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記録ID: 1011392
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ハイキング
奥秩父

上日川峠-源次郎岳-棚横手山 〜晩秋の息吹き〜 A21

2016年11月20日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:55
距離
20.4km
登り
598m
下り
1,704m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:22
休憩
0:32
合計
6:54
8:31
3
8:47
8:47
30
9:17
9:18
22
9:50
9:50
15
10:05
10:05
20
10:40
11:05
16
12:34
12:34
27
13:01
13:02
22
13:24
13:28
48
14:16
14:16
69
15:25
15:25
0
15:25
ゴール地点
天候 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2016年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
甲斐大和駅発7:45(臨時便、栄和交通、1,000円)上日川峠着8:30
コース状況/
危険箇所等
総じて変化に富んだ、静かな山歩きを楽しめる。

上日川峠〜下日川峠(日川尾根)
 地理院地図の道を辿る。気持ちの良い道が続く。中日川峠前で林道に下り立ち、峠付近で再び登山道へ。なおも快適な道が続き、NTT電波塔の脇を通ぎてまもなく地理院地図どおりに下る(林道ゲートは経ず)と下日川峠。

下日川峠〜源次郎岳
 カラマツ林の広い尾根だが、踏み跡は明瞭。右手には塩山市街、奥秩父の山々。三叉路から源次郎岳への道は、意外にアップダウンがあり、ロープ場も有る。樹間から富士の姿が見え隠れする。山頂は北と西に開け、奥秩父、八ヶ岳の山々が望める。

源次郎岳〜杣坂峠〜大滝山
 三叉路まで戻ってから南下、林道に合流してからすぐに嵯峨塩鉱泉への道を分ける。なおも林道を進むと、治山工事の拠点そばに立派な休憩所がある。ここから富士山が望める。
 法面崩壊激しい地点を数ヶ所過ぎ、林道歩きに飽きた頃、ヘアピンカーブの南端から見る富士山が癒してくれる。そしてほどなく一番の「難所」。ほぼ二又の付け根が取り付き点なのだが、見事に崩壊、標識もない。強引に尾根まで上がると、はっきりした踏み跡が現れる。但し今までのようには行かない。尾根を外さずテープを忠実に追わなければならない。途中1箇所、道なりに進んではいけない地点がある。

