唐松岳〜白い北アルプス、空と海の遥かなる水平線
- GPS
- 05:52
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 964m
- 下り
- 931m
コースタイム
- 山行
- 4:48
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 5:52
天候 | 晴れ 下ノ樺から強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
詳細は白馬八方尾根スキー場のHPを参照してください。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
トレースはあるが、下ノ樺から丸山ケルンまで雪が締まっておらず踏み抜き多い。 稜線上は10〜15m/sの強風、山頂では15〜18m/sの爆風。 気温、ゴンドラ乗車時−5℃降車時6℃、八方池山荘−7℃下山時0℃、山頂−8℃で体感気温は−20℃程度。 |
写真
感想
宇宙から見る地球は、球体で美しく青く輝いている。大自然が作り出す造形美は、人の創造を凌駕する素晴らしさがある。人知など到底及ばない自然の偉大なる力。
寒気が後退し晴天が望める唐松岳へ今季も訪れる。白い山の頂きから、雄大な北アルプスと立山連峰、青い海と青い空の境界、遥かなる水平線の彼方への眺望を楽しみにする。
前橋を4時に出発。積雪凍結すらないオリンピック道路から白馬村へ。八方尾根スキー場へ行く前に寄り道。白馬駅南の踏切を渡り白馬ハイランドホテル方面へ。ホテル手前の天神坂からモルゲンロートの白馬三山を撮影観賞する。個人的に好きな五竜岳も赤く染まっていた。坂には大勢のカメラマンがいた。
移動して白馬大橋へ。ここも橋上に大勢のカメラマン。松川と白馬三山を撮影した。東側を向いて日の出を撮影している人も大勢いた。スキー場方面へ戻りゴンドラ前駐車場に駐車。7時過ぎだがまだ3台しか停まっていなかった。料金600円を支払い登山届を書いて暫し仮眠。
7時45分に起きて着替えて装備する。知らぬ間に駐車場は満車だった。ゴンドラアダムは8時始発だが、最後のグラートリフトが9時始発なので早く上に着いても乗れない。焦らず余裕でアルペンライン券購入。今日は天気が良いので往復で販売していた。悪天候時は各リフト毎となることがあるので注意。
ゴンドラからアルペンリフトを乗り継ぎ、グラートリフト始発待ち。鎌池方面を散策し白馬三山を撮影。通常9時始発だが20分早く動き始めたグラートに乗り八方池山荘へ。ほぼBCの方々、登山者は3割程度だろうか。
アイゼンを装着し出発。深夜までの降雪が薄っすら程度で先行者のトレースもある。雲一つない快晴の空、北アルプスの厳冬期の好天は滅多にないチャンス、景色を楽しみたいのでゆったりと歩んでいく。
13時までに山頂に着けばいいやと余裕の足運び、写真撮影と風景観賞で止まってばかり。グラートリフト最終が15時30分。下山はゆっくり行っても2時間だから逆算してそれに間に合えばいいのだ。
八方山からパラグライダーの方が飛び立っていく。風に乗り空高く舞い上がる開放感。鳥になるとはこのことだろう。素晴らしい。
南側には白く連なる遠見尾根、五竜岳、鹿島槍ヶ岳。景色を見ながらゆったりと登っていく。広い雪原帯に差し掛かり、ケルンを通過しながら歩いていく。八方池は雪の下だが、昨年同様今季も飯森神社奥社の祠が見えていた。やはり暖冬なのだ。
下ノ樺辺りから北西の強風が吹き始めた。ここで昨年の教訓を生かしてスノーシューにチェンジ。上ノ樺や丸山への急坂は雪が締まっておらず踏み抜きやすいからだ。ライトニングアッセント25インチのテレベーターを上げて軽快に急坂を登って行く。
上ノ樺先は雪面がクラストして歩きやすくなるが、稜線上で地吹雪を伴った吹きさらしとなり10〜15m/sの強烈な風に煽られる。丸山ケルンから山荘ピークまではやや狭い稜線歩き。不帰嶮方面からのさらに強烈な風。もう下山されてくる方とすれ違う。このような良い日に早々と下山とはもったいない。
唐松岳頂上山荘上のピークに到着。五竜岳、立山連峰など美しい厳冬期の日本の屋根を眺める。この景色が見たくて来たようなものだ。強風に吹かれ白い山の連なりをしばらく眺めていた。
唐松岳へのビクトリーロードを歩んでいく。BCの方々はこの辺りからドロップし本谷へ滑走して行く。北側に張り出した雪庇も小さく、斜面の積雪も少ない。山頂直下でいつも靴幅程度のトラバースの箇所も普通に歩けた。
