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Yamareco

記録ID: 2003009
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ハイキング
槍・穂高・乗鞍

ジャンダルム

2019年09月06日(金) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
26.1km
登り
2,139m
下り
2,129m
過去天気図(気象庁) 2019年09月の天気図
アクセス

感想

今回は妻との夏休み登山。
休みを互いに合わせて休暇をとった。
どこに行きたいのか聞いてみる。
妻は親戚が最近行ったジャンダルムに興味があるとのこと。西穂〜奥穂の2泊3日のテント泊をザックリ話してみた。どうやら乗り気になったらしい。

9/1。
いつもの癖か帝国ホテルでバスを下車するところ上高地まで来てしまった。梓川沿いに帝国ホテル方面まで戻る。

10:30、登山口。
今回の縦走は妻には身体的に大きな負担をかけたくない。荷物は極力自分が持つことに。

寒がりの妻は夏山でも冬用のシュラフにマットを2枚使う。暖房用にガソリンストーブを900㎖用意し、煮炊き用にガスストーブとカートリッジが大小1つずつ。大鍋にしっかりした夏用の山岳テント。水は途中でコーヒーや白湯を作るため2ℓを用意。妻の好きなポカリが1ℓ。行動中は固形物を食べれない妻はゲル状の栄養食。3日分の6パック。それと朝夕の食料やおやつが2人分。自分のマットとシュラフや雨具に防寒着、エマージェンシーグッズ。

しめてパックウエイトは20kgは超えるか?
今回の縦走では重すぎるな。
以前同じ行程を歩いた時は2ℓの水を4本持って小屋にはお世話にならなかった。小まめに休憩を持ったが12時間かかったな。

本人は自分で持つと言っていたがお楽しみグッズも大分減らさせ最低限の物しか持たせていない。
雨具、ダウンジャケット、手袋、おやつ。慣れたものが良いとのこと。
3kg近くもある60ℓのぺったんこのザックを背負って嬉々として歩いている。
こちらは明日以降に疲れを残さないよう歩き方にも気を使い涼しい顔で歩いている。
1時間おきにザックを下ろす。
座り込んでゆっくり休み、のんびり登っていく。

15:00、西穂高山荘。
なぜか妻は山荘のテラスで煮炊きしたいと言う。
ガソリンストーブの使い方は覚えていると言うため煮炊きは任せ、一人でテン場でテントを設営する。
ポールをテント本体に差し込んでいるところに妻がガソリンストーブのポンプを手にやって来た。
ポンピングが出来ないらしい。
調べてみるとポンプヘッドのラバーがダメになっている。ダメ元でそのまま点火してみるも5分ともたず火は気化しきれず消えてしまう。諦めてガスストーブを使う。

妻は使いかけのカートリッジの残量を気にしている。山荘や小屋で販売していないかしきりに話しかけてくる。

嫌な感じだ。自分の準備不足に腹ただしさを感じる。
降雨があったら濡れ物を乾燥させることも難しい。
気持ちを切り替える。

夕暮れ頃に丸山山頂付近まで行ってみる。
9/2
4:00、西穂高岳山荘。
5:15、独標。
7:00、西穂高岳。
14:30、奥穂高岳山荘

横殴りの風雨の中、垂直のスラブの中で妻はクラックにハンドジャムを決めている。
妻にクライミング経験はない。
妻の雨具はとうの以前に用を足していない筈だ。
緊張の連続の中、今いる場所より脱出するため寒さも忘れているらしい。
妻の底力をみせられる。
暴風雨の中、あるクライマーのことを思い出す。

妻は寒さに耐えかね素泊まりするらしい。
山荘に入るも居心地の悪さを感じる。
早くテントに潜り込みたい。
私は予定通りテント泊。
一人テントの中で今日一日を反芻する。
妻に余計な心配をかけたくなかったので西穂以降は行動記録をとっていない。写真も撮っていない。

少なく見積もってもザックは15kgはあろうか。
悪天の中恐らくコースタイム内で歩ききった。
岩は濡れると危険だ。
妻が元気な内に西穂で引き返すべきだったのだろう。
妻は行けると踏んで稜線に突っ込んだ。
悪天の中行動を共にし妻を見ていて思っていた。
「何が起きてもおかしくない状況だ。」
何度か「落ちるなよ」と念じた瞬間もあった。
妻を危険に晒した責任は私にある。

9/3
8:30、奥穂高岳山荘。
10:15、涸沢ヒュッテ。
13:30、横尾。
15:00、徳沢。
15:30、最終バスが17:05に気づく。
16:00、明神。
16:40、バスターミナル。
早朝激しく降雨ある。
降りしきる雨の中小屋泊の人達が行動を開始始める。
下山を開始する頃には雨があがる。
曇天ではあるが昨日と打って変わって天候は穏やか。
山荘の立つ稜線より涸沢のテン場を望むと数えるほどしかテントは張られていない。
悪天に加え、時期が中途半端な事もあって登山者もまばらだ。
徳沢で妻が思い出したように最終バスをチェック。
最終までザックリ1時間半。
お互い本気モードに。

走る。
走る。
走る。

食料や水がなくなったとはいえ、水分を含んで濡れて重くなったテントの入ったザックは左右・前後に振られ走りづらい。
妻は競歩でしっかりついてくる。
昨日来の疲れや身体の痛みがあるはずだ。
またしても妻の底力に感心する。
無事に下山し、上高地を後にする。

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コメント

なんだか辛い( ; ; )
私もこの夏、西穂高岳まで行きました。
本当の目的は、この目でジャンダルムを見たかったからです。
憧れてしまうのですが
西穂高岳から先はクレイジーな領域。簡単な考えで入ってはいけないと思いました。
奥さまご無事で良かったです。
2019/9/6 12:46
Re: なんだか辛い( ; ; )
読んでいて心苦しいものと感じられたのでしたらすみません(u_u)
2019/9/6 14:29
辛いレコも大事です
辛いんですが、リアルな体験を赤裸々にアップしてもらって、逆に自分の教訓にしようと思わせていただき感謝です。

なによりお二人が、ご無事で良かったです。
2019/9/6 18:50
(°_°
俺も同じ日に上高地から岳沢〜吊り尾根経由で
奥穂山荘に素泊まりしました。
2日の暴風雨はこれまでにない感じでした。
あの日の経験は一生忘れられなそうです。
無事で良かったです!!
2019/9/7 22:59
Re: (°_°
同じ日に?
頑張りましたね(^^)
素泊まりした妻の話しでは小屋泊の皆さん口を揃えて「こんなの初めてだ!」って言ってたみたいですねー。
2019/9/8 0:53
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