大滝山〜棚横手山〜勝沼ぶどう郷駅
 大滝山から眺望は得られないが、まもなく開け、眼前に美しい富士山が現れる。その姿を眺めながら明瞭な道を進む。そして棚横手山。大富士見台の名に相応しく、南方に大きく開けている。
 大滝不動尊の境内を経て、林道を歩き続け、勝沼へ。
上日川峠。予定より20分早く到着した。ごった返している登山口を後目に、日川尾根(市営駐車場方向)へ。
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上日川峠。予定より20分早く到着した。ごった返している登山口を後目に、日川尾根(市営駐車場方向)へ。
駐車場。ここから砥山方向へ。
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駐車場。ここから砥山方向へ。
出発後5分でこの静けさ。清々しい。
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出発後5分でこの静けさ。清々しい。
あまりにも気持ちよくてスキップしたくなる。
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あまりにも気持ちよくてスキップしたくなる。
樹間から朝陽を浴びる大菩薩湖。
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樹間から朝陽を浴びる大菩薩湖。
青テープ。この先、深沢峠まで導いてくれる。
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青テープ。この先、深沢峠まで導いてくれる。
一旦車道に合流する。
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一旦車道に合流する。
ここで車道を離れる。
1
ここで車道を離れる。
中日川峠のあたり。
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中日川峠のあたり。
道なりに捲いたゴウロノ沢の頭を見上げる。
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道なりに捲いたゴウロノ沢の頭を見上げる。
唐突にNTTの電波塔が現れる。
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唐突にNTTの電波塔が現れる。
ここからはピンクテープも仲間に加わる。
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ここからはピンクテープも仲間に加わる。
ここから地理院地図に従い下りる。ゲートを通らずにショートカットができた。
ここから地理院地図に従い下りる。ゲートを通らずにショートカットができた。
下日川峠。ようやく標識に出会う。
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下日川峠。ようやく標識に出会う。
このあたり踏み跡は明瞭。
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このあたり踏み跡は明瞭。
踏み跡は落ち葉に隠されるも尾根を行けば問題ない。
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踏み跡は落ち葉に隠されるも尾根を行けば問題ない。
源次郎岳への分岐。
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源次郎岳への分岐。
源次郎岳への道。ここも尾根を進む。
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源次郎岳への道。ここも尾根を進む。
樹間から富士の姿。やはり元気の源。
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樹間から富士の姿。やはり元気の源。
鞍部を通過。この後ロープ場。
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鞍部を通過。この後ロープ場。
10時40分源次郎岳に到達。
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10時40分源次郎岳に到達。
牛奥峠。蛤岩。
杣坂峠。嵯峨塩鉱泉への道を分ける。
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杣坂峠。嵯峨塩鉱泉への道を分ける。
小金沢連嶺を望む。
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小金沢連嶺を望む。
すすきと富士山のはずが。
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すすきと富士山のはずが。
富士山を望む、立派な休憩所がある。
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富士山を望む、立派な休憩所がある。
熊棚いっぱい?!
林道脇に甲陽東山妙見尊略縁起の石碑。
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林道脇に甲陽東山妙見尊略縁起の石碑。
黄葉と奥秩父西部の山々。
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黄葉と奥秩父西部の山々。
会えた!
深沢峠。予習の甲斐あって崩れた取り付き点を強引に登ることができた。
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深沢峠。予習の甲斐あって崩れた取り付き点を強引に登ることができた。
尾根に上がれば占めたもの。
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尾根に上がれば占めたもの。
尾根を外したことに気づき、引き返し、また強引に登る。
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尾根を外したことに気づき、引き返し、また強引に登る。
テープを発見、復帰した。
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テープを発見、復帰した。
13時、大滝山(宮宕山)に到達。ここまで来れば大丈夫だろう。
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13時、大滝山(宮宕山)に到達。ここまで来れば大丈夫だろう。
上がってきた道を振り返る。
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上がってきた道を振り返る。
そして快適な道を見通す。
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そして快適な道を見通す。
富士と松。ジャパネスク。
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富士と松。ジャパネスク。
やはり大きな存在。
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やはり大きな存在。
13時25分、棚横手山(大富士見台)に到達。
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13時25分、棚横手山(大富士見台)に到達。
山肌の黄葉が美しい。
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山肌の黄葉が美しい。
霞む甲府盆地の向こう、南アルプス。
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霞む甲府盆地の向こう、南アルプス。
富士を見ながら下りられることに感謝する。
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富士を見ながら下りられることに感謝する。
黄葉がまぶしい。
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黄葉がまぶしい。
幾度となく山火事に見舞われたエリア。彼の数も多い。
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幾度となく山火事に見舞われたエリア。彼の数も多い。
山火事で生き残った松。木肌が痛々しい。
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山火事で生き残った松。木肌が痛々しい。
色あせたポスター。1枚の絵は、どんな言葉よりも説得力に富む。
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色あせたポスター。1枚の絵は、どんな言葉よりも説得力に富む。
なるほどV字転回で進む。
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なるほどV字転回で進む。
水量少ないが、ここも滝。
2
水量少ないが、ここも滝。
大滝不動尊。
大滝不動尊境内図。
2
大滝不動尊境内図。
虚空蔵菩薩堂。
獣除けの柵を越えて振り返る。
2
獣除けの柵を越えて振り返る。
里山も色づく。
源次郎岳を発ってから4時間、ようやく人の姿が。
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源次郎岳を発ってから4時間、ようやく人の姿が。
15時25分、勝沼ぶどう郷駅到着。密度の濃い、楽しい山歩きだった。
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15時25分、勝沼ぶどう郷駅到着。密度の濃い、楽しい山歩きだった。

感想

 一時は年末に向けて鍛錬の山行を考えたが、結局、晩秋の山道をのんびり歩くことにした。下り基調の尾根沿いの道、時々ルートに悩み、そして大展望を味わう。目的はほぼ達した。

