水無川本谷
- GPS
- 09:13
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 993m
- 下り
- 991m
コースタイム
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 9:12
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
参考遡行図: 「丹沢の谷 200 ルート」 P.14,17 (1級上) ・水量: 少なめ〜平水 ・ヌメリ: 乾いたところを歩く/登ることが多いので、気にすることがほぼなかった ・岩の脆さ: とても脆い。深刻に何も信用できないw ・ヒル: 一匹も見なかった。念の為、足に忌避剤をつけていたこともあり、身体及び装備にも見当たらず。 ・docomo電波: 戸沢出合駐車場では微妙に入ったり入らなかったり。F5を超えて書策新道(廃道)とぶつかったところで入る。そのあとはF8上〜詰め近辺になると入る。 ・紅葉: Co.700-900 周辺でピーク。それより上は冬山になりはじめていた。 表丹沢の沢を知るぞシリーズ全3本中の堂々最後。先々週の葛葉川、先週の勘七ノ沢、そして最後はこの水無川。最後にふさわしい大団円は塔ノ岳PH。 ソロでも行く予定だったが、パートナーが見つかったので二人にて。晩秋なので15時までの山行終了を目指した計画だったが、各種滝の登攀/高巻き、そして詰めに思ったよりも時間がかかったため、1.5hほどオーバーした時間となったが、登山道の下山ペースには安定の速さがあるメンバーなので、無事明るいうちに下山することができた。 戸沢出合駐車場まではとても荒れたダートを30分ほど走る。車高の高い車でないと、厳しく思うが、プリウスなど普通の乗用車などもいたので来れないことはなさそう。6:30に到着した朝の戸沢出合駐車場には10台程度の車。トイレもあり非常に快適に整備されていた。協力金を入れて準備し山行開始。 水にはほとんど浸からない沢で計画でもその予定だったが、この数日の良い天気から水量は少なく、そして気温自体もそこまで低くなく水の冷たさもあまり感じなかったので、水線が一番楽に遡行できる場合などでは積極的に水線を登った。 沢内では沖ノ源次郎沢を登攀する1パーティ(4人)に沖ノ源次郎沢出合でお会いしたぐらいで他のパーティに会うことはなかった。ちなみにこのパーティとは下山もほぼ同じ時間になったようで、駐車場でも改めてご挨拶できた。 F1〜F7は全力シャワーを覚悟するなら快適に水線を登れそうな滝が多かった。F8とF9も登れそうなラインは見えるものの、岩が脆すぎて危険にみえた。 ■F1 (2条10m) 鎖のついている左壁をフリーで登攀。少し高度感があり、上部でSLが軽度な高所恐怖症になり、上からお助け紐+鎖でセルフをとりながら登った。 ■F2 (6m) 乾いた右壁をフリーで登攀。CLが登ったあと、上からロープを出してダイレクトビレイでSLも登攀。残置ロープやスリングがあるもののあまり登攀に使えるものはなかった。上部で最後にあがるところの足が染み出しもあり悪い。また、脆い壁にハーケンが効かず少し支点構築に時間がかかった(自前のハーケン+残置のほぼ腐ったハーケン2本で)。なお、だいぶ後で気付いたがここで自前のハーケン回収を忘れ残置してしまった。まだ全然綺麗で緑色の細引きがついたBDナイフブレード#2なので、どなたか外して使ってあげてください…… ■F3 (10m) 右壁をフリーで登攀できそうでCLが途中まで登ったが、SLには難しそうだったので、左壁にある古い鎖から高巻きを選択。が、この高巻きはとても悪かった。高さは20mぐらいになる。登ってみると、鎖を支える支点のうち最初の1本は少しグラグラしていたり、落葉で足場がわかりにくくなっている点、そしてそもそもあまり良い足場がなく、かなり鎖に体重を預けることになる。CLが落葉を掃除しつつ、支点を確認しながら慎重に進む。奥にある鎖を支える支点はしっかりしているのでそこをメインポイントにしつつ、セルフが無い時間のないようにスリングで工作し、SLにフォローでついてきてもらった。危険な高巻きだったが、結果的に安全に進めたと思う。 ■F4 (3m) フォールナンバーもプレートもついてはいるが、3m程度の一瞬で超えられる小滝。前後にあるF3とF5の間に距離もないので、緊急連絡の側面でみてもナンバーつける意味がいまいちよくわからなかった…… ■F5 (10m) 「あれ?さっき見なかった?」というぐらいF3に酷似した形の滝。登攀する場合も同じような形状の右壁からになる。が、ここはとても快適でトラロープもある高巻き道が左岸にあるのでそちらから。 ■F6 (CS6m) CSの右からコーナーを残置ロープに全力で体重を預けて這い上がるw残置ロープは大量にあり、支点も豊富なので全力で大丈夫。身体をCS上に持ち上げてコーナーにねじ込めれば勝ち。 ■F7 (2mほどの小滝連瀑) 滝というよりゴーロ歩きに近い。適当に超えた。参考遡行図にF7の記述はなかったが、よく見ると右岸にきちんとプレートがかかっていた。 ■F8 (2段25m=参考遡行図表記) 左岸ルンゼから大高巻き。 高巻き中に眺めると、上段の滝は下から見るよりも立派で少なくとも10mはあり、滝全体で高さをつけるなら、2段で少なくとも30mはありそうに見えた。 ルンゼを簡単に15mほど登ったところから、残置ロープがあり、それを使って40mぐらいの高さまであがれる。そこからは枯れた枝沢を2本トラバースして小尾根を越えると沢床に復帰できる。トラバース中もずっと残置ロープがある。2本目の沢から小尾根にあがるところが少し悪い。残置ロープが豊富にあるのでしっかり利用すると良い。 ■F9 (10m) F9に右に入る沢が少し分かりにくい。ほぼ同標高の手前で右から沢が一本入ってきてそちらの水量も多いのでそっちに行きたくなるが、GPSを確認しつつそこからもう少しあがったところに右から入る沢を眺めるとすぐにF9が見えるのでそちらへ。 