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更新日:2021年06月09日 訪問者数:3680
クライミング/沢登り 技術・知識
沢登り/リスクマネジメント編(NACCメンバー用)
wakatakeya
※【閲覧要注意画像あり】画像の中には怪我の様子、ムシやヒルなど人によってはグロテスクに感じられるものが含まれていますのでご注意下さい。
これまで沢登り初級者である我々が身につけておきたい知識・技術・装備などについて記してきたが、最後はリスクマネジメントについて考えて行きたい。

沢登りで起こり得る事故や危険についての対応策としては、それらを回避する・許容する・分散する・低減させる、などがある。その前に、そもそも何が危険なのか、それはドコに潜んでいるのかを明確にしないといけない。遡行の流れに沿って、それらリスクが実際に起きた事例を交えながら考えていこう。

 
【リスクが発生する箇所と状況、未然防止について】
入渓点までの移動
この画像は「山中でガス欠になりJAFに来て頂いた」の図である。川辺川上流の樅木本谷へ向かった時のことだ。燃料計に気づいたときには時すでに遅し、九州脊梁山地の最奥で車が動かなくなった。助けを呼ぼうにも、携帯電話が繋がらないし、民家も見当たらない。暗闇の中を電波が入る場所まで歩いて移動しJAFに連絡。到着まで3時間はかかるとの事で、その間の心細さを覚えている。

装備の事前準備や体調管理などと同じく、書くまでも無く沢登り以前の自己管理の問題なのだが、実際に僕が起こした失敗談だ。他にも悪路でスタックしたり、Uターン出来ずに車幅ギリギリの道を数百メートル後進運転したりと車移動での失敗は多くしてきた。沢にたどり着くまで、すでに勝負は始まっているのだ(笑)

 
スリップ・転倒
【閲覧注意画像】
沢での転倒は通常の登山道以上に危険だ。転んだ先には必ず岩があるからだ。とっさに出た手が岩の隙間にはまって捻って「左拇指MP関節の靭帯断裂」となった僕の左手が↑コレ。もう4年前のことかぁ…。
滑らない・転ばない歩行技術を身につけるのが一番大事だし、上手な転び方もできるといい。歩行技術については「遡行技術編」にも記したが、ここでは上手な転び方も含めて触れてみたい。

1)スリップによる尻餅
尻餅をつく状況は、基本的には前下りの時だろう。前傾斜している場所に置いた足がスリップをした際に、足が前方に流れると尻餅をつく。足が前方に流れるのは、へっぴり腰で重心が後方に引けている時だ。スキーと同様で、斜度に対して直角に重心がのっていれば、スリップしても身体全体が動き足は前方に投げ出されない。重心を乗せるコツはスキーやスノボと一緒で、丹田(ヘソの下)にグッと力を入れて上半身をやや前のめりにする感じ。
さて、スリップした場合は素直にそのままお尻から落ちるのがよい。
背中はザックが守ってくれる。へたに手を付くと手首を痛める。横に流れて倒れる時は上腕全体でショックを吸収する。

2)つまづいて前のめり転倒
置く足の目測を誤る、または目測に対し身体がついていかない場合つまづく。疲労により足が上がらないという場合が多いだろう。明らかに足が出ていない場合は休息を取るべきだ。前のめり転倒は最も危険で、岩むき出しの沢で、かつ前下りの場所で起きると大きな事故につながる。
さて前のめりに転倒しそうになったら、できるかぎり体の側面から転倒するように身体を回転させる。その場合は頭を守る事が最重要なので上腕で頭部をガードする。

3)バランスを崩して転倒
重心の移動が不十分で左右や後方に身体が振られ「おっとっと〜」とスローモーに転ぶ場合。体の力を少し抜いて転がり、頑丈な太もも、お尻、肩が地面につくようにする。転ぶまいと耐えすぎて体勢が悪くなるより、余裕をもって転んだ方がいい。

・なるべく手をつかない倒れ方
・なるべく膝をつかない倒れ方
・できるだけ側面〜背面で衝撃吸収する倒れ方
・脱力して衝撃吸収する倒れ方
・顎を引いて頭を守る倒れ方

日常生活で「転ぶ練習」をする事はないが、スケボーやスノボをしたことがあるなら転倒が上手なはずだ。クラッシュパッドやテン場の柔らかい芝生の上などで「転ぶ練習」をするといい。

