雪を掘り掘り赤兎山避難小屋泊
- GPS
- 28:55
- 距離
- 23.6km
- 登り
- 1,382m
- 下り
- 1,382m
コースタイム
天候 | 土曜日 曇り時々晴れ 日曜日 雪のち時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
赤兎山避難小屋は2年前に年越しした思い出の場所です。あれからスキーで赤兎山に行けておらず、チャンスを窺ってましたがようやくその時がやってきました。
天気予報では土曜日の午後から夜まで晴れ、その後は降雪になるということで、夕焼星空が期待できます。日曜日は厳しそうですが修行ということで。
さて小原区のゲートに着くとまさかの先行者。でもザックは日帰りサイズでした。
小原林道に雪はありません。スキーとブーツはザックにくくりつけ、アプローチシューズで歩きます。最近ずっと山スキーだったので足元軽くてザックの重さも忘れてしまいそう…なことはないです。
途中から雪が出て来ますがまた切れるのでツボ足のまま歩きます。よくゴボって、おっとここは福井ですからガボってしまいます。
今日は大舟山から赤兎山を歩こうと思っていたのですが、取り付きに雪がありません。これでは単なる薮マニアになるので大舟山はパス。そのまま林道を歩きます。
もうそろそろ雪もつながってきたかなと思えるところでスキーに履き替えます。足は重いですがガボらないので楽です。
ショートカットはいつも通り難なくこなして赤兎山登山口に着きます。ここからは夏道沿いに進むことにします。小原峠はスルーして急な尾根筋に取り付きます。雪は硬いですがクトーはしっかり刺さりますので半カニを交えて登ります。カニ歩きに慣れたせいかいつもここは苦労して登ってましたがあっさりクリアできました。
ただ風は強く、寒いので先を急ぎます。赤兎山でお昼したいところでしたがそのまま避難小屋を目指します。シールを剥がすのも苦労するのでクトーだけ裏返してシールのまま滑ります。
硬い雪をシール付けて滑る場合、スキーのエッジが出るようにカットしてあるとスリップしにくいので安心です。エッジ端面までシールがあるとスリップしやすく危険で、どちらかにするかは安全重視でメーカーの推奨条件のするのがいいでしょう。メーカーには過去から長年の多く人たちによる経験が蓄積されているものです。
強風の中避難小屋を目指し、ようやく今日の住処の赤兎山避難小屋に到着です。とはいえ雪は屋根近くまで埋まっており、半分くらい見えてるのではという期待を裏切られこれから雪を掘らなくてはなりません。
最初は小屋の近くから掘り始めましたが、どうも小屋沿いに掘った方が早そうな気がして小屋のすぐそばの雪を掘ると雪が柔らかくて掘りやすく、入口に向かって掘り進むことにしました。それでも積雪3m、なかなか進みませんから、もしダメなら掘った穴で雪洞泊でいいか〜と思い作業します。掘り進むにつれて雪を上に出すのが大変になってきます。入口の屋根の下になんとか人が通れる穴を作り、入口の前に入り込むことができました。
幸い入口のドアは開くことができ、雪面から1m下の床に飛び降り、雪の壁を切って階段を作ります。雪を小屋の中に入れないように作業し、もし入ったらまた外に雪を出します。
今度は外に向かって階段を作ります。荷物の出し入れがあるので面倒でも安全に歩けるようにするのは翌朝のために役立ちます。
無事に作業が終わったら荷物を出して、マットを敷きます。何せ室温は氷点下、床を歩くと足が冷たいんです。時間があるのでお昼寝して、夕方になれば夕飯のために雪から水を作ってお湯を沸かします。お湯が湧いた時点で外に出るとちょうど夕陽が沈むところ、写真タイムです。寒いですが赤兎山のそばに沈む夕陽の美しさにここまで来て泊まれることの素晴らしさを感じました。
夕焼タイムが終われば夕飯にします。定番のお餅を焼いてお味噌汁に入れるお雑煮です。19時半くらいと20時くらいに星空チェック、最初は雲がありましたが20時にはすっかり晴れて星空最高でした。月が出てなかったので星が映えます。
