天城山-天城峠 〜静かな縦走路を〜 A6
- GPS
- 05:41
- 距離
- 15.8km
- 登り
- 831m
- 下り
- 1,265m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路 天城峠BS14:54(新東海バス、1,090円)15:55(渋滞のため15分延着)修善寺駅16:05(伊豆箱根鉄道、510円)16:40三島駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
さすが百名山、標識完備(多すぎるが)、悩む分岐には必ず有る。前夜の雨にかかわらず路面の凍結なし。トイレは登山口、八丁池、旧天城峠。 |
写真
感想
今年最後の山行はどこにしようか、実は11月の始めから天城越えと決めていた。「山が燃える」時期は過ぎていても、静かに百名山を楽しめるのはこの時をおいて他に無し。
というわけで、東横線始発に乗って横浜経由で熱海へ。東海道線の車中、ウォークマンのシャッフル再生を聴きながら、水平線の雲間から上がる朝日を見る。清々しい朝だ。伊東線には予想より多く登山者の姿が見られた。全員が同じ山に登ることがこれほどはっきりしている列車も珍しい。宇佐美を過ぎれば間もなく伊東、数えきれないほど訪れていた東伊豆だが、電車で来るのは久しぶりだ。
バスは定刻どおり出発、乗客は座席数の約半数といったところか。様々な意味で登山客を冷遇するシャトルバスだが、運転手に罪は無い、いつもどおり礼を言って降車した。クラブハウスに向かった登山者に惑わされたが、ほどなく登山口を見つけて縦走を開始した。少し多すぎる標識に感謝しながら先ずは万二郎岳を目指す。ゴルフコースをまきながら緩やかに高度を稼ぎ、やがて風の強さを感じ始める頃、山頂に着いた。先は長い。直ぐさま西へ進路を変え歩き始める。
少々きつめのアップダウン、アセビのトンネル、アマギシャクナゲの群落を経て、先程一瞬姿を現した万三郎岳への最後の急登。山頂ではあまりの強風に休む気がせず、ここでも写真を撮り、直ぐに出発。珍しく予報どうり15メートル以上の風に閉口、樹林帯でなければ相当厳しい。
万三郎岳からはわずかな登り返しで小岳、ヘビブナ分岐を過ぎると200メートルほどの急降下である。ストックを駆使して、今の私には最高速度と思える早さで後半の時間を稼ぐ。戸塚峠からは長い平坦な行程だが、あまりに快適な道ゆえに、先ほどアプローチで聴いた歌が頭の中で響く。一人では寂しい「天城越え」でなく「銀の龍の背に乗って」。
さあ、行こうぜ♫、いやがうえにもペースが上がる。さすがは百名山、陽希さんは大変だったろうが、山岳地帯から離れた伊豆に、バランスの取れた良き山を選定してくれた先人に感謝。
白田峠からはさらに同様なアップダウンの少ない尾根道、まき道が続く。そして大きく南に進路を変えると、眼前に待望の八丁池が姿を現す。予定よりも1時間早く到着した池のほとりで昼食。慌ただしくコーヒーを淹れ、10分あまりで出発、相変わらず風は強い。八丁池の完全結氷は間もなくであろう。東側を回り込み少し上がると、これも待望のトイレが在る。
ここから見晴台への寄り道は、何があっても欠かせない。天城山や八丁池の雄大な眺望は、樹林帯の中を歩いて来ただけに、より一層の感銘を受ける。登山道に戻り、御幸歩道を行くと程なく天城峠への道に入る。沢状の道を下りしばらくすると水生地への道を分ける。ここからはひたすらまき道を進んだ後、再び尾根伝いの道になるのだが、この辺りがそろそろ飽きを感じる正念場である。百名山でありながら熊鈴も鳴らない静かな山旅を終始楽しめたことに感謝しつつ乗り切る。
やがて右手にワサビ田が見え始める頃、崩落地の迂回路に遭遇する。思わぬ上り道に少々戸惑うが、やがて本来の縦走路に復帰すると天城峠に着く。のんびりするつもりだったが鬱蒼とした樹林帯の中であること、例によって1本早いバスに間に合いそうなことから、早々に下ることにした。
旧天城トンネルの入口にある旧バス停を通過し、苔で滑りやすくなった階段を急ぎ足で下りる。バス停に着くと河津方面と異なり、修善寺方面の待ち人はいなかった。靴の泥を落とし、スパッツを外し、仕舞ってあったダウンジャケットに着替える。
バスは定刻どおりにトンネルを抜けて来た。駅直前の渋滞で15分ほど延着したため、ちょうど1時間揺られて修善寺駅に着いた。三島に用があるので今日の旅程は残り30分あまりだ。伊豆箱根鉄道の次の列車を待つ間、山中にいた銀色の龍を思い浮かべ、もう一度あの歌が聴きたくなった。
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