのスキーは勘弁して欲しい。途中から氷化してきて緊張したがウィペットで突き刺しながらスキーで稜線に登りあげた。

美女坂の頭に着くとこれまでとは一転して壮大な景色が広がっていた。はるか頭上には四塚が見えた。まだまだ先は長い、振り返ると昨日登った笈ヶ岳や大笠山に朝日が射していた。モチベーションは更に高まっていく。百四丈滝はこの時期もう立派に成長していた。例年通りだ。天池まで行ってシールを片方剥いで一気に先の鞍部まで片足で滑った。サブには滑るコツを伝授した。鞍部からは片足シールでさらに先の鞍部までスイスイ歩いた。

鞍部から四ツ塚まで標高差500m、風の通り道でシュカブラが発達していた。この登りにモンスター群が発達していた。ここにもモンスターは間違いなくいた。後述する楽々新道台地にもやはりあってモンスター群は白山の至る場所にできるようだった。ただ誰も厳冬期に入らないからわからなかっただけのようだ。

モンスターに癒やされながら四ツ塚に着いたのはスタートして12時間以上経過していた。楽々新道から帰るならここで折り返せば楽勝だが面倒でも白山へ行ってこそ価値がある。四ツ塚からまた片足シールで一気に御手水鉢まで下った。もう行くしかない。ここから山頂までは氷化斜面で氷も多くてマジしびれた。ルート工作も難しくてずっと僕が先頭でトレースを伸ばすことにした。後続のサブちゃんビビリまくりだった。

大汝の巻が終わるともう御前峰はすぐだ。山頂までの氷化斜面を嫌って裏のお池側からアタックしたがここも氷化していてウィペットを突き刺しながらスキーで登りあげた。肩まで登りあげるとようやく奥社が見えた。長い道のりだった。スタートして山頂まで14時間を超えていた。これも記録だった。すぐに奥社でお参りして無事帰還を願った。さあ急いで帰らなければ暗くなる。時間との闘いになる。時間はすでに午後2時前、日没まで4時間。

帰りは終始僕が先頭で安全なルートを切り開く。山頂直下の氷化斜面を無事滑って下で待っていたがサブが来ない、転けてはいけない場所で転けて際どかったと言っていた。大汝の巻も際どくガリガリいわせてドンピシャで御手水鉢に着いた。さあ急いで七倉まで登り返す。七倉に立って楽々新道を見ると雲はあるが視界は大丈夫だ。これは行くしかない。未知のコースへゴー。

七倉からの大斜面は素晴らしく厳冬期の火の御子峰を眺めながらかっ飛んだ。清浄ヶ原も素晴らしいモンスター群が発達していた。ここのモンスターは小ぶりなものが多かった。素晴らしい景色にうっとり、雪もパウダーであった。対岸には苦労して登りあげた加賀禅が見える。コース取りに気を使いながらガンガンパウダーを蹴散らすと遥か下に小桜平避難小屋が見えた。この斜面もパウダーが詰まっていた。楽々新道は加賀禅と大違いのスキー斜面だと思った。

避難小屋は半分出ていた。この下もずっとパウダーの林間コースが続いた。生きてて良かった。山スキー最高と思える時間が続く。はるか山並みに夕焼けの大笠山が見える。一日に朝焼けと夕焼けを楽しんだなんて初めての経験だ。厳冬期の楽々新道はこんなに素晴らしかったのか。

さて時間は押し迫り1350mからの最後の尾根に出た。すでに時間は17時を回っている。林道まで降りればもう大丈夫だ。尾根の上部は滑りやすいが下るにつれ藪が濃くなる。1100mで薄暗くなりライトを付けた。サブはサングラスを外すと言うが藪で目を突かないように気をつけるように、こんな事もあろうかと自分のサングラスは可視光線透過率が高くて暗闇使用も可能である。

最後林道直前で真っ暗になったがもう林道がすぐそこで安堵した。林道に出て山崎旅館まではボブスレー、一里野まで林道を使うか導水管尾根で下るか悩んだがもう真っ暗なので時間はかかるがより安全な林道を選択した。しかし林道は悪かった。斜度がない上にスノーシェッドが多くて難儀した。おまけにいたるところ雪崩れておりとても夜以外は使えない。導水管尾根も急で降雪直後は雪崩が怖い、まあどちらも状況が揃わないと立ち入りは無理だ。

長い長い林道を漕いで一里野スキー場に帰還したのは19時42分、すでに21時間経過しており記録づくめの完全燃焼だった。

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