 
転落・滑落
滝、ゴルジュのへつり、高巻き…沢登りで出てくるこういった場所で滑落した場合は重大事故につながる。我々はどういった事に気をつければ良いのだろうか。

まず我々が良く行く整備された岩場と沢の登攀は別物と考えるべきだろう。ホールドもプロテクションも比較にならない程、滑りやすくプアなものなのだ。沢の登攀の原則は「墜落しないこと」につきる。たとえ中間支点を取っていても、セカンド登攀であっても、絶対に墜落しないという技量と気構えをもって臨みたい。

1)滝の登攀
・ルートの見極めが出来なければトライしない事。
・見極めができ、かつ余裕があると判断できる場合のみトライ可。
・ランニングビレイ(中間支点)は積極的に取ること。
・確実な支点構築の技術があること。
・ビレイヤーはフォローが墜落した場合の対処ができること。→例えば、水流の中のハングでホールドが掴めない・足場がない等の場合での対処について。

2)へつり
・へっぴり腰や山側への倒れ込みすぎにならない。
・出来る限り水面に近いルートを見極める。
・自信がなければロープ出しを要請せよ。

3)高巻き
・トラロープや灌木等は信用できるとは限らない。全体重を預けるな。
・もちろん谷側への倒れ込みは重大事故につながる。
・かと言って、へっぴり腰や山側へ倒れ込みはスリップのもと。
・泥壁で沢バイルは積極的に使うべし。
・自信がなければロープ出しを要請せよ。

ちなみに、ロープによる確保については「遡行技術編」で詳述しているが、ロープに頼る側の注意点を記しておこう。
まず、ロープは張られている状態(テンションが掛かっている状態)で登る。たるんだ状態の時にフォールしたら高い衝撃荷重がかかり、ビレイヤーにとっても危険だからだ。セカンドで登るときにロープがたるんでいたらテンションがかかるまで動いてはいけない。同様に、お助けヒモを掴むときも急激に荷重を掛けてはならない。
 
 
溺れる危険
画像は、メンバーが釜で渦巻く水流に巻き込まれパニックになった「おうけつ穴事件」の1シーンだ。沢登りでは釜や淵、ゴルジュなどを泳いで突破する場面があるが、泳力のない人は溺れる危険がある。

・溺れる第一の理由は「パニック」
流れに逆らって泳ぐものの進まない、取りつきにたどり着けない、波が顔に当たり水を飲むなどしてパニックに陥る。パニックになり「助けて!」と叫ぶがゆえに逆に肺に空気を十分に取り込めず、浮かんでは沈んでを繰り返しやがて溺れる。疲労や体調不良、筋けいれん等も溺れる原因となる。

・ラッコで浮いて待て
ヤバイと思ったときは潔く泳ぐことを止め、背浮きで救助を待つことだ。
ザックは防水サックで浮力があるので、これにどっかりと背中を預け、足を前に投げ出した姿勢「背浮き(ラッコ泳ぎ)」になると良い。流れがある場合は足を下流に向けて流れを下り、障害物は蹴って避ける。

・ロープを出す
流れの強い箇所では泳力のあるものが先行して渡り、ロープを出すことだ。メンバーのコン太はトライアスロン出場経験も多いので適任者のひとりだ。適度におだててガンガン泳がせよう。

そもそも泳力に自信がない場合や泳ぎの多い遡行であれば、フローティングベスト(ライフジャケット)等を着用しておくのがいい。

 
【遭遇する危険な虫や動物たち】
山や沢で出遭う危険生物はざっと挙げると、ハチ・アブ・ブヨ・蚊・マダニ・ヒル・マムシ・イノシシあたりだろうか。九州にはクマはいないとされている。たまに脊梁山地で目撃談がでるが、まあ居ないと思っていい。
 
スズメバチ
比叡山1峰南面、FYKルートの取りつきあたりにあった巣。11月でかなりの大きさだった。
スズメバチは山で最も警戒すべき昆虫だが、特性を知ればアブやブヨ等より被害を受けにくい。つまり、我々が彼らを刺激しなければ襲われる確率は低い。
スズメバチの攻撃性は9月以降の秋季が高くなる。この時期に巣の近くに近寄らない、刺激しない、すぐに立去るのが原則だ。巣の10m以内に近づくと警戒される。その時に大声を出したり、手で振り払ったりすると攻撃される可能性が高まる。もし刺されたら、ポイズンリムーバーで毒素吸引・洗浄で応急処置。アナフィラキシーの既往がある人はエピペンを常備。速やかに下山し、病院へ行こう。