ゆっくり歩いたので3時間で山頂に到着。5名程度の先行者。BCの方は山頂経由でDルンゼへ行かれる。気温−8℃、日差しがあるので寒さはそれほどでもないが、強風で体感温度は−20℃程度だろう。昨年は超極寒で顔に凍傷を負ったが、今年は日焼けだけだった。
強風で三脚を雪に差し記念撮影。360度の大展望から山座同定する。目前の五竜岳の荒々しさ、穂高岳槍ヶ岳をはじめ北アルプスの白く連なる山並み、立山劔岳の雄大さはいつ見ても感動する。北には険しい不帰嶮、北東には頚城山塊北信五岳。東の遥か彼方に苗場山、仙ノ倉山も見えた。南には八ヶ岳、富士山、南アルプスが見えた。
毛勝三山の奥には黒部市と黒部川が見え、その先には日本海があり水平線が見えていた。雲が湧く水平線は軽く円弧を描き、地球が球体だと言うことを改めて認識する。空と海の遥かなる水平線。雄大な自然の素晴らしさ。
40分ほど山頂に滞在し景色を堪能。目と記憶に焼き付ける。今日は強風で昼食は作れないと思い行動食のみ持参。それを軽く食べて下山。スノーシューからアイゼンに履き替え、強風に吹かれ去っていく。
下山は西日となり、様変わりした雪景色を観賞しながら歩んでいく。五竜岳から白く連なる遠見尾根、上樺尾根と雪原のシュカブラが美しい。夏季には扇雪渓が現れる。チングルマやシャクナゲの群生も見られる。
上ノ樺、下ノ樺の急坂はトレースを外すと、やはり踏み抜く。shilokoさんならJAシートで華麗にシリセードで滑り降りるだろう。八方池ケルンを過ぎると風も凪いで暑い。ハードシェルを脱いでインサレーションのみ。グローブを外し素手。
見納めの鹿島槍ヶ岳、五竜岳を眺めて八方池山荘に到着。気温0℃で暖かすぎ。雪が重い。山荘北側へ行き白馬三山を眺める。アイゼンを脱ぎリフトとゴンドラで下山。
貧乏な私にとって、往復でリフトを使用するのは大変な贅沢。ゲレンデ内はスキーリフト券を購入していないと滑走禁止で、ハイクアップおよびダウンすら禁止だから仕方ない。
20歳の時にひざの靭帯の断裂をした兎平ゲレンデを下るリフトから眺める。西日が当りコブの凹凸が良く分かる。もうここを滑ることは出来ないだろう。若かりし頃を回顧しセンチメンタルな気持ちになった。
駐車場に戻り着替えて帰路へ。暖かく気温6℃。白い田園風景を眺めて車を走らせる。サイドミラーには八方尾根と白馬三山、横には西日があたる五竜岳のシルエットが浮かび上がっていた。
新着の山行、トップでgrowmonoさんのこのレコで何気なく覗いてみたら素晴らしい写真の数々。
朝からラッキーな気分です、ありがとうございます。
こんばんは、tomhigさん。
コメントお寄せ頂きありがとうございます。
予報で快晴となることは分かっておりましたが、一日を通して素晴らしい眺望でした。
何より楽しい山行でしたね。それに尽きます。
今回は写真の処理と選別に時間がかかりました。人を和ませ幸福にさせる写真が掲載できて良かったです。こちらこそありがとうございます。
やっぱり行ってましたか、唐松岳!
長野県の天気が良かったので浅間山か唐松岳あたり行ってると思いました。
私は四阿山に登ってましたが、唐松岳よく見えましたよ。でも、今日行っても爆風にさらされるかも?なんて思っていました。
やはり強風ならぬ爆風でしたか。
今年は雪の唐松岳に行ってみようかな。
長時間ドライブに気合が入ったらの話ですが (^^ゞ
こんばんは、yasubeさん。
今季は暖冬と少雪を考慮して、いつもより一週間早く訪れました。
やはり雪が少なかったですね。爆風は相変わらずですが・・・。
こちらからも四阿や浅間も良く見えてました。頚城の一部と越後三山方面はガスでしたね。
あとは全方位見渡せる素晴らしい眺望でした。日本海と青空の境目に雲が湧き、きれいに水平線が円弧を描いてました。欲言えば、霞んで富山湾方面が見えなかったですね。
前橋からですと早朝なら2時間半で白馬に着けます。R17R18で松井田妙義から更埴まで高速、篠ノ井抜けて19号、オリンピック道路です。帰りは3時間強ですね。長野市は通らず山越えで篠ノ井抜けて更埴から高崎玉村まで高速です。3300円は痛い出費です。
growmonoさん
おはようございます。
私もこの日唐松が好天になることをSCWを見て分かっていましたので
行こうか迷いました。
多分例年通りgrowmonoさんが訪れるだろうなあと予想しました。
案の定でしたね。
でもわたくしにはまだ早いことがわかりましたので納得しました。
それにしても山頂の眺望写真の解像度の素晴らしさにビックリしました!
