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更新日:2020年02月22日 訪問者数:5032
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ブンリンスキークランポン ベースの取付 備忘録
graveltrek
山スキー愛好者なら皆さんご存じのK2 pon2oon と言うスキー板はセンター幅が広くて、クランポン(スキーアイゼン)の適合品が限られている。

私自身はこの板に、dynafitのクランポンを使用して居たが、ヒールのクライミングサポートを利用する時はクランポンの雪面への差し込みが浅くなり、いまいち効きが甘い。
他の板で使用したボレー製の”板自体にクランポンを固定して使用”するタイプの物を使ったらなかなか調子よくて、pon2oonにも板固定のタイプを是非とも取り付けたく成った。
今回中古品を譲って頂いたので、実際に作業してみた。

難しい作業では無いので、ドリルとドライバーが有れば出来ますが、リスクは全て自己の内に有る事を理解して下さい。
Voile クランポン
取付幅が130mm以下しか対応出来ず、pon2oonには取付できない。

私は幅115mmと100mmの板にそれぞれインサートビスを取付して、Voileのベースを使い回して利用して居ます。
この画像はnetで拾った物です。
取付完成の絵

靴底でクランポンの前後リブを踏むような位置に取付ました。
クライミングサポートで踵が上がれば用は無いんですけどね。

この位置だと、ウォークモード時にトゥピースに変な力(トゥピースをコジル)が働きにくい様な気がします。

ここから順を追って作業を説明します。
これから取り付けるクランポンを確認

長野県松本市のブンリンと言うショップの「3Dアセント」という商品です。
回転式の固定版はビーナスと言う名前で、ジュラルミン製のパーツが錆止め処理のアルマイト加工されている。
取付寸法通りの図面が添付されているので、コピー機で2枚コピーして板に乗せてみる。
2枚コピーするのは、左右の板に一枚づつと、原本は何かの時のために保存するため。

図面の左右に有るラインのおかげでセンターが簡単に決められる優れもの。
真芯の中央で無くても、多少のずれはクランポンの取付に困るものでは無い。

注:コピー機の縮小具合を確認するために、コピーした図面の上にベースを乗せて、実物とコピーの差異を確認する事を忘れないでください。
板に穴を明ける前に、穴の深さを決めるためにドリル(刃)にテープを巻いて、この深さ以上にドリルが入らない様にする事。
穴の深さは今回9mmでOKだった。
ビスの長さーベースの厚み=穴の深さとは成らないので注意!
ベースに取付ビスをあてがって、実際の締め付け深さをノギスで測る事が肝。

穴が浅いとビスで板の滑走面方向へ芯材を押す力が働き、ソールが膨れる事が有る。
深いとビスのタッピングの効きが悪くて、せっかく取り付けたベースが外れ易くなる。
取付図面を板のセンターに張り付ける。
前後の位置は2枚目画像の取付完成予想の位置を図っておく事で決まる。

ポンチで位置決めをする必要も無く十字マークを見極めてドリルの刃先を当てればOKです。

ボール盤が無い場合には、手持ちドリルを垂直に当てればOKです。
板のトップシート(表面の絵柄部)の下は柔らかい竹材なので、多少の曲がりは気にしない。
たまたまエアーコンプレッサーとエアーガンが有ったので、先ほどボール盤で開けた穴の中を掃除した。
そんな設備が無い時は、口をとがらせてフーフーするだけで良い。
ビスをねじ込む前に、明けた穴に接着剤を入れておく。
これはたまたま家に有った物を利用した。ビンディング」取り付けのインサートビス加工時もこれですが。

取付ビスの長さは結構短く感じるので、ビスの抜け防止のために是非接着剤を使用してください。

木工用のボンドでも可らしいが、雪の中で使うだけに、木工ボンドが水でふやける様な気がするがいかがだろうか?

2液性の接着剤、硬化時間はいろいろ有るので、お好みの物をどうぞ。
接着剤はこんな風に爪楊枝の先に付けて、根気よく押し込む感じ。
穴いっぱいに詰め込むとビスの居場所が無く成るので、程ほどの量で。
4個のビスを均等にねじ込んで行く。
締め込む強さは・・・ねじ穴を馬鹿にしない程度で弱すぎては駄目だし、締め込み過ぎると下穴が馬鹿に成って途方に暮れる事に成る。

向こう側の板は既に取付完了。
ベースが付いた。

注意:ビスの取付に使うドライバーは、必ずビスのサイズに適合した物を用意する事。
ドライバーでねじを舐めてしまう場合の悪い見本はほとんどがドライバーのサイズ不適合。
ねじを締める時は、ドライバーを下に押し付ける力80%、回す力20%と覚える、そうすればねじの頭はつぶれたり舐めたりしない。
ビーナスと言われる固定金具。
左から順番に並んだ部品の通りに組み付けていく。

一番左のプラスチックワッシャーと三番目のプラスチックワッシャーは”t”=厚みが違うので注意する事。
上記画像の一番右のナットは「セルフロック」ナットで、緩み止め付きの特殊なナットだが、緩みにくいと言うだけで緩まない訳では無いので注意が必要。

締め付け具合は「ビーナス」を回すのに少し硬いかな?と思う位で丁度良い。
固定金具のビーナスに右回転の矢印が書いてあるのは、こちらに回せば先ほどのセルフロックナットが緩まないですよと言う目印。
実際にクランポンを載せて、ビーナスをロックしたところ。
こんな風で出来上がり。

クラストした雪面へのく食いつきが恐ろしいほど良くて、かなりの斜面の直登が出来ますが、スキークランポンでもう登れないと言って、ツボ脚用アイゼンに切り替えるタイミングを見誤ると、急斜面でにっちもさっちも行かなくなる可能性が大きいです。
十分な余裕をもって山行出来ると良いですね。
以上の様な工程で、実際の作業時間は道具の用意から片付けまでで、1時間ちょっと掛かりました。
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