帯にある記述がこの本の概要をあらわしているので表記する。
表 面
『スマートフォンとインターネットは、登山者にいかなる影響を与え、どのような未来をもたらすのか。』
裏 面
『「便利さ」「楽しさ」「安全性」。テクノロジーの発達は多くの効用を登山者にもたらした。しかし、その一方で、テクノロジーに頼り、依存し過ぎることが原因で、遭難したり、遭難一歩手前まで追い込まれたりする登山者が近年増えている。
登山者は、どのようにテクノロジーと向き合い、活用するのが最適か、現役登山ガイドが「IT時代の山岳防止」を考える。』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
この本の意図は、タイトルや帯にあるようにスマホを代表するIT機器、中にいれるアプリケーションソフト、そしてPCも含めた山登りに関する情報サイトが、現在の山登りにおける遭難防止に役立つツールであるということを登山者に認識してもらうことにある。
と同時にこうしたITツールに依存し過ぎると危ういことにもなりかねず、そこには使う側の意識が大切だ、と著者は訴えている。
各章を列記する.
第1章 テクノロジーの発達と最近の遭難の関連性は……。
第2章 登山者の行動をサポートするために進化するテクノロジー……。
第3章 遭難者を救うために進化するテクノロジー……。
第4章 登山者とテクノロジーの現在、そして未来……。
感 想
この本の章はわずか4つである。しかし目次に載っている章の中にある項目がとても多い。1章と2章との間には19項目。ついで2章から3章までが19項目、3章から4章も19項目、4章が9項目と新書版全体のページ数188ページとしては、項目数がかなり多い印象である。
当然ながら1項目で使うページ数はだいたい平均3ページほど、で記述が項目、中には章をまたいで重複するものもあって読んでいて混乱を起こした。文章の流れの方向はほぼ一定ではある、しかしもう少し項目を減らし、内容を整理すれば読みやすかったのではないかとおもった。
本書では項目別に記載される各ツールのなにが類似して、違うところはどこで、使い勝手はどれがいい、など他項目と合わせて読んで頭にいれておかないと判別がむずかしくなっている。
目次に載っていいる項目だけを拾ってもそのITツールは何かはわからない。文章だけで進めるのではなくツール別一覧表などの図版が欲しいところだ。
ちなみに当山岳情報サイト「ヤマレコ」も本書に掲載され、評価の対象となっている。
登山者は遭難してほしくないという著者の熱意は伝わってくるのだが、いかんせん本書ではその為のITツール、山岳情報サイトの識別ができづらいものとなっているので、本書の目的である直接的な遭難防止にITツールが反映できるかは分かりづらい。
またITの日本での歴史から記述していたり、著者個人の山登りの経験やエピソードを語る記述は必要だったのかは疑問。整理するところは整理して、盛るところは盛る。もっとストレートにITツールと遭難防止との関係性に限定し、言及し、それらの記述にページを多く割いてもよかったのではないか。
IT機器は新しいものにどんどんと移り変わる。また山岳情報もIT機器ほどのスピードではないが、自然災害などにより道の状況は変わり更新される。
それら情報を利用できたとして、基本機械やデーターそのものではない人間が山を歩くもの。とすれば全ての遭難を防ぐことは不可能だが、その発生頻度の減少、遭難者の救助数はこうしたITツールで減らすことはできるのかもしれない。
ただ残念なことに本来登山にこうしたITツールを利用して欲しい高齢登山者はいるが、彼らの多くは利用していないのが現状。遭難の4割は道迷いによるもの。せめて現在地が判るGPS地図アプリをスマホに入れておいて使ってもらいたい。
しかしながら登山届も出さず、紙地図さえ持たずに山に入る登山者が大勢いることは改善されていない。
登山者の遭難防止のための意識をたかめる、そういった意味ではITツールが利用できるとの本書の意図は、意義あるものと考える。
表 面
『スマートフォンとインターネットは、登山者にいかなる影響を与え、どのような未来をもたらすのか。』
裏 面
『「便利さ」「楽しさ」「安全性」。テクノロジーの発達は多くの効用を登山者にもたらした。しかし、その一方で、テクノロジーに頼り、依存し過ぎることが原因で、遭難したり、遭難一歩手前まで追い込まれたりする登山者が近年増えている。
登山者は、どのようにテクノロジーと向き合い、活用するのが最適か、現役登山ガイドが「IT時代の山岳防止」を考える。』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
この本の意図は、タイトルや帯にあるようにスマホを代表するIT機器、中にいれるアプリケーションソフト、そしてPCも含めた山登りに関する情報サイトが、現在の山登りにおける遭難防止に役立つツールであるということを登山者に認識してもらうことにある。
と同時にこうしたITツールに依存し過ぎると危ういことにもなりかねず、そこには使う側の意識が大切だ、と著者は訴えている。
各章を列記する.
第1章 テクノロジーの発達と最近の遭難の関連性は……。
第2章 登山者の行動をサポートするために進化するテクノロジー……。
第3章 遭難者を救うために進化するテクノロジー……。
第4章 登山者とテクノロジーの現在、そして未来……。
感 想
この本の章はわずか4つである。しかし目次に載っている章の中にある項目がとても多い。1章と2章との間には19項目。ついで2章から3章までが19項目、3章から4章も19項目、4章が9項目と新書版全体のページ数188ページとしては、項目数がかなり多い印象である。
当然ながら1項目で使うページ数はだいたい平均3ページほど、で記述が項目、中には章をまたいで重複するものもあって読んでいて混乱を起こした。文章の流れの方向はほぼ一定ではある、しかしもう少し項目を減らし、内容を整理すれば読みやすかったのではないかとおもった。
本書では項目別に記載される各ツールのなにが類似して、違うところはどこで、使い勝手はどれがいい、など他項目と合わせて読んで頭にいれておかないと判別がむずかしくなっている。
目次に載っていいる項目だけを拾ってもそのITツールは何かはわからない。文章だけで進めるのではなくツール別一覧表などの図版が欲しいところだ。
ちなみに当山岳情報サイト「ヤマレコ」も本書に掲載され、評価の対象となっている。
登山者は遭難してほしくないという著者の熱意は伝わってくるのだが、いかんせん本書ではその為のITツール、山岳情報サイトの識別ができづらいものとなっているので、本書の目的である直接的な遭難防止にITツールが反映できるかは分かりづらい。
またITの日本での歴史から記述していたり、著者個人の山登りの経験やエピソードを語る記述は必要だったのかは疑問。整理するところは整理して、盛るところは盛る。もっとストレートにITツールと遭難防止との関係性に限定し、言及し、それらの記述にページを多く割いてもよかったのではないか。
IT機器は新しいものにどんどんと移り変わる。また山岳情報もIT機器ほどのスピードではないが、自然災害などにより道の状況は変わり更新される。
それら情報を利用できたとして、基本機械やデーターそのものではない人間が山を歩くもの。とすれば全ての遭難を防ぐことは不可能だが、その発生頻度の減少、遭難者の救助数はこうしたITツールで減らすことはできるのかもしれない。
ただ残念なことに本来登山にこうしたITツールを利用して欲しい高齢登山者はいるが、彼らの多くは利用していないのが現状。遭難の4割は道迷いによるもの。せめて現在地が判るGPS地図アプリをスマホに入れておいて使ってもらいたい。
しかしながら登山届も出さず、紙地図さえ持たずに山に入る登山者が大勢いることは改善されていない。
登山者の遭難防止のための意識をたかめる、そういった意味ではITツールが利用できるとの本書の意図は、意義あるものと考える。
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