スズメバチは沢より岩場の方で出会う事の方が多い。
マルチのビレイ中に刺されたらクライマーの滑落に対応できなくなる可能性が高いので、ビレイ器はブレーキアシスト機能付きのものを使っているが、沢でそこまでは必要ないだろう。
沢でスズメバチに気を付けるとしたら、テン場での飲食時だ。昼間から飲んだくれる我々が特に注意したいのは、飲みかけのビールやジュースの缶。これに誘引されて缶に入り込んだ蜂に刺される事がある。飲みかけの缶はフタをするかクーラーボックスへ、飲み終わったら放置しないようにしよう。

 
アブ・ブヨは刺すのではなく咬む
画像は星と焚火さんの犬吠谷。
アブの大群って、こんなスゴイ状態なの?コレは無理、萎える…。アブは薄い生地の上からでも咬みついてくる。星と焚火さんはこの時「手袋2重、フード付ラッシュガード、防虫ネット、カッパの『なんだこりゃ』という重装備」で切り抜けている。四国の沢はお盆前後はいつもこうなのだそう。
アブとブヨが沢で最もヤバイ奴だ。こいつらは蜂と違って、吸血するために人間に向かってくる。両者とも皮膚を咬み切り、そこから出た血を吸うので、とにかく「肌を露出しないこと」が最善策だ。

・アブ
アブに咬まれたら痛みを感じ、どんどん腫れが大きくなり痒みが出たり固くなる。刺されたと感じたらすぐ(2分以内)にポイズンリムーバーで吸引、流水洗浄の後に薬を塗る。患部は冷すと良い。

・ブヨ
ブヨは咬まれてもすぐ腫れやかゆみが来るわけではなく、翌日以降に大きく腫れあがることが多い。ブヨは毒素を咬み切り口に注入するので、刺されたら必ず傷口を絞るか吸引する。洗浄後は薬を塗る。患部は冷やさず43度以上のお湯で30分以上温めるのが良い。

・ヌカカ
香港トレイルを歩いた時、ビバークした砂浜でコイツにやられた。コイツも咬む系で、翌日に現れた痒みは耐え難いものだった。ブヨよりも小さく、網の目も潜り抜けてくる厄介者だ。対処はブヨと同様だ。

なお、塗り薬については抗ヒスタミン剤やステロイドを含む虫さされ用軟膏などが良い。薬剤はどうも…という人には台湾や香港では一家に必ず常備されている「白花油」が良い。タイガーバーム的な奴で、けっこう効く。

 
マダニ・ヤマビル
【閲覧注意画像】
岩屋山でマダニを貰ってきたカズミさんの画像。入浴中に気付いたとかで、どうも数日間を一緒に過ごしていたらしい(笑)
これまでの飛翔系の虫と違って、マダニとヒルは乗り移る系だ。両者ともに
土中や樹木、草などから体表に乗り移ってくる。衣服に取りついた後も、柔らかい肌を求めて移動してくるという気持ち悪さ。あと、噛まれても痛みがなく気づきにくい。

・まず噛まれないこと
肌の露出を避けること。次に忌避剤を使うこと。そして、下山後に着衣チェックすること。帰宅後、洗濯カゴに沢服をそのまま放り込んだコメちゃん。洗濯機を回した後に取り出そうとした奥方がヒルに噛まれてしまい、大目玉を食らったとか(笑)

・マダニ
マダニに噛まれると、SFTSウイルス感染の恐れがあるので、無理に引きはがしたり潰してはいけない。ガッチリと食い込んだマダニの口器が皮膚に残り化膿や感染する恐れがある。マダニの口器が皮膚に残らない専用の除去器(ティックツイスター等)を使い、除去。ポイズンリムーバーで吸引後、消毒と化膿止め(抗生物質配合の軟膏など)を塗る。

・ヤマビル
ヒルは感染症を起こすウイルスや毒は持たないとされている。塩やアルコール、タバコの火を押し付けるとポロリと落ちる。血液の凝固を妨げる「ヒルジン」のせいで、吸血された箇所はしばらく血が止まらない。
ポイズンリムーバーで吸引後、抗ヒスタミン剤(虫さされ用軟膏など)を塗布し、バンソウコウなどで傷口をふさぐ。

