黒部横断(扇沢-ザラ峠-立山)
- GPS
- 12:47
- 距離
- 45.3km
- 登り
- 3,271m
- 下り
- 3,787m
コースタイム
01:30 扇沢駅
04:10 針ノ木峠
06:00 平黒部湖
09:00 ザラ峠
12:50 立山駅
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
GPSログを参考にせずに挑戦することをお勧めします。 冒険を楽しんでください!! 帰りの行程, 1万円,4時間くらい 立山駅-地鉄富山駅(富山地方鉄道) 富山駅-長野駅(北陸新幹線) 長野駅-白馬五竜(アルピコバス) 神城駅-信濃大町(大糸線) |
写真
感想
よもやま君が3月中に黒部横断をやるので一緒にどう? と言っていた。通常何泊かして抜けるルートだが距離45kmに+2,500mちょい。日帰り対象です。冬に山に泊まるのは山行自体も準備も片付けも疲れるから日帰りにしよーぜーと提案した(駄々を捏ねた)ところ受理された。ということで黒部横断の一番無難なルート、針ノ木峠とザラ峠を越えて立山と大町を結ぶ通称"さらさら越え"をやることになった。僕はよもやま君に聞くまで知らなかったが歴史のある(伝説の?)ルートのようだ。どこも冬は歩いたことが無い場所なので楽しみだ。
金曜早めに仕事を終えたら伊賀から大町まで5時間の運転。中央道を走るのは無雪期以来だ。白馬五竜や小谷など長野側は山スキー向けの山がたくさんあるらしいが伊賀から本当に遠いし、石川勢が行かないから僕も行く機会が少ない。大町には20時過ぎに着いた。何か気の利いたものを食べたかったが食事処は営業終了。スーパーで惣菜を買って満腹になったら2時間仮眠した。23時によもやま君と合流した。クルマを1台大町の駐車場にデポして僕のクルマで扇沢のゲートまで移動。めちゃくちゃ眠たいが板を担いで元気に出発。昨日から先行が一組入っているようだ。星が明るくて暖かい。天気は期待できそうだ。まずは扇沢まで7km歩く。僕はブーツを担いでランニングシューズで、よもやま君はブーツのまま歩いていた。アニメの話なんてしていたらあっという間に扇沢到着。ここまでしっかり除雪されていた。針ノ木峠への夏道入り口で板を履いたら雪の上を歩いて谷を詰めてゆく。谷はデブリでえらいことになっているだろうと思いきや、意外とそうでもない。平らな端っこを歩けばまあまあ快適だった。最後は結構急なのでクトーでガシガシ慎重に行く。
予感はしていたが4時過ぎに針ノ木峠に着いた。というか着いてしまった。ここで日の出を拝みたかったが真っ暗じゃないか。誰だよ0時発とか言った奴は!! 仕方ない、ナイタースキーの時間だ。シールを剥がして黒部湖まで1,000m落とす。雪はカリカリで調子が良い。ホワイトアウトなら勘弁だがヘッデンスキーはもう普通になってきた。さすがに1,000mも落としたのは初めてだが何も問題ない。唯一、写真が撮れないのがつらい。先週は天気が良かったので何組か黒部横断のトレースが残っており今日一日ルーファイはとても楽だった。雪切れが2~3箇所あるので板を担いで渡渉した。2月末から3月はじめ頃なら渡渉無しで黒部湖まで行けるだろう。黒部横断の最適な時期はそのくらいだろうな。立山側も雪切れが多かったので来週になると更に厳しくなるだろう。
黒部湖には6時に着いた。僕は平の渡し舟は2度乗ったことがある。夏はあんなにたっぷりあった緑色の湖がすっかり干からびていた。湖の底に消えていた木が顔を出していた。本当に人間の力で埋めているんだなー黒部湖は。空がうっすら明るくなってきて目指す薬師方面の尾根が見えた。登るな。
黒部湖闇渡渉だけはマジ勘弁だが明るくなってよかった。渡渉ポイントを探してうろうろしたが、結局針ノ木谷から出てすぐのところが一番水流が弱く浅かった。距離は長ければ長いほど流れが穏やかで浅い。なので渡渉を短い時間で終わらせたいからと言って細いところを探すのは間違っている。ブーツインナーとシェルの間に45Lゴミ袋をかぶせたら膝下でバンドで止めて準備完了。レッツゴー。よもやま君はかなり厚手のビニールで武装したので平気そうだったが、僕はピラピラの袋だったので緊張した。少し浸水したが今日はこれ以上寒くならない。暑くなる一方なので問題なし。渡渉を終えたら袋を外して黒部川の水を補給して大休憩した。穏やかだなー。確かにここでテン泊したら楽しそうだ。黒部湖上はダムが近いためLTEも入る。