外は本当に寒く、氷点下の小屋に戻れば暖かく感じます。もうすることもないので寝るだけです。
翌朝は朝焼けの色もなく、ホワイトアウトの朝でした。朝食を済ませパッキングし、小屋を片付けます。赤兎山のトイレは男女別、匂いはありますが比較的キレイな方だと思います。
荷物を縦穴から外に出そうと思ったら積雪が20cmくらいあり、雪の階段に積もった新雪をまた掻き出してのスタートです。雪まみれになりながら荷物を外に出し、強風と降雪の中スキーを履いて出発します。
赤兎山まではホワイトアウトなのでGPSをこまめにチェックしながら進みます。新雪は10cm〜15cmくらいでしょうか。軽いので下の硬い雪にクトーが食い込みます。なんとか赤兎山に戻りますが強風ためシールのまま滑ります。結構な距離をシール滑走し、雪の窪地でようやくシールを剥がしてちゃんと滑ります。
新雪はとても軽くパウダーですが底付き感があるので雄叫びが出るほどではありません。小原峠あたりからは沢筋が多いため、GPSを見ては何度か登り返すなど慎重に進みました。
登山口までくればあとは林道滑りです。しかし新雪が重くなり始め、スキーはほとんど滑りません。泊まり装備を背負っての歩き漕ぎ試練です。唯一ショートカットルートだけはよく滑りました。
新雪のおかげでかなり麓までスキーで歩けました。さすがにもう雪が融けて無くなったところでアプローチシューズに履き替えスキーとブーツを担ぎましたが、実際こっちの方が足が軽くて楽で速いくらいです。
時間的には日帰りも可能なこのコース、それでも泊まって山で過ごせるというのはまた別次元の楽しさがあると思います。実際荷物が重く準備や片付けが大変な泊まり山行ですが、それでまた行きたいと思わせる素晴らしい2日間でした。
コメント
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2日間の行程なのにすでに上がってるんですね笑
2年前のモモちゃんさんの記録を見て、いつか自分もと思って2年経ちました笑
最高とはいかないまでも青空、星空、ホワイトアウトを一度に楽しめた感じですね😁
実は今日、モモちゃんさんに遭遇できるかもと期待して護摩堂山に行ってました。
またもエリアニアミスでしたが、護摩堂山に入り浸る理由がわかった気がします✌
早速のコメントありがとうございます
あ、こっそり護摩堂山に行かれてたんですね〜なぜかそういう日に限って違う山に行ってました汗
護摩堂山はなかなか味わい深いでしょ?また他のルートからも是非チャレンジしてみてください
モモちゃん、
避難小屋を掘り起こして泊ったんですね。
思わずボクも、取立山の避難小屋を掘り起こして泊ったのを思い出しました。
クマ
クマさんコメントありがとうございます!
そういやクマさんも取立山避難小屋で掘り掘りされてましたね
実際にやったのは今回が初めてでしたが、最初の「これ掘れるの?!」って不安と掘り進んでいって開通したときの安堵はクセになりそうです(笑)
ってこんな機会そうそうありませんが…
前回レコで護摩堂山通う理由は分かりましたが、いったいつまで通うの?と思っていたら早速赤兎山でしたか。しかも泊まりとはイイですね♪
しかし山頂の雪の無さに対して小屋は結構埋まってますね、やっぱり小屋周辺は雪が溜まりやすい地形なのでしょうか?
自分的にはもう雪かきなしで扉開くくらい雪ないかと思ってました(汗)
そうそう、三ノ窓雪渓滑走期待していますよ!
kiyaさんやっぱり食いついて来ましたね
そうですね、避難小屋のあたりは吹き溜まりではないですが吹き飛ばされることもない地形で、平均的な積雪がありそうな地形だと思います。
3月2日のkiyaさんのレコの写真見て、もうさすがに雪も減って余裕かと思いきや雪の多さに唖然としました(笑)
三の窓雪渓はチャンスが巡ってくればいいのですが、2泊3日で行ってみたいと思ってます!
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