浅間峠-槇寄山-数馬 〜笹尾根と舞茸天ぷら〜 B21
- GPS
- 05:51
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,157m
- 下り
- 918m
コースタイム
- 山行
- 5:27
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 5:49
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路 温泉センターBS15:02(西東京バス、940円)-15:50(定刻15:54)武蔵五日市駅15:55(ホリデー快速あきがわ2号)16:58新宿駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般的によく整備された良い道。標識完備で悩む分岐や落ち葉に道が隠された箇所も無し。 |
その他周辺情報 | 「数馬の湯」 温泉はわからないが、舞茸天ぷらそば(870円)は噂どおり、期待どおり美味い。 |
写真
感想
舞茸天ぷらが食べたい。あるレコに載っていた写真を見て以来、取りつかれたようにその瞬間を思い描いてきた。年内にはどうしても食べたいが、それには、日本の名峰・絶景探訪のナレーションよろしく「お前がそれを強く欲するなら先ず笹尾根を歩かねばならない」。
というわけで、今回はその明確な目的を達成するために、用意周到に準備を始めた。前夜、友人達と久々に楽しいひとときを過ごした後、帰宅途中のドンキで食料を調達する。その4時間後には、拝島からの五日市線始発列車に間に合うように出発しなければならない。例によって井の頭線、中央線の車内は、夜明けを待っていた若者が乗客のほとんどを占めていたが、五日市線にその姿は見られなかった。
武蔵五日市駅で36分の待ち合わせ、寒い。始発バス停にもかかわらず5分前になっても来なかったが、降車時に運転手から言われた「気をつけて行ってらっしゃいませ」が打ち消してくれた。何気ないひとことに感謝。
上川乗から少し車道を歩き登山口に到着する。今回は地形図どおり、迷わない!奥多摩らしい杉林の道を緩やかに九十九折に登ってゆく。10月の丹沢以来、毎回静かで快適な時間を過ごせている。落ち葉を踏む音だけが響く、雪も霜もない奥多摩の冬の道。無風晴天、気持ち良い。徐々にペースを上げる。
尾根に出るとほどなく東屋のある浅間峠に着き、それから10分程度過ぎた頃だろうか、今日は会えないと思っていた富士が樹間から突然現れる。はっきりと全体像が見えなくとも嬉しい。どこかに見える場所はないものか、わかっていても仄かな期待を抱く。やがて尾根道は小刻みなアップダウンを繰り返したのちに、日原峠の手前で大きく下り登り返す。日原峠から土俵岳への登りが今回唯一厳しい行程だったが、尾根を越えゆくそよ風が発汗を抑え心地よい。
小棡峠を過ぎた頃から風が少し出てきた。木々に包まれた尾根道は眺望が無いが、余計な風も無いものとしてくれる。丸山を北側でまき、しばらくすると笛吹峠に着く。ここで予定どおり休むべきか少し迷ったが、次の峠に譲ろうと歩き始めた途端、少しだけ南側の眺望が得られる広場が現れた。運に恵まれれば富士の姿も見られる場所なのだろう、丸太の「ベンチ」が2本設けられていた。今度は迷うことなく昼食休憩を選ぶ。
休憩後ゆっくり歩き始めると今日初めて山中で人と出会った。三頭山が見え始めたあたりは北面のまき道が続く。霜が降りていないので歩きやすさに変わりはなく、予定どおりの時間に数馬、田和の各峠を通過する。数馬峠は南面に開け、権現山の向こうに富士山、大菩薩連嶺が望める、はずだ。しばらく陽の光の温かさを感じながら進む。
西原峠から今日最後の登りを終え槇寄山山頂に着くと、今日2組目かつ最後の人と出会った。ここも南方向は開けているが、相変わらず富士は雲の中だ。「まだ体力も残っているし時間もある。三頭山に足を伸ばしてはどうか」ごちゃごちゃと囁き声が聞こえてくる。1年で最も日の短いときになにもこれ以上歩くことはない、それに今日の目的は下山後にあるのだ、大義名分を得て予定どおり数馬への道を進む。
甲武国境である笹尾根は、甲相国境尾根よりは苛酷でないが、やはりそれなりに体力を消耗する。疲労を感じ始める頃に進む北面の下山路では、降雨翌日の凍結に対する滑り止めとしてお守りアイゼンを持参したが、幸い出番はなかった。仕事道との分岐が幾つかあったが、都度標識があるため迷うことはない。
高電圧の獣害防止柵が現れると数馬の里は近い。兜造りの民家の傍らを通り、奥多摩有料道路に出る。仲の平バス停を過ぎ、目的地の「数馬の湯」に着いた。エントランス前の洗い場で泥を落とし、食事のみとフロントに告げてから畳敷きのレストランへ。メニューを見ずに頼んだ舞茸天ぷらそばは、期待以上に美味く、芳醇さと食感の良さに夢中で平らげた。
建物前のバス停を定刻どおり出発したバスは、途中何名かの登山者を拾ってひた走り、武蔵五日市駅には定刻より4分早く到着した。諦めていたホリデー快速に乗れたためか、舞茸天ぷらの余韻のためか、確かな充実感とささやかな達成感に包まれながら心地よい眠りに就くことができた。また食べたい!いや登りたい。
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