やっぱり重い機材を持って登る写真家の意味が良くわかりました。
有難う御座います。
よくわからなかった北アルプスの山々の名前もはっきりしました。
こんばんは、iiyuさん。
今季も行って参りました。怪我からのトラウマが完全に吹っ切れたようです。
皆さん私が訪れるのを分かってらっしゃるので、様子見が出来たと思います。お役に立てて光栄です。今年も雪が少なく八方池山荘から下の樺まではとても歩きやすいです。ただ下の樺から上の樺の急坂の踏み抜き、丸山から頂上までの爆風は相変わらずです。
今年は寒くはなかったので凍傷になりませんでしたが、天気が良くて日焼けが痛いです。やはり3月の方が晴天率も上がり、風も収まってきます。是非訪れてくださいね。天神坂のモルゲンはお薦めです。白馬大橋は混んでいましたが、それほどいい景色とは思えませんでした。
写真ですが、今回は晴天が分かっておりましたので、雪面の反射白飛びを防止するためPLフィルターを装着しました。シャッタースピードが1〜3段遅くなります。つまり暗く写ります。
カメラの縦横や太陽の位置でフィルターの効果が変化するので、カメラではなくパソコンで露出補正しました。シュカブラの模様もシャープに写したかったので、結構絞りました。よって全体的に暗い(アンダー調)に仕上がりました。青空が自己主張せず、見た目そのままの色を再現できて良かったです。
growmonoさん おはようございます。
真っ青な空に朝焼けの白銀
登り出すと五竜、鹿島槍、白馬と名をつらなう名峰も青空のキャンバスに
堂々とそびえて、まさに登山日和?(風が強かったのだっけ)。
これだけの景色を見られる山三昧の日でしたね。
こんばんは、yasioさん。
天神坂のモルゲンに間に合うように少し早め、4時に出ました。2時間半あればゴンドラ前駐車場には着けますから、5時でも充分です。
終日快晴が分かっていましたから、急がず焦らずゆっくりと景色を堪能して登りました。
昨年は下の樺から踏み抜き地獄のラッセル祭りでしたから、今年は忘れずにスノーシューも持っていきました。楽々な歩みで軽快に山頂まで登れました。
八方尾根から見る遠見尾根と五竜岳が好きで、登りながらずっと眺めてましたね。不帰嶮や白馬三山も時々見てました。山頂から見る五竜のルンゼや立山剱の険しさは、群馬の山からは見ることが出来ませんからね。何度も見てますが、今回も目に焼き付けてきました。
growmono さんこんにちは。
唐松岳に行ってきましたね。強風とはいえ素晴らしい眺めだったようで良かったです。きれいな写真を見て行ったような気なりました。武田菱の写真が気に入りました。
お疲れ様でした。
こんばんは、yamayuriさん。
白馬ハイランドホテル前の天神坂は、モルゲンを眺めるにピッタリの場所です。
白馬三山もいいですが、個人的には五竜岳の雄大さが好きで、武田菱も良いですよね。
昨季に遠見尾根へ訪れた時に、爆風に吹かれながら頭上の武田菱を見て勇気をもらいました。今年は雪が少ないので、もうすでにくっきり菱の線が出ています。
上の樺から山頂は相変わらずの爆風でした。ただ気温がそれほど低くなく、バラクラバやゴーグルするほどではなかったですね。ただ日焼けして少しピリピリしてます。
山頂から見る北アルプス、立山連峰は素晴らしいです。昨夏に針ノ木岳から柏原新道で周回した時に見た立山劔岳を思い出して眺めてました。
growmonoさん こんばんは
まだまだ雪山初心者の自分ですが、心の中では雪山の最終目的地は
唐松岳か小遠見山と勝手に思っています。growmonoさんのレコに
載っているような景色が見られたら…もう充分過ぎです。それにし
ても風が強いですね。今の自分にはとても無理です。羨ましい限り
です。
埼玉のchii
おはようございます、chiiさん。
晴れ渡る北アルプスの頂きへ行ってきました。素晴らしい景色でしたね。
風が強いのは想定内で、昨年の極寒爆風に比べればそよ風程度です。
小遠見山は、テレキャビン下りて地蔵の頭からすぐですよ。それほど難易度は高くはないと思いますが、各々の尺度がありますので、ぜひ挑戦してください。小遠見山からも360度の大展望ですよ。
growmonoさん、おはようございます。
今回は顔に凍傷もできず日焼けだけとのことで良かったです。
素晴らしい数々のフォトからしてかなり余裕を持って歩かれたことがうかがえました。growmonoさんのレコを見ていたら、残雪期にまた唐松岳に登頂し、唐松沢あたりをスキー滑走してみたくなりました。どうもお疲れ様でした。
hareharawaiより
こんばんは、hareharawaiさん。
暖冬を考慮して早めに訪れました。やはり積雪は少なかったです。
風は強かったですが、景色が抜群でしたね。
昨年のラッセルと違い、余裕をもって景色を堪能しながら歩いておりました。
唐松沢はBCの方に人気です。特に外国の方々が多いのも特徴ですね。
今年は賞味期限が短そうですから、情報収集が重要ですね。
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