(1)関東地方の地形概要
この第5部では、関東地方の山々のうち、関東西部につらなる山々の地質について、説明していきます。
まず、関東地方の地形ですが、地図を見ると、真ん中に広大な関東平野が広がり、その東側と南側は太平洋に面しています。また西側には南北に山並みが連なり、北側もほぼ東西に山並みが連なっています。
さて、山とは直接関係ありませんが、この関東平野は、日本最大の平野ですが、ただのだだっぴろい平野というわけではなく、地球科学的には重要な場所になっています。
プレートテクトニクスの観点で見ると、関東平野の地下には、東から太平洋プレートが沈み込んでおり、一方で南側からはフィリピン海プレートが沈み込んでおり、2つのプレートが地下で交錯している複雑な場所でもあります。
また、2つのプレート沈み込みと関連していると考えられますが、関東平野は沈降が著しく、基盤岩(岩盤)は、3000〜4000mの深さまで沈み込んでおり、本来なら深い海となっていてもおかしくない場所です。そこに関東平野の周辺からの山々が浸食されてできた土砂が利根川、荒川などによって流れ込み、平野を作っている場所です。(文献1)(文献2)
一方、関東平野を囲む山地は、その西側に南北に並ぶ列と、その北側にほぼ東西に並ぶ列、そのほかに独立した山地である阿武隈山地があります。
関東南部の房総半島南部と三浦半島は、詳しく見ると丘陵地帯となっており、関東平野の南側の境を形作っています。
また、県としては静岡県に属しますが、関東地方の南西部には、伊豆半島が大きく太平洋側へと突き出しており、半島全体が山地になっています。
まず、関東地方の地形ですが、地図を見ると、真ん中に広大な関東平野が広がり、その東側と南側は太平洋に面しています。また西側には南北に山並みが連なり、北側もほぼ東西に山並みが連なっています。
さて、山とは直接関係ありませんが、この関東平野は、日本最大の平野ですが、ただのだだっぴろい平野というわけではなく、地球科学的には重要な場所になっています。
プレートテクトニクスの観点で見ると、関東平野の地下には、東から太平洋プレートが沈み込んでおり、一方で南側からはフィリピン海プレートが沈み込んでおり、2つのプレートが地下で交錯している複雑な場所でもあります。
また、2つのプレート沈み込みと関連していると考えられますが、関東平野は沈降が著しく、基盤岩(岩盤)は、3000〜4000mの深さまで沈み込んでおり、本来なら深い海となっていてもおかしくない場所です。そこに関東平野の周辺からの山々が浸食されてできた土砂が利根川、荒川などによって流れ込み、平野を作っている場所です。(文献1)(文献2)
一方、関東平野を囲む山地は、その西側に南北に並ぶ列と、その北側にほぼ東西に並ぶ列、そのほかに独立した山地である阿武隈山地があります。
関東南部の房総半島南部と三浦半島は、詳しく見ると丘陵地帯となっており、関東平野の南側の境を形作っています。
また、県としては静岡県に属しますが、関東地方の南西部には、伊豆半島が大きく太平洋側へと突き出しており、半島全体が山地になっています。
(2)関東地方西部の山々、その区分
この第5部では、関東平野の西部に並ぶ山々の地質について説明していく予定ですが、その前に、これらの山々をゾーン分けします。
南側から順に各ゾーンを説明します。
(ゾーン1);「伊豆山地」
関東地方南西部には、太平洋へと突き出している伊豆半島
があり、半島のほとんどが山地で形成されています。
行政区分上では、伊豆半島のほとんどが静岡県に属しますが、
丹沢山地や関東山地とも深い関わりがある場所なので、
この部で「伊豆山地」として説明します。
(ゾーン2);「丹沢山地」
神奈川県西部には丹沢山地(山塊)があります。
この部では、「丹沢山地」として説明します。
なお、伊豆山地との間には、箱根火山がありますが、箱根火山は
第9部にて別途説明していますので、この部では説明を割愛します。
関東山地との境は、JR中央東線、中央道が通っているラインになります。
(ゾーン3);「関東山地」
東京、埼玉の西部にある山々は、地理学的には関東山地と呼ばれています。
登山界用語では、奥多摩、奥秩父、奥武蔵などと言われる一帯です。
この章では、金峰山、瑞牆山まで含め、「関東山地」として説明します。
(ゾーン4);「甲府盆地周辺の山々」
山梨県のうち、甲府盆地を囲むように盆地の北側、東側、南側に
山々があります。
