【爺ヶ岳】敗退、そしてリベンジの土日



- GPS
- 12:52
- 距離
- 16.5km
- 登り
- 2,483m
- 下り
- 2,471m
コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 5:17
天候 | 1日目:晴れ、2日目:曇り後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山口~ケルン】 特に無し。 【ケルン~種池山荘直下】 残雪があります。特にトラバースを突き進む正規ルートはまだまだ斜面の残雪多く、アイゼン、ピッケル必須だろうと思われます。チェーンスパイクは爪が短いので、あまり役に立ちません。 我々のPTも種池山荘直下雪渓でアイゼン、ピッケル無い状態だったため、あきらめています。 【南尾根、本峰全体】 ジャンクションピークまでは残雪無しです。 ジャンクションピークより先はまだ残雪がありましたが、そろそろ限界です。藪歩きの距離も50mぐらいは覚悟が必要です。また、来週には雪下の笹薮が出てしまうセクションが増えてくると思われます。 樹林帯が切れるとその先の尾根は夏道です。 |
写真
ここまで来ましたが装備不足のため撤退しました。あと少しで稜線に出るという段階でしたが、帰りがどうしても安全に下れるイメージが浮かばなかったため、撤退です。
翌日の日曜日、少々高曇りで昼前にやや天候悪化の兆しがありましたが持つかもしれない、ということで再チャレンジ。
何を思ったか、「どうせ装備が整ってるなら冬季ルート(南尾根)から行こう」と思い立ってしまい、今季初バリを決行。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
カメラ
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感想
久々に2日連続の登山で、割と珍しいケースで初日敗退の二日目リベンジっていうものでした。天気が良くなると思い、男二人で初夏の北アルプス、爺ヶ岳を踏みに行って来ました。
【1日目】
初日は朝から天気も良く、気温もまだ肌寒いくらいの中、柏原新道から爺ヶ岳登山開始となりました。相方はここ最近はずーっと一緒に登っている方で、体力気力ともに実に若々しい方で、頼りになる人です。そんな彼は実は爺ヶ岳を敗退しているとのことなので、良い機会になるなと、思ってたりしました。
事前情報ではノーアイゼンで行ける状況になったような記録があったので、アイゼンを家に忘れてきたことを少しばかり後悔しつつ、軽い気持ちで登り始めます。事実、標高2,000mくらいまでは完全に夏道で、これは余裕かなという雰囲気を漂わせてました。が、ちょうどケルンを超えたあたりから残雪が現れはじめ、進むにつれ量が増え、そして水平岬を過ぎたあたりからはノーアイゼンでは厳しい状況となり、撤退の二文字が脳裏によぎり始めました。まだ朝方で雪渓の状態も硬く歩ける状況でしたが気温が上がれば...と、リスクの方が目立つ感じになっていった感じですね。そして、種池山荘直下の雪渓に到達した時点で敗退は確定しました。恐らく登ることはできるにしても、下ることが出来なくなるであることは明白で、リスクはおかせないということで、初日は敗退です。相方は実に悔しそうで、敗退中、「日曜日晴れるならリベンジしましょう!」と意気込んでましたね。その思い、汲み取るべく、下山中に既に次の日のプランを検討開始していました。(天気悪くなりそうだったので、どうしようかとも思ってましたが。)
下山完了後は敗退記念(?)に扇沢でダムカレーをやけ食いしつつ、日曜日の天気を確認し、とりあえず持ちそうだったので仮予定でGOサインを出し、帰りに松本のカモシカスポーツで登山用品を物色した後、初日は解散となりました。
家に帰った後、再び情報収集をするとどうもこの時期は正攻法ではなく、南尾根を使ったバリルートが標準であるとの助言を頂き、どうせ装備整えて行くならばと、南尾根から行くことを計画し、(相方を3回目の敗退に追い込む可能性を無視して)決行を決定した感じです。
