田代高原-苗場山-小赤沢 〜天上の楽園〜 A4
- GPS
- 06:37
- 距離
- 16.0km
- 登り
- 983m
- 下り
- 1,618m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
※田代ロープウェーのチケットは列に並んでからでは買えない。 復路 小赤沢16:40(定刻は16:32)(南越後観光バス620円)17:26津南役場前17:48(定刻は17:43)(南越後観光バス770円)18:33越後湯沢駅19:10(MAXたにがわ426号、6,360円)20:14大宮駅-渋谷駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・田代高原〜神楽ヶ峰(田代コース) ロープウェー駅からはゲレンデ上をショートカットせず道を歩くべき。ゲレンデは歩きにくく最初から体力を消耗してしまう。神楽ヶ峰直下の急登も思いがけずきつい。道は明瞭で、1年に1ヶ月の限定であっても決して「幻のコース」ではない。 ・神楽ヶ峰〜苗場山 雷清水まで容赦なく下り、それから山頂までは急登が続く。北側岩場は滑りやすい。 ・苗場山〜小赤沢 木道はところどころ浮いている箇所がある。苗場神社分岐からはしばらくすると急な岩場が連続する。滑りやすく、下りは注意が必要。岩場の後は原生樹林帯と泥濘の道が交互に現れる。三合目駐車場からは緩やかで快適な道、3度の渡渉を経て舗道に出る。 |
写真
感想
「この季節限定のコース」(人並みに限定という言葉に弱い)に惹かれて、大菩薩方面を後日に回して、4日前に列車の予約をした。今年は10月11日から11月9日までのロープウェー稼働期間のみ可能な幻のコースなのだそうだ。一時期熱心に通った苗場のゲレンデ、雪の無いNaebaを見るために日本最長のドラゴンドラに乗ってみたかったが、日帰りで西へ抜けるルートを選んだため、少しでも歩き始めの早くなる田代ロープウェーで上がることにした。
大宮駅待合室でブレンドコーヒー、BLTサンドを購入し新幹線ホームへ上がる。6号車フラットシートは1/3しか埋まっていない。前々回同様、計画的とはいえあまりに上々の滑り出しにこれから山へ行くことを忘れてしまいそうになる。7時2分、MAXたにがわ401号は定刻どおり発車した。
越後湯沢駅から路線バスでロープウェー山麓駅に向かい、9時の始発待ちの列に並ぶ。すでに自家用車利用の観光客が多数並んでいた。ここでの足止めは想定外となるためかなりやきもきしたが、かろうじて10分発に乗車できた。
山頂駅からドラゴンドラ方面に下り、ゲレンデ上をショートカットするルートを選んだが、歩き難さに却って疲労した。途中振り返って望む田代湖や谷川方面が美しく、休憩している人が羨ましかったが、神楽ヶ峰、苗場山の到達時間によっては小赤沢へのルートを諦めなければならないため、先を急ぐ。
私にとっては今年一番の快晴の下、木々の間から陽光が優しく降りそそぐ。ほとんど無風、時折尾根を吹き渡る風が心地よかったが、神楽ヶ峰までの急登は予想以上にきつかった。地理院地図では左へ大きく曲がることになっているが、結局どこで方向が変わったのかわからないほど厳しい登りを強いられていた。
やがて山頂で飲もうと思っていた魔法のコーヒー(前回記録をご参照)に思わず手が伸びる頃、ようやく稜線の道に合流し、神楽ヶ峰に到達した。計画よりも30分遅い。休む間もなく、雷清水への下りに取り掛かる。もうその辺りで良いだろう、そう訴えたくなるほど容赦のない下りだ。そして苗場山への最後の登り、北斜面の岩場は思いのほか険しくよく滑る。
何とか登りきり、その広大な山頂部を見渡した瞬間、疲れは一気に吹き飛ぶ。誰もが笑顔になる瞬間だ。山頂の標識前で今日初めて腰を下ろそう、自然と歩が早まる。果たして山頂で飲むそのコーヒーは、下山路での慎重さと十分な体力回復を約束してくれた。何事も「その気」が大切だ!
秋山郷への長い道のりを楽しむために山頂をあとにする。木道の上を名残惜しみつつ、しっかりと情景を目に焼き付けながらゆっくり歩く。遅れは下山路で取り返そう、素晴らしい景色に何度も立ち止まる。やがて青空と草原と点在する池塘たちに別れを告げなければならない時を迎え、ようやく感謝の言葉を口にした。それを忘れるほど至福のひとときを過ごしていた。
それにしてもそそられる山容だ、いつか登りたくなる鳥甲山を正面に望む頃、道は急速に下り始める。想像以上の急坂だが、楽しくもある。烈しい岩場を過ぎると原生樹林帯と泥濘の道が現れ、バスの時刻を気にしながら休みなく進む。三合目の駐車場にはようやく計画書どおりの時刻に到着した。
そしてここから先が今回の山行で最も意外な道のりだった。おまけの一時間と考えていたが、黄葉の道をゆくことがこれほど気持ち良いとは。渡渉を3度行ったのち舗道に出るまでは少しさみしい道だが、下山路で時折共に進んだ青年と一緒になり、会話を楽しみながら歩くことができた。彼がいなかったら大瀬の滝に寄ることも無かっただろう。
小赤沢にもほぼ予定どおり着いた。バス停近くの店で彼と共に焼きだんごを食べる。うまかった。小赤沢からの路線バスは山岳バスそのもので、すれ違いの困難な道をガンガン飛ばしながら街を目指した。いつしか日は暮れて津南役場前に着く頃にはすっかり暗くなっていた。夜のしじまの中を、乗り継いだ越後湯沢行き急行バスが疾走する。街の灯りをぼんやり見ながらもう一度感謝の言葉を口にした。今日の無事とあらゆる瞬間に。
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