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Yamareco

記録ID: 1594449
全員に公開
ハイキング
槍・穂高・乗鞍

中の湯‐焼岳‐上高地 〜あの頃、河童橋から先は聖域だったから〜 A54

2018年09月23日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
09:36
距離
17.2km
登り
1,388m
下り
1,277m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:20
休憩
1:18
合計
9:38
5:13
35
5:48
5:48
21
6:09
6:09
89
7:38
7:38
5
7:43
7:43
115
9:38
10:05
13
南峰、北峰間のコル
10:18
10:26
69
11:35
11:35
9
11:44
11:44
7
11:51
11:51
1
11:52
12:05
10
12:15
12:24
44
13:08
13:10
39
13:49
13:51
13
14:04
14:06
4
14:10
14:13
3
14:16
14:16
11
14:34
14:46
5
14:51
上高地バスターミナル
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2018年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
バスタ新宿発22:25(さわやか信州号グリーンカー、9,050円)中の湯BS着5:06
上高地バスターミナル発15:08(濃飛バス、1,160円)平湯バスターミナル着15:32
コース状況/
危険箇所等
上高地への下山コースが変化に富み楽しい。山頂直下の急坂、伸びやかな稜線歩き、近そうで遠い焼岳小屋、ほぼ垂直の長いはしご、大正池と梓川沿いの散策路。
その他周辺情報 穂高荘山がの湯 温泉は内風呂、露天風呂、サウナ共に広く、気持ちが良い。東館(穂高荘倶楽部)館内清潔でリラクゼーションスペースも充実。日帰り1,200円(翌朝10時までOK)、特別休憩室は1泊1,900円。
5:06、予定どおり釜トンネルの手前でバスを降りる。よく眠れた、はずだった。安房峠への道を九十九折に上ってゆく。
3
5:06、予定どおり釜トンネルの手前でバスを降りる。よく眠れた、はずだった。安房峠への道を九十九折に上ってゆく。
中の湯温泉旅館。予想以上に立派な佇まい。
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中の湯温泉旅館。予想以上に立派な佇まい。
6時過ぎ。既に下の駐車場も登山口前も夥しい数の車。
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6時過ぎ。既に下の駐車場も登山口前も夥しい数の車。
出発から1時間、登山口を通過する。
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出発から1時間、登山口を通過する。
東の方向、快晴の兆し。
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東の方向、快晴の兆し。
前方に山頂部現れる。何故か眠い。
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前方に山頂部現れる。何故か眠い。
譲り譲られ、南峰と北峰の間のコルを目指す。噴煙が見える。
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譲り譲られ、南峰と北峰の間のコルを目指す。噴煙が見える。
振り返り、南方向を望む。
2
振り返り、南方向を望む。
この頃、既に不調。あくびが止まらない。
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この頃、既に不調。あくびが止まらない。
乗鞍岳が見え始めた。明日、予定どおり登れるだろか。
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乗鞍岳が見え始めた。明日、予定どおり登れるだろか。
数歩進んで立ち止まる。座り込む。認めたくはないが、明らかに高山病の症状。横になり、ただ、空を見上げる。
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数歩進んで立ち止まる。座り込む。認めたくはないが、明らかに高山病の症状。横になり、ただ、空を見上げる。
かくも多き人。かくも遠き場所。
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かくも多き人。かくも遠き場所。
ようやく火口縁に到達、北峰を見上げる。この1時間、何度下山しようと思ったことか。
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ようやく火口縁に到達、北峰を見上げる。この1時間、何度下山しようと思ったことか。
東から漂う硫黄の臭いに酔いながら火口を見る。
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東から漂う硫黄の臭いに酔いながら火口を見る。
頭を下げて横になり、空を見上げる。
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頭を下げて横になり、空を見上げる。
25分の眠りから覚めて、笠ヶ岳を望む。大分回復してきた。
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25分の眠りから覚めて、笠ヶ岳を望む。大分回復してきた。
絶え間なく登って来る。既に下山者も多い。
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絶え間なく登って来る。既に下山者も多い。
南峰には向かえない。
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南峰には向かえない。
穂高連峰が眼前に現れる。槍ヶ岳もはっきりと望めた。
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穂高連峰が眼前に現れる。槍ヶ岳もはっきりと望めた。
標柱写真、あまりの多さに、人の姿を入れずには撮れない。
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標柱写真、あまりの多さに、人の姿を入れずには撮れない。
山頂東側。「定員30名」と言われる場所に、倍以上の人の姿。
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山頂東側。「定員30名」と言われる場所に、倍以上の人の姿。
笠ヶ岳から北東へ延びる稜線。
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笠ヶ岳から北東へ延びる稜線。
そして西鎌尾根を経て槍ヶ岳へ。
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そして西鎌尾根を経て槍ヶ岳へ。
前穂高岳、梓川、六百山。
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前穂高岳、梓川、六百山。
霞沢岳。
もう一度穂高連峰へ目を移す。西穂、奥穂、吊尾根、前穂。
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もう一度穂高連峰へ目を移す。西穂、奥穂、吊尾根、前穂。
下山大渋滞中。ボトルネックの岩場、先頭の方、どうか仕切ってください。
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下山大渋滞中。ボトルネックの岩場、先頭の方、どうか仕切ってください。
上高地の賑わいの中へ。
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上高地の賑わいの中へ。
笠ヶ岳を見ながら急坂を下る。
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笠ヶ岳を見ながら急坂を下る。
中尾峠を見下ろす。気持ちの良い尾根道。展望台を経て、焼岳小屋に向かう。
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中尾峠を見下ろす。気持ちの良い尾根道。展望台を経て、焼岳小屋に向かう。
焼岳山頂部を振り返る。
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焼岳山頂部を振り返る。
新中尾峠の焼岳小屋。十字路、思ったより人が多かった。
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新中尾峠の焼岳小屋。十字路、思ったより人が多かった。
長いはしごを下り振り返る。
2
長いはしごを下り振り返る。
大正池を挟んで霞沢岳を望む。
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大正池を挟んで霞沢岳を望む。
上高地側登山口。長かった。
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上高地側登山口。長かった。
西穂高岳登山口。ベンチで暫し休憩。
2
西穂高岳登山口。ベンチで暫し休憩。
久しぶりの河童橋は変わらず大盛況。5代目を渡るのは初めて。
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久しぶりの河童橋は変わらず大盛況。5代目を渡るのは初めて。
河童橋から焼岳方向を振り返る。良い山だった。
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河童橋から焼岳方向を振り返る。良い山だった。
バスターミナル。沢渡行、平湯行、どちらも長蛇の列。
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バスターミナル。沢渡行、平湯行、どちらも長蛇の列。
平湯温泉「穂高荘倶楽部」(山がの湯)。明日は乗鞍岳へ。予想以上に快適な時間を過ごせた。
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平湯温泉「穂高荘倶楽部」(山がの湯)。明日は乗鞍岳へ。予想以上に快適な時間を過ごせた。