【2日目】
前日に比べるとやや雲多めですが高曇りだったため問題無しの柏原新道登山口でした。問題なく登れるメンタルでしたが前日の疲れが抜けてなくイヤイヤするフィジカルのまま、登山開始です。相方に悟られまいと、イヤイヤする身体にムチ打っての登山だったので、ケルンまでがかなりきつかったですね...。
ケルンを過ぎたところで尾根に取付くため、藪漕ぎ開始です。取り付きはよーーく見れば薄ら踏み跡があることに気が付けるかなという場所でした。なぜか傍に巨大な熊の糞があったりしましたが、見なかったことにしました。遭遇しないことを祈る...。
尾根に出てしまえばそこは完全に登山道で、「なんだよ普通に登山道じゃねーか」と突っ込みあい、急登攻略開始です。妙に拍子抜けしたのと思った以上にコンディションが良い道だったため、身体もイヤイヤするのをすっかりと諦めたのか、普通に登れるようになってました。そしてジャンクションピークを過ぎたあたりで藪漕ぎが始まり、個人的にはテンションアップ(藪魂に着火)したところでさらにペースを上げていけた感じです。ちなみに藪は短く、100mも無い感じですが、攻略のポイントとしてはとっとと藪を抜けて可能な限り雪渓を歩くようにすることですかね。その方が余計な体力を使わなくて済む感じです。アイゼンは氷点下でもなければ無くても行けます。ただ不安なら持った方が良いのは間違いないです。
雪渓と藪を抜け、標高が高まると周りはハイマツと石楠花の灌木のみになり、北アルプスらしい稜線歩きが始まり、「やっと爺を倒せる...」という感無量な響きを口から漏らす相方を引き連れ、ビクトリーロードを登り続けた感じです。頂上に着いた時の喜びもまぁひとしおです。
南峰を登ったあとは休憩もそこそこに、ささっと中峰まで行って帰ってきて、再び南峰で食事休憩でした。そこで出会った別PTの方2名は柏原新道を下るのが少し厳しいかもということで、一緒に南尾根を下ることにしました。
南尾根を下り始めると、目の前に黒い岩が見え、「妙に黒々してるな」と興味を惹かれ、まじまじ見てみると赤いぽっちが...ピンときて(超スローで)指まで指してしまいましたが久々のライチョウとの遭遇でした。色めき立つ一行となり、各々のデバイスでシャッターを切りまくりです。やっとケダマちゃんブロマイドをゲットでした...感無量。
頂上も踏めて、ライチョウまで見れて、最高のリベンジになりました。
【余談】
2日目の南峰の山頂にて出合った男性がなんと同郷の、しかも同じ学区で同じ小学校、中学校出身の方で、歳も2歳しか離れてない方でした。つまり、同じタイミングで同じ学校に居たことになります。なんだか山の世界も実にせまいなーと思った1日でもありました。
山とは不思議なもので、撤退した次の機会の方が出合も多かったり、シチュエーションが楽しかったりでずっと良かったりするのも、本当に面白いなと思った次第です。
はじめまして。
一度敗退しても諦めずに対策して無事に登頂されて、よかったですね。
私は土曜に鹿島槍まで行きました。
種池山荘への夏道を行こうか散々悩んだのですが、リスクは取れないと思い往復とも薮を漕いで南尾根を通りました。
トラバースの写真を拝見して、やはり行かなくてよかったと思いました、、
ありがとうございました。
はじめまして。
鹿島槍まで行かれたようで、羨ましい限りです。我々も初日は余力あればと考えてましたが、それ以前の問題でした。お恥ずかしい...。
種池山荘直下の雪渓前で我々も色々と想定しましたが、やはり安全に下れるというイメージが1つも思い至らなかったため、仰る通りリスクは取れないと、撤退という感じでした。
安全第一で、引き続き登山を楽しみたいと、思う次第です。
コメントいただき、ありがとうございました。
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