 
マムシ・ヤマカガシ
この画像は分かりにくいな…説明しよう。比叡山登山口の和式トイレ・大に座り込んだら、僕の目の前にマムシがとぐろを巻いていたのだ。にらみ合ったまま用を済ませた僕は手も洗わずに飛び出し、駆けつけた宙ちゃんがマムシを箒で掃きだしてくれた、という場面なのだ。
座り込んだ僕の目の前にマムシが居たのには驚いたが、後方よりお尻を咬まれるよりは良かったと思う。もし咬まれたら、まずはポイズンリムーバーで吸引し、速やかに病院へ行こう。マムシの毒で死ぬことはめったにないが、6時間以内に血清投与すると予後が違う。

 
クマ・イノシシ
九州に熊はいない。クマモンはいるが、会った事はない。まあ会ったとしても危険は無さそうだ。
白馬岳から栂海新道を日本海へ向けて歩いていた時に、真横の草むらから獣の唸り声が聞こえてきて走って逃げた。あれは怖かった…。イノシシかも知れないが、猪もけっこうアブナイ。ウリ坊を見かけたら、近くに母猪がいるので静かに離れよう。猪の直進スピードと鋭い牙は簡単にかわせない。

 
ヒキガエル
沢で見かける事も多いが、耳(目の後ろにあるツノ)の後ろから神経毒を分泌する。ヒキに限らず、カエルを素手で触ったら良く洗浄を。そのまま目をこすったりすると最悪、失明する。

 
 
【噛まれない服装・忌避剤について】
害虫害獣に対して最も有効なのは、そもそも「近寄らないこと」「刺されない/噛まれないこと」。そのために工夫できることを考えてみよう。
 
肌の露出を最小限にする
画像はイオタンのウエットスーツに取りついたヤマビル。この時は足元から沢靴の中、ザックまで合計9匹のヒルに憑りつかれていた(笑)
全ての吸血生物に対して有効な防止策だ。ヤマビルやマダニは体表を移動して服の隙間から潜り込むので、隙間をなくすようにウェアを着込もう。特に下半身〜足元は厳重にガードしたい。ヒルは靴下の繊維を入り込むこともあるようだ。
遡行中はさほど神経質にならずとも良いように思うが、高巻きや下山時に濡れた土や草むらを通ると乗り移られる可能性がある。ちなみにヒルの移動速度は1分間に1mだとか。足下から首まではい上がるのに1分程度とwikiには書いてある。速いな〜。
スコーロン繊維・防虫ネット
ウェア編でも紹介したが、帝人フロンティアとアース製薬が共同開発した防虫素材繊維「スコーロン」は割と良い。画像は帽子に取り付けられたスコーロン。顔の周りが虫で煩いときに重宝している。
着る防虫をうたう「スコーロン」は蚊・マダニ・ブユに対して有効なようだ(アブや蜂には効かない)。虫が寄って来ないのではなく、繊維に接触したら離れていくということらしい。スコーロンのフーディは上半身をすべてガードしてくれるので重宝している。防虫ネットも有効だが、沢では鬱陶しくて被りたくないな。

 
忌避剤・殺虫剤
ディートやイカリジン系のものが有効だ。薬剤はどうも…という方はハッカ油も良い。フマキラーのベープ系、アース製薬のサラテクト系は入手しやすく効きも良い。
ディート系の忌避剤は最も広く使われている忌避剤で、マダニ・ヒルをはじめ多くの吸血虫に効く。イカリジン系の忌避剤は年齢による使用・回数制限がない点や衣類に塗布しても変色しづらい点が特徴。

・殺虫剤を虫除けとして足元や衣服に散布する人(イオタンとかww)がいるが、使用法としては間違い。逆に忌避剤を空中に散布するのも意味がない。
・有効成分の含有率が高いと忌避効果が強くなるわけではない。忌避効果が長持ちする、という事だ。露出しがちな首元には忌避剤を塗布したタオルを巻くのは有効。ただこれらを沢で使用する場合は水で流されるので効果は薄い。僕はたいてい沢服でガード出来ているので、使うとしても下山時くらいだけど。