 源次郎岳。真田源次郎信繁。これは今年登るべき山である。そう確信して、上日川峠に向かった。幸い好天の予想、破線だろうが道の表示がなかろうと、どうにかなるだろう。甲斐大和駅には大菩薩への登山者であふれ、上日川峠では車組を併せごった返していた。
 例によって人々と反対の方向へ歩き始める。ほどなく、静かな山歩きとなった。小春日和、起伏の無い道、気持ちの良い時間が過ぎる。日常に疲れたらぜひお勧めのコースである。幾つかのピークを捲いて、車道に一旦合流する。こののちも林道歩きが何度か必要となるが、車の通行はほとんど無く、センターを堂々と歩ける。しばらく歩いたのち再び登山道へ入り中日川峠を通過した。
 青色のテープに導かれ、南下を続ける。NTTの大きな電波塔脇を通過し、下日川峠に近づく。峠がどこを指すのかはっきりしないが、久しぶりに現れた道標の「源次郎岳」の文字に少し安堵する。ほどなく分岐ピークに到達。ここから源次郎岳までが、今回の山行で最もアップダウンのある道だった。
 源次郎岳山頂は北と西に開けており、奥秩父や八ヶ岳が望める。一組のグループが昼食を楽しんでいるところだった。切株に腰を下ろし、見上げた青空に感謝しつつ、コーヒーとパンを口にする。珍しく人の声が気にならない。穏やかな時間が流れていた。20分ほどの休憩ののち来た道を引き返す。
 分岐から嵯峨塩鉱泉方向へ向かうと、やがて車道が現れ杣坂峠に到達する。嵯峨塩鉱泉へは横断して東南方向に下降するが、私は車道をそのまま歩いて西へ向かった。突然、眼前に雲に覆われた富士山が現れる。遅かった。場違いな休憩所で休むことなく足早に下って行く。法面が崩壊し、地山が露出、今にも流れ出しそうな場所が数か所あった。単調な車道歩きに些か飽きた頃、ヘアピンカーブの先で大きな富士に対面する。
 やはり中央線沿線の山から望む富士山は美しい。程よい距離感でその均整のとれた姿を見るたびに、そこにいられることに感謝する。やがて車道歩きに飽きた頃、予習で何度も目に焼き付けた分岐点(深沢峠)に到達する。意を決し、崩壊した取り付き点から強引に尾根まで上がる。主登山道であれば、標識とロープくらいは用意されて良い場所である。尾根の道は多少荒れていたが、広がらない尾根とテープのお蔭で悩むことなく進めた。
 けれども、道なりに進んではいけない場所があった。尾根を外し、暗い針葉樹林帯に入る直前に気付いた。引返し、再び強引に登る。テープが目に入り、尾根に復帰したことを識る。やはり西日川尾根、一筋縄ではゆかない。頻繁に広げる地理院地図の線も心なしか細く感じる。
 13時、大滝山に到達。ここからは明瞭な踏み跡が棚横手山へ導いてくれるだろう。ほどなく、前方が開け、富士山と黄葉が美しさを競い合うポイントが現れる。雲に覆われた甲府盆地の向こうには南アルプスの姿も確かめられる。素晴らしい場所だった。ため息が出た。いつまでも眺めていたかった。
 棚横手山から山火事の跡が残る斜面を下りてゆく。心洗われた後だけに、黒く焼けただれた木々を見ることが辛い。大滝不動尊は、里山と奥山の間に静かに佇んでいた。ここからは人の気配の感じられる車道を下る。獣除けの柵が現れると、民家が垣間見えた。飼い犬が私に向かって吠え続けていた。
 この季節は午後3時までに人里に下りる、何とか自戒を果たし、勝沼の市街地へ入ってゆく。もうぶどうの季節は終わり、何となく寂し気だ。少し疲労を感じ始めた頃、勝沼ぶどう郷駅に立った。予約した列車の到着まで1時間ほどあった。
 下降基調の穏やかな道、ではなかった。変化に富み、静けさと素晴らしい眺望を与えてくれる道だった。充足感と爽やかな風が心地よかった。帰って、あの勇ましいドラマを心置きなく観ることにしよう。

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コメント

一本取られました!
kimichin2さん、おはようございます。

棚横手を下り基調で歩かれるとのことでしたが、よもや(真田?)源次郎岳と繋いで歩かれるとは お見事です。一本取られました
山と高原地図では黒破線ルートですが両山の間を縦走される方は意外とおられるようですね。

当日、私は立川市の昭和記念公園の近くにいましたが天気が良ければ見える富士山🗻も雲に隠れて見えなかったので棚横手からはどうかな?とは気にしていました。
意外と綺麗に見えたようで良かったですね。これも日頃の行いの違いでしょうか

勝沼ぶどう郷への下山途中の林道の防護柵のところで私も散々犬に吠えられました
2016/11/22 8:04
Re: 一本取られました!
toshishun様
 こんにちは。
 そうなんです。源次郎岳から歩きました。少し簡単に考えすぎていました。
尾根歩きと林道歩き、1個所間違えなければ、のんびり歩けると思っていました。
結果は、少々手応えのある、けれど楽しい道でした。
 大菩薩エリアから望む富士山は本当にきれいですね。いつ見ても見とれてしまいます。
これから空気の澄む季節。富士山を見に、出かけます。
PS 記録には書きませんでしたが、杣坂峠で、間違いなく動物のうなり声を聞きました。
2016/11/22 13:10
富士山にはなぜか雲が似合います
kimichin2様
おはようございます。

富士山を御堪能されるお山歩き、しかもバリルートあり!!お疲れ様でした。
富士山が見えない所もありましたが、おおむねお会いできて本当によかったです。

実は、来年の年賀状は本仁田山から撮った富士山にしました。
雲がかかっている写真です。
最近個人的には、富士山には雲が似合うなあと思っています。
もちろんピーカンな青空のでーんとした富士山も素敵です。

しかし、富士山はどうして、こんなにも、心に響いて、すがすがしい気持ちにさせてくださり、元気をくださるのでしょう……
不思議です。

落ち葉もカサッカサッ、ふかふかに径を彩っていますね。

kimichin2さんもくれぐれもお怪我なさいませぬよう充分にお気をつけください。
次回も、お天気に恵まれて、静かなお山歩きになりますように!!
2016/11/22 9:07
Re: 富士山にはなぜか雲が似合います
reochi19様
こんばんは。
 富士山が見えるかどうか、私の場合、そのことがその山行の印象や成否を左右します。曇天で、端から諦めざるを得ない時はともかく、見えそうで見えない状況が一番困ります。暫くその場で待つべきか、次の展望場所に期待を寄せるか、悩みます。
 確かに雲一つない空だと、かの山の魅力を十分に見い出せないのかもしれません。覆わないでくれるなら、いた方が引き立ちます。
 雪が降りそうです。軽アイゼンで行ける雪山と、望む富士山を想いながら、次なる山行を想うことにします。
2016/11/22 17:10
プロフィール画像
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