剱岳周回(馬場島起点・立山川ー剱沢ー大窓)
- GPS
- 14:47
- 距離
- 45.4km
- 登り
- 4,001m
- 下り
- 3,980m
コースタイム
- 山行
- 12:40
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 14:47
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
今日の水曜友の会 も絶対快晴、コーエーと二人で剱岳周回を行った。馬場島起点で立山川ー剣沢ー小黒部谷ー大窓ー白萩川と回った。
このコース標高差2300mー550mー650mの計3500mの登りが待ち受ける一級のツアーコースである。ワンディで剱岳の魅力を思う存分体感しよう。以前はGW頃がベストシーズンだったが近年雪不足でGWの林道開通を待っていたら立山川が通れなくなってしまう、なら伊折からチャリるしかない。
深夜0時コーエーと伊折ゲートをチャリリン開始、6kmなんて白山や薬師に比べればチョチョイである。あっという間に馬場島に着いていざ、ここで積雪50cmくらいでやはり少ない、立山川はこの時期まだ雪は豊富でブリッジも多くて苦労なく進めた。しかしGWまでは持たないと思う。満月に照らされて室堂乗越を目指す。標高を上げるとカチカチになりアイゼンで無事到着。室堂は全く人気なし、とりあえず山岳警備隊の方に無事室堂乗越着をご報告、後半戦頑張って下さいとエールを頂く。
剣御前までカチカチ雷鳥沢を滑落しないように慎重にクトーを効かせ登り上げた。ここで剱岳ドン、スンバらしい眺めです。始めて見る景色にコーエー大感動だった。剱沢もシュプール皆無で貸し切りだった。剱岳を見ながら快適なシュプールを刻んで落ちて行く。平蔵谷、長次郎谷とデブリは殆どなかった。この先も雪割れはなくて順調に近藤岩に、時間は九時、もう日も上がりメチャ暑い、池の平まで左右の雪崩に気をつけながら高度を上げた。八ツ峰がスンバラシイ、池の平小屋はまだ完全に埋まっていた。
八ツ峰を眺めながら休憩して小黒部谷へ、スベスベの良い雪であった。大窓出合から見る大窓は圧巻、でっかい雪庇がゴロゴロしている。ロシアンルーレットの心臓に悪い登りが延々と続く。もう気温も上がり雪もベチャで沈むので体力が削がれる。最後大窓の雪庇を根性で乗り越して無事到着。白萩川方面はガスガスで視界がなかった。聞いてません。
大窓から快適に落としてガス帯に、何も見えません。視界のない滑降が続くが西仙人谷出合を過ぎてようやく視界が出た。白萩川はデブリも少なく快適に滑れた。しかしタカノスワリで雪が割れジャブジャブ渡渉となった。帰りだから問題ない、一度の渡渉だけで左岸沿いを快適に雪を繋げて無事馬場島へ、試練と憧れの前で記念写真を撮って警備隊の方々に御礼の挨拶をしてチャリリンで帰還した。〆て14時間ちょいの完全燃焼であった。
剱岳大窓周回はマジ試練と憧れ!
