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記録ID: 1453639
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ハイキング
東海

浜石岳-薩埵峠 〜時の忘れもの〜 B51

2018年05月05日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
12:31
距離
18.6km
登り
991m
下り
1,006m
歩くペース
ゆっくり
3.03.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:11
休憩
0:14
合計
6:25
7:06
18
7:24
7:24
12
7:36
7:40
46
8:26
8:26
23
8:49
8:49
35
9:24
9:34
163
12:17
12:17
8
12:44
12:44
47
13:31
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2018年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
静岡駅発6:40(JR、410円)由比駅着7:01
興津駅発13:54(JR、320円)静岡駅着14:12、発14:20(新幹線、5830円)品川駅着15:40
コース状況/
危険箇所等
午前中に山頂から富士山を眺めたければ左回り、下山後に桜えびを食べたければ右回り。
由比駅出発後18分、新幹線を跨ぐ曙大橋を渡る。
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由比駅出発後18分、新幹線を跨ぐ曙大橋を渡る。
向う浜石岳方面。
4
向う浜石岳方面。
休憩所から駿河湾を望む。
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休憩所から駿河湾を望む。
舗装路を歩くこと1時間20分、ようやく登山道らしき道に入る。
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舗装路を歩くこと1時間20分、ようやく登山道らしき道に入る。
意外に険しい。ぐんぐん高度を上げる。
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意外に険しい。ぐんぐん高度を上げる。
突然、広場に出た。野外センターの一角らしい。
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突然、広場に出た。野外センターの一角らしい。
キャンプ場炊事場脇から再び登山道へ。
3
キャンプ場炊事場脇から再び登山道へ。
20分ほどで分岐点。ここから山頂を往復する。
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20分ほどで分岐点。ここから山頂を往復する。
広い山頂が見えてきた。
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広い山頂が見えてきた。
標高707m、浜石岳山頂に到達。標高差700mを2時間あまりで登ったことになる。
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標高707m、浜石岳山頂に到達。標高差700mを2時間あまりで登ったことになる。
富士山。南に愛鷹山塊。
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富士山。南に愛鷹山塊。
遠く南アルプスの姿を望む。
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遠く南アルプスの姿を望む。
徐々に高度を下げて行く。右回りで歩く人々とすれ違い、身軽な後続に道を譲る。
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徐々に高度を下げて行く。右回りで歩く人々とすれ違い、身軽な後続に道を譲る。
昨日の疲れが出てきた。たまらず鉄塔基礎に座り込む。座ったまま眠りそうだったので、パン1個分の時間で腰を上げる。
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昨日の疲れが出てきた。たまらず鉄塔基礎に座り込む。座ったまま眠りそうだったので、パン1個分の時間で腰を上げる。
立花池への分岐。見たかったが、疲労のため方向転換できず。
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立花池への分岐。見たかったが、疲労のため方向転換できず。
竹やぶと松林の間を吹き抜ける風に逆らい前進す。
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竹やぶと松林の間を吹き抜ける風に逆らい前進す。
竹林、強い海風にあおられきしむ。
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竹林、強い海風にあおられきしむ。
ようやく眼前に碧き海。
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ようやく眼前に碧き海。
そして富士。時に正午、出発から5時間、長かった。(けれどもそれからの1時間半のなんと長いことか)
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そして富士。時に正午、出発から5時間、長かった。(けれどもそれからの1時間半のなんと長いことか)
緑に包まれる登山道入口。
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緑に包まれる登山道入口。
眼前には伊豆半島。達磨山あたりかなあ。
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眼前には伊豆半島。達磨山あたりかなあ。
由比から18km、450分の表示、そんなには歩いてないと思うけど。
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由比から18km、450分の表示、そんなには歩いてないと思うけど。
薩埵峠からの富士山。かの有名な構図は、ここから数分の展望台から望める。(疲れと予習不足から、展望台への数段を登らなかった...)
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薩埵峠からの富士山。かの有名な構図は、ここから数分の展望台から望める。(疲れと予習不足から、展望台への数段を登らなかった...)
旧薩埵峠。和宮の婚儀の行列は「去った」を嫌い、中山道を通ったのだそう。
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旧薩埵峠。和宮の婚儀の行列は「去った」を嫌い、中山道を通ったのだそう。
旧薩埵峠からの富士山。名残惜しいがお別れです。
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旧薩埵峠からの富士山。名残惜しいがお別れです。
道路脇の即売所で甘夏4個を手に入れたのち、標識どおりに進んだため、とんでもない大回りをさせられ、疲労困憊で駅に着く。
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道路脇の即売所で甘夏4個を手に入れたのち、標識どおりに進んだため、とんでもない大回りをさせられ、疲労困憊で駅に着く。