シールを貼ったら一心不乱に登るだけ。峠は見えてからが遠い。空気は薄いし眠くなってきたしマジで脚が上がらん。初めてのルートでいつもと違うことをしているから距離や標高差からは見えない疲れがある。歯を食いしばってようやくザラ峠に着いたら今日はもう登らなくていい。振り返ると船窪方面の尾根が美しかった。どこもよく晴れているがこの好天は夕方までもたない。こんなに良い天気なのにこれから土砂降りなんて信じられない。シールを剥がしたら立山に向かって落ちてゆこう。先行はアイゼンを履いて降りたようだ。黒部湖で1泊するとザラ峠の下りは朝でカチカチなので板で降りるのは緊張するだろう。僕らが滑り始めたのは9時半頃だったが、それでも北面はカチカチでエッジは効くものの外れれば結構ヤバそうな斜面だった。少し高度を落とせば斜度も雪も緩んでタマランチ会長。もうすっかり春スキーだ。このまま立山駅まで自動運転・・・なんてことにはならない。斜度が緩めば板は滑らず、雪は沈み立山駅までヒールフリーウォークが続いた。歩いても歩いても着かないので地図は見ないほうがいい。下山したら何食べようかなーと楽しいことを考えて脚を前に出しているとようやく立山駅が見えた。手前2kmほどで雪が切れたので板を担いで最後は歩く。本当に長野から富山に抜けてしまった。楽しいルートだが疲れるルートだった。要領がわかったので2度目はもっと時間短縮ができるだろう。時間が経ったらつらい部分だけ忘れてまたやりたくなるかもしれない。逆向きの方が色々と都合が良い気もする。秋に新穂高から大町に抜けるハイキングをやったが、あれは岐阜-長野だった。同じように無雪期に富山の馬場島や立山から入って黒部湖を渡し船か岩苔乗越で横断して長野側に抜けると楽しいだろう。来年やろう。岩苔乗越経由も黒部横断でいいですか。道民とは県境を越えると感動する生き物なのだ。
さてここから大町に帰るまでが長い。12時発の地方鉄道には間に合わなかったので次は14時。2時間も待つ。幸い外はぽかぽか陽気だったので装備を乾かしてひなたぼっこをした。電車は途中で土砂崩れのためバスに乗り換えなければならなくて時間がかかった。富山駅に着いたら新幹線1時間待ちなので駅周辺で富山ブラックを食べに行ったが目当てのお店は休み。土曜なのに。適当に近くのお店に入ったらブラックではないラーメン屋だったが美味しかった。その後は新幹線、バス、電車を乗り継いで大町帰還。薬師の湯でさっぱりしたら解散。時刻は20時。明日は大雨なのでやること無し。塩尻のビジネスホテルで一泊して明日はのんびり家に帰ろう。
今シーズンよもやま君と一緒に登った山、特に焼山、笠、黒部横断は僕が行ったことのないルートだった。抜群に天気がよく刺激的で印象に残る山行だった。僕は本州を離れるが北海道を訪れるときはユルいハイキングでも真冬の羊蹄パウダーでもご案内しよう。また会う日まで。
黒部横断 さらさら越え
初見ルートなので1泊2日で予定していたが、pakuminが日帰りOKだったので
最悪の場合ビバーク覚悟でトライ、
結果的にいい条件に恵まれて順調にやれました
扇沢手前のゲートから乾いたアスファルト歩行、
扇沢駅の車用ゲート横から入山
まずは針ノ木雪渓を登る、凍った雪でスリップする
シールがグリップする雪面を選んで進む
時折、風が強く嫌がらせされてるかのようだ
針ノ木峠手前から斜度が出るのでクトーをつけて登り上げた
針ノ木小屋からスキー滑走、まだ朝4時で暗いので
ヘッデンつけて慎重に、明るくて雪が緩んでいたら楽しい斜面だろう
針ノ木谷本谷との出合手前で雪切れで少し板を担ぐ
針ノ木谷本谷に合流したら斜度の緩い快適な山スキー
黒部湖手前でまた渡渉、濡れた岩は全て凍っているのでヒヤヒヤした
黒部湖に出ると水が少なく、湖底が見えていた、
干からびてヒビだらけでカチカチだ
川の渡渉ポイントを探してウロウロしたが
結局初めに見た幅広の箇所をわたる
尾根の先端を乗り越して中の谷へアプローチ
黒部湖を歩くというのはなんとも不思議で面白かった
中の谷は入り口のゴルジュ突破が懸念だったが
雪のつき方がよくてクトーも使わずシール歩行で通過できた
谷のボトムが大きく穴が空いた箇所もあった、
落ちたらアウトなのでクトーをつけて通過
危険箇所を抜けたら緩い登りが延々と続く
二人とも息がしづらくスローペースで進む、
低気圧とかが関係するのかな?
ザラ峠に到着したら景色もそんなにないのでさっさと西のカルデラ方面へ滑る
最初は斜度のあるカチカチ雪なので慎重に、
その先は斜度が緩んで雪も緩んだので快適スキー
途中、新湯の湯けむりが見えた
できれば新湯に立ち寄りたかったが壁の向こうだったので断念
また別の機会に行ってみよう
あとはルートファインディング、スケーティング、ジャンプ、橋の通過、デブリ斜面の通過、藪道通過など盛りだくさん、
気力と体力を使いまくって立山駅到着!
体力だけでは突破できない山スキーの総合力が試される山行でした
あとは長い帰路の旅を楽しんでこの日は終了
初めての黒部横断は順調に遂行できて楽しかった、
今後は別のバリエーションで横断したい
付き合ってくれたpakuminに感謝!
いつもハイペースで引っ張ってくれるので自分の底力が引き出される
底なしの体力と大胆で素早い森スキー力は心強いね
また山に行こう!
今回のお役立ちアイテムまとめ
https://www.yamareco.com/modules/diary/54994-detail-234452
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人