プレートはないが、元プレートだったようなものが滝下に落ちている。「F」アルファベット1文字だけの白い板なのでなんともだが…。滝下から左岸をみると綺麗に踏み跡があるのでそれを使って高巻き。ヤマレコを見るとこのまま沢に戻らず表尾根まで詰めているパーティもあるようだった、今回は初めて来たということもあり、沢に戻り、沢筋を忠実に詰めることに。 F9を巻いて沢に降りるとほぼ水は枯れ、詰めへ。沢筋を詰めていくことにしたので、ここから無限にガレを登る。詰めでのご褒美は振り返ったときの景色。三ノ塔や秦野市、そして海などを眺めながらガレを詰めていく。崩れやすいのでここは苦労するところ。とはいえ斜度はそこまでじゃないので体力勝負。表尾根が見えてくると歩く人の声なども聞こえ、そのまま登山道に出て遡行終了。 登山道からは10分もかからずすぐに塔ノ岳山頂へ着く。山頂で装備解除し、遅めの昼食をとって、下山。天神尾根は多少荒れてはいたものの、尾根自体がそこまで広いわけではないことや、終始フェンスがあり道迷いすることはなさそうな尾根道だった。 |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 秦野戸川店 下山後温泉: 秦野天然温泉 さざんか 晩飯: 湘南名菜 桂花楼 |
写真
装備
MYアイテム |
やっくん
重量:1.31kg
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個人装備 |
グローブ
雨具
着替え
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイランヤード
参考遡行図
地形図
バイル
サングラス
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共同装備 |
ロープ(8mm30m)
クイックドロー
カム数本
アッセンダー
レスキューセット(プーリー/マイクロトラクション)
ハーケン数枚
特小無線機2台
ナイフ
ツェルト
ヒル忌避剤
熊鈴
|
感想
今年の沢納めをここに。
これで来春までは沢は封印して外岩勢に戻ります…!
「丹沢を本格的にやるならまずは葛葉川本谷、勘七ノ沢、水無川本谷の3つにはご挨拶いっときたいな」の最後。2週間で3本行けました。
葛葉: https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4846735.html
勘七: https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4872519.html
日本百名谷!丹沢の顔!塔ノ岳への詰め!というわけでやってきました水無川本谷。
登攀を主として遊んでいる人間なので、前回の勘七が楽しかったこともあり、そういう点ではあまり記憶に残ったところがない沢になった。
沢の遡行として楽しいのはF5上までぐらい。なのでそこでちょうど横切る廃道になった書策新道から源次郎尾根を使って下山すれば半日コースでいけそう。とはいえ、F8の大きさは思わず声が出るので、そこまで見に行ってほしさもあり。
「F1〜F5の滝では鎖もあり安心」のような記述をしている記録も多いが、かなり古い鎖が多く、支点も怪しいものが多いのでそれを使えないと登れないような初心者の入渓は控えたほうが良さそう。また、沢登りの経験値が求められる高巻きも多いので、トータルで参考遡行図の「1級"上"」になっている理由は納得が行く。
登攀でいうと、F3の右壁を8mぐらいの高さのところまで登ってはみたものの、そこから先がフォローには難しそうだったので、降りて高巻きを選択したが、そこから戻るときのクライムダウンが核心だったwこの辺りは普段クライムダウンを含めた課題を用意してくれているホームジムに感謝しかない。
紅葉はCo.800周辺が赤さのピークでとても綺麗だった。人がまったくいない静かな沢で見る紅葉はとても良いものです。これのために来たといっても過言ではない……。
詰めは、ガンガン崩れる系のガレ+石が多めなのでバイルも刺さりにくい、でキツさはあるものの、斜度はそこまでないので一歩一歩しっかり進めば問題なくあがれる。気をつけてはいても、落石が避けられない詰めではあるので、大人数のパーティの場合はそこのケアが必要。沢筋ではなく左右の尾根にさっさとあがってそこから表尾根を目指すほうが平和かも。
想定していたよりも時間はかかったが、安全性を欠くことなく良いパフォーマンスで遡行ができたと思う。
来年はどこの沢に行こうかな。またね!
先々週に沢納めをしたのだが、パートナーが行くというので一緒に行かせてもらった。
乾いたゴーロ歩きがメイン。この季節なので紅葉がとても綺麗だった。防寒用でウェットスーツを着ていたが晴れていて水はさほど冷たくもなく快適だった。ただ季節的に岩の上や巻き道など落ち葉が多く、足場を探す作業が増えた。
脆い岩が多く、面積の少ない粒のような石をフェルトソールで踏むのがどうにも慣れずナンバーがついている各滝それぞれに時間をかけすぎてしまい足を引っ張る形になった(F1、F3の巻き、F8の高巻き、詰めでそれぞれ高所恐怖症発動)。高巻きや詰めの砂地なども力の入れ方がわからず心が折れた沢。自分は沢へ行く回数が増すごとに沢への恐怖心も増しているのと、フェルトソールの歩き方がわからなくなっているためギアの見直しと勉強し直しが必要。
下山は2人ともスピードがある程度出せるので問題なく快適に降りられた。今年11本の沢を登って下山力が上がっているのは確か。高巻きや詰めは足がすくんでしまうが、登山道に出ると『人が作ってくれた道』という安心感が半端ない。今日も生きて帰ってこられたので良かった。
毎回行った後に「自分は沢登りに向いていない」と思うが、来期もまた行くと思う。
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