山梨県自体は地理的区分では関東地方ではなく、中部地方になりますが、
中央道やJR中央東線の沿線であり、関東地方の登山者が
多く登る山々なので、
「甲府盆地周辺の山々」として、ここで説明します。
なお、甲府盆地の西側にある南アルプスは、第4章で説明済みです。
また、冨士山は第9部にて説明していますので、ここでは説明を割愛します。
(ゾーン5);「西上州の山々」
関東山地の北側には、群馬県西部から、群馬/長野県の県境に
山々があります。
これらは古くから登山界では「西上州の山々」と呼ばれているので、
ここでも西上州の山々として説明します。
なお、この部で扱う「関東西部の山々」の北端は、
北陸新幹線および上信越自動車道が通っている碓氷峠までとします。
碓氷峠より北の山々は、第6部「関東北部の山々の地質」及び
「第9部 関東、中部地方の火山、その形成史」にて説明しています。
南側から順に各ゾーンを説明します。
(ゾーン1);「伊豆山地」
関東地方南西部には、太平洋へと突き出している伊豆半島
があり、半島のほとんどが山地で形成されています。
行政区分上では、伊豆半島のほとんどが静岡県に属しますが、
丹沢山地や関東山地とも深い関わりがある場所なので、
この部で「伊豆山地」として説明します。
(ゾーン2);「丹沢山地」
神奈川県西部には丹沢山地(山塊)があります。
この部では、「丹沢山地」として説明します。
なお、伊豆山地との間には、箱根火山がありますが、箱根火山は
第9部にて別途説明していますので、この部では説明を割愛します。
関東山地との境は、JR中央東線、中央道が通っているラインになります。
(ゾーン3);「関東山地」
東京、埼玉の西部にある山々は、地理学的には関東山地と呼ばれています。
登山界用語では、奥多摩、奥秩父、奥武蔵などと言われる一帯です。
この章では、金峰山、瑞牆山まで含め、「関東山地」として説明します。
(ゾーン4);「甲府盆地周辺の山々」
山梨県のうち、甲府盆地を囲むように盆地の北側、東側、南側に
山々があります。
山梨県自体は地理的区分では関東地方ではなく、中部地方になりますが、
中央道やJR中央東線の沿線であり、関東地方の登山者が
多く登る山々なので、
「甲府盆地周辺の山々」として、ここで説明します。
なお、甲府盆地の西側にある南アルプスは、第4章で説明済みです。
また、冨士山は第9部にて説明していますので、ここでは説明を割愛します。
(ゾーン5);「西上州の山々」
関東山地の北側には、群馬県西部から、群馬/長野県の県境に
山々があります。
これらは古くから登山界では「西上州の山々」と呼ばれているので、
ここでも西上州の山々として説明します。
なお、この部で扱う「関東西部の山々」の北端は、
北陸新幹線および上信越自動車道が通っている碓氷峠までとします。
碓氷峠より北の山々は、第6部「関東北部の山々の地質」及び
「第9部 関東、中部地方の火山、その形成史」にて説明しています。
(参考文献)
文献1)貝塚、小池、遠藤、山崎、鈴木 編
「日本の地形 第4巻 関東・伊豆小笠原」 東京大学出版会 刊(2000)
のうち、第5部 「関東平野と周辺の丘陵」の項
文献2)日本地質学会 編
「日本地方地質誌 第3巻 関東地方」 朝倉書店 刊 (2008)
のうち、第1部 「関東概観」の項
「日本の地形 第4巻 関東・伊豆小笠原」 東京大学出版会 刊(2000)
のうち、第5部 「関東平野と周辺の丘陵」の項
文献2)日本地質学会 編
「日本地方地質誌 第3巻 関東地方」 朝倉書店 刊 (2008)
のうち、第1部 「関東概観」の項
(以下のリンクは、第5部 「関東西部の山々の地質」各章へのリンクです)
このリンク先は、「日本の山々の地質」の最初の章で、
連載の各「部」の最初の章へのリンクがあります。
他の各地域、各山域の記事をご覧になりたい場合は、
このリンク先の「総目次」をご利用ください。
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【書記事項】
初版リリース;2021年11月8日
△改訂1;文章見直し、一部修正、第5部各章へのリンク追加。書記事項追加。
最新改訂年月日:2022年1月4日
△改訂1;文章見直し、一部修正、第5部各章へのリンク追加。書記事項追加。
最新改訂年月日:2022年1月4日
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