感想

(5月4日 山伏〜大谷崩 からつづく)
 バスは、定刻どおり午後7時37分、静岡駅前に着いた。未だ眠り足りない。ぼんやりと大きな駅舎を見つめ歩き出した。食事の間、何を話したかあまり覚えていない。ただ、静岡には親切な人と美人が多いね、と言うと、変わらないですね、と返されたこと、鮮明に残っている。
 駅で握手をして別れた。楽しい時間を過ごせた。心から感謝した。Iは、改札口に入ってから一度振り返り、そして小さく手を振った。一瞬とまどい、返し、今日の宿に向かった。
 
 昨晩、横になりながら計画変更を考えていた。目的地を、バス便利用が不可欠な竜爪山から、初日に見送った浜石岳に切り替えた。海に近く、「駅から駅」の道をぼんやりと歩いてみたかった。少し寝坊して6時40分静岡発三島行きに乗る。由比には7時1分着、まだこの時間、桜えびの賑わいは感じられない。
 静かな出発、いつものペースで歩む。県道を離れ、新幹線を跨ぐ曙大橋は出発後18分で通過した。思っていたよりも勾配はきつい。舗装路歩きはしばらくいいやと思いながら歩いた。登山道の分岐点に到達するのに1時間20分が経過していた。
 地図に無い整備された道をしばらく進むと、浜石野外センターの広場に飛び出す。右にキャンプ場炊事場を見ながら再び登山道へ。山頂への水平距離は僅かなのに何故か西へ巻いて行く。
 薩埵峠に通ずる尾根道に合ってからほどなく山頂に到達した。広々としたその場所では、車でやってきた多くの子供たちが駆け回っている。富士山は、カメラのレンズ越しでは霞む濃さで、そして思っていたよりも控えめな大きさで目の前にあった。南アルプスは昨日同様、姿を現してはくれない。10分ほどの滞在で、南下を開始する。
 標高707メートルとはいえ、出発点は海抜18メートル、少し疲労を感じていた。樹林帯の中をゆっくりと滑らかに進む。普段はこの静けさを楽しめるのに、今日は予想以上に物足りなさを感じていた。いつしか疲労は十分に蓄積され、鉄塔まわりの明るい場所に吸い寄せられた。基礎に座り込み、天を仰ぐ。強くもなく弱くもなく、陽射しはただ優しかった。
 その後の木々たちの話し声に、少し気は紛れたのかもしれない。気圧傾度弱く、むしろ海風は強い。松の森も竹林も撓って軋んで様々な音を立てていた。あまりの饒舌さにハッと振り返る。そんな楽しい時間は瞬く間に流れ、やがて当然のように眼前に海が在った。
 春の陽射しを受けて輝く。穏やかなその表情に、急に胸騒ぎを覚えた。突然疲労が戻ってくる。足早に進み始めた。かんきつ類の散らばる路面を見つめ、無心で目的地に向かう。薩埵峠は思いのほか遠かった。
 多くの観光客に紛れ、お決まりの構図に収まった富士山をカメラに写す。潮風に吹かれながら遊歩道を西へ進んだ。やがて興津駅までの道は、登山口からアスファルト舗装路に変わる。途中、標識に従ったお蔭で、訳の分からない迂回をさせられ、疲労感は頂点に達した。もはや憤る気力も失せ、駅到達前に、赤色の自動販売機でいつもの飲み物を手にした。
 片手に持ち、国道1号線をスマートフォンを見ながら歩く。画面では東海道線上り列車の遅延が告げられていた。仕方ない。三度静岡に戻り、高速移動で帰るか、ゆうべ彼女がそうしたように。海の碧さが、もう訪れることの無い時間を少しだけ留まらせてくれた。波間に消えぬうちに。

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