廃村の紅葉を散策
- GPS
- 06:10
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 624m
- 下り
- 609m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
紅葉を愛でるハイクも最後になりかけてきて、芹川上流の廃村を訪ねてみた。桃原(もばら)と向之倉集落跡である。桃原は集落全体が草刈りも含めて十分管理されていて、毎週のように帰ってきているかのように感じた。芹川の川床から250mほど標高を上げた緩傾斜の台地に日吉神社のある桃原は廃村とは思えないほど生活感のある村落であった。
芹川上流の河内風穴の少し手前にある屏風南方駐車場からしっかりした橋を渡って、桃原台地迄の登りは傾斜もきついが、踏み跡も判りにくく少し右往左往してから左手の古い道らしき段差を上がると、舗装された桃原への道に出た。舗装道路の曲がり角から踏み跡は再び山の中へ入り込んだ。ここからの道は歩き易く、家の姿が見えてきてすぐ上には家並みが多そうで一段上がると公園のような広場にイスとテーブルがあった。ここ桃原には昭和40年ころまでスキー場があったと看板に記載があった。更に、ここ桃原は桃源郷だとの表示もあったが、周辺の状況からは住んでいる方々は常に桃源郷だと思いながら生活をしていたのだろうと感じた。すぐ脇の深い樹林の中に日吉神社は静かにあったが、鳥居に至る入り口部分には鎖で行き止めとなっていることから日ごろはお参りできないことからであろうか、深い信仰の証のようにも思われた。
舗装道路が続き、何軒もの家並には今住んでいるかのように、庭の草は綺麗に刈はらわれたばかりのようであった。この集落内には綺麗に紅葉したモミジや銀杏があるが、住人が丁寧に手入れをしていたからであろうか、ものの見事な佇まいで木々が美しい。
集落の再上段から山の中に踏み跡を辿ると、途端に雑草に覆われてGPSの軌跡を頼りに進む始末である。古い道は崩れていて何処を歩けばいいのか判りにくいが、所々に古い道と思わしき跡があって、ホッとして進む有様である。徐々にハイクらしくなってきて稜線を辿り始めると、石灰岩の塊が彼方此方にあって邪魔をするように立ちはだかり、尾根の左をトラバース気味に進むと広場に出たと思ったら鉄塔であった。そこからやや右方向の藪に入り緩傾斜帯を登ると広い大地になって杉の樹林帯となり、すぐ先にアミダ峰と表示にあった。ここは山頂とは言い難いが、ゆったりしたハイクには似合いの休憩地である。時間も正午に近いので昼食とした。木漏れ日が少しだけ指したところもあって、廃村散策ハイクには持って来いの何もない場所である。
午後は杉坂峠から旧の杉集落へ行こうか?考えたが、紅葉の良い場所を歩こうと鉄塔周辺の南方向へ行くと緩やかに東の谷に落ちる斜面にものの見事な紅黄葉が見えてきた。自然の織り成す錦秋の素晴らしさに皆が声を上げて感嘆しきりであった。緩やかな斜面を北東方向にしばらく進むと、更にトラバース気味に進み小ピークを越していくのでそろそろ右折をするのかと思って東を探索していると仲間が、『右折ポイントはもっと先だよ』と指摘され、GPSを見ると確かにもうすぐ北である。ここは標高670mの向山であることが帰宅後確認して判った始末である。
そして北に進みながら紅葉に見とれて斜面を下降すると、ものすごく大きな杉があった。ここが杉峠であり、根元に小さなかわいい地蔵さんが鎮座していた。杉峠から東に延びる尾根を進み、比較的小さな石灰岩がニョキニョキある小高いピーク(627mピーク)を過ぎると広い大地に出て、二重山稜や緩い傾斜地の周辺はまばらな灌木帯で紅黄葉が見事である。最東端の657mピークに達すると目の前に霊仙山が、左には伊吹山が頭を雲の中にして中腹を紅葉で染めている山肌が見えた。右には昔行った鍋尻山が目の前に迫っている。
杉峠まで戻って向之倉集落跡地に下降しようとするが、旧の道は下の方を通過しているのか見えないので、すぐ手前のピークから尾根に忠実に急斜面を下降すると杣道状の古道が左方向から現れた。あとは周囲の紅葉に見とれながら、ゆっくりと下降するだけだ。朽ちかけた屋根がみえたので、すぐ脇の段差を降りると古い家と広場があって、そこからは林道が続いていて昔の生活が偲ばれる感じであった。少し進むと、『井戸の大かつら↓』とあるので、緩い下りの道を進むと井戸神社と大かつらの木があった。『かつら』は根のすぐ上から何本にも分かれているが、その全体の太さは凄いものである。今までに見たカツラでは最大なものであろうと思われた。
井戸の大カツラの後は、舗装された向之倉集落内の道を進み、急傾斜になった道路を下るのであるが、この高さでの日常生活をすることの信念というか、与えられたものを維持する気持ちなどを考えながら、芹川上流の河内風穴へ通ずる道に降りると、今日の歩行距離は10Kmとのことだ。此処の集落の人は昔はこともなく普通に行き来をしていたものであろうが、現在の我々には偶のハイクには最適なるも、毎日の生活にはとても耐えられないシンドサと感じてしまうほどだ。
県道から集落跡の山の斜面を見あげながら、昔の人は凄いんだとつくづく思いながら、今日のハイクの紅黄葉の見事さに感謝の気持ちで帰路に就いた。
”八”、”貴”、”永”、”竹” L
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