 
【重大事故に遭った場合の措置】
骨折や出血をした場合の応急手当や緊急搬送などについては今回は触れないが、各自が意識的に習得しておきたい。ドヤヤンやハルちゃん、イオタンなど職業柄、知識と経験が豊富なメンバーもいるので、そのうち講習会を開いてもいいかも。
助けを呼ぶ手段として
ケガ人の搬送が難しい場合、速やかに警察または消防へ連絡しなければならない。その手段の一つとして、簡易無線機がある。携帯が繋がらない、メンバーが下山するのが困難であったり時間がかかりすぎる等の状況のときに有効だ。ただ沢は見通しが無いのであまり使えないかな〜。
緊急連絡手段として他に考えられるのは衛星電話。ただ昔より維持費が安くなったとは言え、まだまだ高い。またアマチュア無線のハンディ機も考えられるが、免許取得という壁がある。デジタル簡易無線は届け出のみで免許不要、出力も5wまで使える。開放チャンネルがあるので、緊急連絡手段として使えると思われる。僕は北アの裏銀座やオートルート縦走、残雪時にロングアンテナをつけて携行していた。幸い、今までコイツで緊急連絡を要請したことは無い。ただデジ簡の電波は直進性のため、山頂や稜線など見通しが良いところではかなりの距離でも繋がるが、沢では実用性に欠けるかな。


 
【クライミングとの違いについて】
クライミングだと、オンサイトや一撃にこだわりがあるよね。ムーブも綺麗に登りたいし。でも沢については、それは捨てよう。何度も書くけれど沢では「落ちない」ことが最重要であり、スピーディに遡行することが大事だ。パーティは最もスキルの低いメンバーに合わせて行動すべきだし、互いに協力し合わねばならない。先行者が滝やゴルジュを突破したら、後続はなるべく安全に素早く登らせてもらう。そのためにロープやお助けヒモ、ショルダーも積極的に使うべし。トライするのは楽しいけれど、パーティ全体のリスクを冒すような場合は慎もう。

 
【体験を客観視して、経験値にする】
ここからは個人的な考えなのだが、リスクマネジメントにせよクライミングにせよ、その技能を上げていくには「自省」が必要だと思う。

端的に言えば、自分を省みて(このままでいいのだろうか?)(より良くあるためにはどうすればいいか?)と思考する事が行動を変える要因のひとつなのだ。自省する人は他者の意見を取り入れるし、情報や知識にも貪欲だ。逆を言えば、自省しない人は他人の話を取り入れない。自分は間違ってないと思ってるからね。

沢も岩も危険なアクティビティだし、「ヒヤリハット」な出来事(事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」や「ハッ」とした経験)はあるだろう。大切なのはそれらを自省し検証することだ。宙ちゃんの問題提起で「おうけつ穴事件」の検証があったが、そういった事をすることで、僕らの経験値とスキルはアップするのだと思う。

ただ、「危険を冒してはならない」という観点と「危険を許容しなければ進化は無い」という観点は矛盾している悩ましい課題だ。僕自身は好奇心や冒険心についての許容範囲が広めなのだろう。「ここで落ちたら怪我するよなぁ」と思いつつ、「怪我しても治せばいいし」「このトライで得られるものは大きいはず」と思うタイプ。周りは心配するし、迷惑を掛けていることだろうなぁ。もう50代も半ばなので、そろそろ足るを知りトライするのもソコソコにせねば…とも思わないでもない。体力や反射神経など己を客観視して、状況に応じたトライをできるように心がけようと記述しつつ自省した次第。でもさ、好奇心やチャレンジ心を失わない限り、人は誰しも青春なんだよ?by サミュエル・ウルマン

 
参考図書
沢登りの教書はあまり多くないが、これまでのヤマノート記述について僕が参考にした図書を上げておく。興味がある人は読んでみてね。
・ヤマケイ入門&ガイド 沢登り/山と渓谷社
・ 沢登り (ヤマケイ・テクニカルブック 登山技術全書) /山と渓谷社
・沢登りの本/白水社
・沢登り (ヤマケイ登山学校) /山と渓谷社
・道なき渓への招待―沢登り大全/東京新聞出版局
・タープの張り方 火の熾し方/ヤマケイ文庫

 
■関連サイト
最後に
これまでの、NACC向けヤマノートの記述に当たり、画像の使用や事例の公開を許諾してくれた皆様に対し、謝辞を申し上げます。これからも岩や沢や山を安全に楽しみましょう★
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