感想

 そういえば今年は北へ行っていない。1ヶ月、前穂か焼岳か、迷っていた。1週間、天気図とtenki.jp+moreの画面を睨みながら、晴天を願う。週末、昨年同様、前線は南下してくれた。この上ない好天に恵まれた。

 23日午前5時すぎ、中の湯バス停で、快適だったさわやか信州号を降りる。車内は自分も含めほとんどが50代から60代の方々、グリーンカーではなくシルバーカーだった。登山届を提出し、夜明け前、安房峠への道を上ってゆく。九十九折、車が次々に近づき走り去る。
 1時間後、ようやく登山口に着いた。路肩にもあふれる車、こののち到着する人はどこに停めるのだろう。つい余計な心配をしてしまう。登山口前に駐車された車の合間を抜けてゆっくりと歩き始めた。
 久しぶりに、前後に人の気配を感じて登る。譲り譲られ、樹林帯を進んだ。出発から3時間が経とうとする頃、異変に気付いた。眠い、息苦しく、足が上がらない。徐々にそれは強くなり、森林限界を越える頃には、岩に腰を下ろして休むことを繰り返した。
 人目も憚らず岩の上に横になる。数歩進んでは立ち止まる。前方のコルが一向に近づかない。既に高山病であることに気づいていた。こういうことなのか、下山すべきか迷ったが、火口縁上で眠ることを期してなおも歩み続けた。
 9時半、コルに到達、すぐに横になった。すぐに眠れた。25分後ようやく身体を起こした。なんだかんだ言って予定どおりの通過時間だった。硫黄の臭いに咽ながら北峰を目指す。回復を感じていた。肩にザックを待たせて、山頂に向かった。
 どう表現したら良いのだろう。360度の眺望を楽しむ前に、先ず人の多さに驚かされた。車の多さから想像はしていたが、明らかにそれを超えていた。笠、槍、穂高、常念、八つ、南ア、乗鞍。美しい被写体を収め、早々にそこを後にする。とはゆかなかった。唯一の岩場の通過、登り下り譲り合わなければならないはずが、登り方向のみ動いていた。長い列が出来、ようやく前方で誰かが口を開いた。
 大したロスでは無かったが、確実に気疲れした。肩まで下り、ザックをすぐには持ち上げられなかった。再び穂高連峰に見とれ、聖地上高地を望んだ。そして数分後、その上高地に向け下り始めた。
 中尾峠までの300メートル差を一気に下りる。急坂そして伸びやかな尾根道、秋空が気持ち良く、先ほどまでの悪夢を忘れられそうだった。展望台まで登り返し、振り返る。焼岳の北側は荒々しさが強調される。なぜかファンタジアの「禿山の一夜」が思い浮かんだ。やはり忘れられそうもない。
 焼岳小屋はなかなか現れなかった。山頂直下から望んだ緑色の屋根、随分遠かったことを知った。冷たい飲み物の誘惑を振り切り、残り2時間をかけて下りる。いつもながら目的地を下山後に設定していた。そうすることで下りの緩みを防ぐことができる。今日は河童橋たもとの上高地ソフトである。
 草原から樹林帯へ。ストックに頼りながら足早に進み、スラブ状の岩場を下りると長いはしごが待っている。その後も幾つかのはしごが現れ、なだらかな道が続くようになった頃、急に疲れを感じ始めた。何人に道を譲っただろう。登山口まで長い道のりになった。
 大正池を右手に感じながら東に向かう。やがて道が梓川に沿うようになると田代橋は近い。西穂高岳登山口のベンチで3分間腰を下ろす。目的地のあの橋までおよそ1.5キロメートル、俄かに元気を取り戻した。
 ここに来るのは何年ぶりだろう。河童橋のたもとは、いつもどおり大勢の観光客と登山者であふれていた。思い出せないほど多くの人とこの橋を渡った。登山者として、観光客として。橋を背に撮った写真が幾つも思い浮かんだ。
 されど感傷に浸っている場合ではない。目的を果たさねば。梓川を見ながら食べるそれは、予想をはるかに上回る旨さだった。その後味の良さに浸りながらターミナルまでの道を歩む。明日の乗鞍岳を前に、今日はよく眠れる気がした。入浴後の緩みと飛騨牛の余韻に浸りながら。

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未入力 槍・穂高・乗鞍 [日帰り]
焼岳(中ノ湯温泉〜焼岳小屋〜上高地)
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5
ハイキング 槍・穂高・乗鞍 [日帰り]
新中ノ湯コース
利用交通機関: 車・バイク、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5

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