北陸の山スキーヤーなら誰もが憧れるであろう山行は剱岳周回じゃないだろうか。昨年は雪不足のため立山川は厳しいということで中止となり、今年は2月の末に先生から剱岳の届のメンバーに入れといたよと言っていただいたので、これは逃すわけにはいかないと思い、一か月前から休みを申請していた。しかし3月末、4月上旬の日曜は雨予報で中止となった。4月はスタッフの都合で日曜休みがとりにくかったので諦めてかけていたところに急遽水曜に変更出来たとの連絡があった。体調、装備は万全に準備して当日を待つ。
気合が入っているのか目覚ましを待たずに起きた。2時間弱寝ることが出来たので大丈夫だろう。高速を走っていると先生の早めに着くというラインに気が付いた。僕も早めに着く予定だったが、さらにアクセルを多めに踏む。伊折のゲートに着くと僕たち以外にも入っているようだ。のちに小窓尾根からのPTだと警備隊の方から教えていただいた。
例年大型連休あたりに行われていた山行だったが、近年は雪不足で立山川が通過出来なくなる恐れがあるため、三月末から4月上旬に繰り上げられると自転車でのアクセスとなる。スキー装備を担いて6kmヒルクライムはきついが、白山や薬師岳に比べればまだマシだ。
馬場島からスキーで歩く。剱岳の石碑を見るとついにここに来たのだと実感し、興奮してくる。今日は月明かりもあるので立山川の様子もはっきりわかる。雪は多いが立山川の遡行は何があるかわからないので緊張感を持って歩く。堰堤群から雪は豊富で問題なく歩けた。堰堤が終わるとゴルジュ帯に入るがここも雪が豊富で例年より歩きやすいとのことだった。それでも際どい通過やいきなり雪が切れているところもあった。これからさらに難易度が上がるのだろう。
1500mあたりから川は完全に埋まりひとまず安心。室堂乗越の稜線が月明かりでくっきりわかる。そこからが長く、先生も僕も眠気に襲われていた。2000mあたりであたりは明るくなり始め、斜面もどんどん急になってくるのでアイゼンに換装して乗越まで乗り上げる。乗越からは立山の景色がとても綺麗だった。昨年夏に来た時はガスでまったく眺望がなかったので人生で初の景色となる。雷鳥沢は滑ったことがないが、気持ちよさそうな斜面だった。
日は登ったがまだ雪面は固いのでクトーで滑落しないように気をつけて登り、剱御前小屋に着いた。ここまでで約2200m登ってきたが、まだ終わりではない。ひとまず標高差1200mの滑降を楽しんだ。剱岳を見ながらの貸し切り滑降は贅沢の極みだった。どこまでも続く広大なザラメ斜面、代表的な谷や尾根を見ながらの滑降も贅沢だった。近藤岩まで本当に快適な斜面で至福の時を過ごした。
ここから500mほど登るのだが、すでに気温は10℃で日差しがきつく、暑かった。両岸からデブリが堆積しているので緊張感を持ちながら歩いた。標高を上げていくと八峰が見えてくる。この周回コースは色んな剱岳の表情が見ることが出来る。僕はまだ早月尾根からしか登ったことがないのでピンとこないが、色んなルートから登ったことがあれば感慨深く眺めることが出来るだろうなと思った。
池の平小屋のあるコルまで乗り上げると北方稜線が見えるので遠望も飽きることなく楽しむことが出来る。小黒部谷を500m落とすが、ここも最高にいい斜面でどこまでも落ちていきたくなった。しかし1525m地点から大窓まで約700m、最後の試練だ。大窓の雪庇が見えているが長い。デブリもあるし雪庇もあるので落ちてこないでと祈りながら登った。最後は真ん中の雪庇がないところから突破し、大窓で最後の滑走準備。ここもニードルなど代表的なピークが見ることが出来た。
大窓からも快適ザラメだったが、どんどんガスが湧き視界不良になってきた。雪面も緩んできてちょっと修業な感じ。1500mあたりからガスは晴れそろそろ谷が割れ始めるので緊張感をもって滑る。池の谷がなかなか険悪な雰囲気を醸し出していた。ゴルジュでとうとう雪が切れ渡渉となった。もう濡れても帰るだけなのでジャブジャブ進んだ。際どいトラバースは結構緊張したが無事通過。それ以降は雪をつないで左岸を進むと馬場島に無事帰還。
試練と憧れの石碑で先生と記念撮影。これがしたかった。馬場島荘付近で帰り支度をしていると山岳警備隊の方が来られあいさつする。お手を煩わせることなく無事に帰ることが出来て本当によかった。経験豊富な先生の後ろ盾があったので順調に行動出来たが、一人では無理だと思った。その前に自分だけでは届も受理されないだろう。貴重な経験をする機会を与えていただきありがとうございます。
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