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記録ID: 592791
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ハイキング
奥多摩・高尾

高畑山-倉岳山 〜静寂の刻、光と影〜 B23

2015年02月22日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
05:46
距離
11.6km
登り
1,038m
下り
1,070m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:23
休憩
0:20
合計
5:43
7:03
62
8:05
8:06
53
8:59
9:00
33
9:33
9:34
1
9:35
9:36
20
9:56
9:57
3
10:00
10:00
28
10:28
10:41
35
11:16
11:18
70
12:28
12:28
18
12:46
鳥沢駅7:05−石仏8:05−9:25高畑山9:30−天神山9:55−穴路峠10:00−10:25倉岳山10:50−立野峠11:15−11:30倉岳山水場11:35−12:50梁川駅
天候 曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
往路 〜吉祥寺駅5:43-6:25高尾駅6:30-6:58鳥沢駅
復路 梁川駅13:24-13:49高尾駅、京王高尾駅13:54〜
コース状況/
危険箇所等
北側斜面の登り下り故、滑り止めは必携、高畑山〜倉岳山間の尾根道については今日は不要でした。標識は完備され、駅から駅への無駄のない山行を楽しめます。
鳥沢駅を出発して国道20号線を行く。
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鳥沢駅を出発して国道20号線を行く。
国道を離れ近道へ。
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国道を離れ近道へ。
線路下をくぐる。
2
線路下をくぐる。
向かう高畑山と倉岳山。
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向かう高畑山と倉岳山。
虹吹橋を渡る。
橋を渡り程なく分岐、左へ。
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橋を渡り程なく分岐、左へ。
ゲート到着。登山道へ入る準備後扉を開ける。
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ゲート到着。登山道へ入る準備後扉を開ける。
小篠貯水池、思いがけず美しい。
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小篠貯水池、思いがけず美しい。
しばし佇む。
沢を鋼製の橋で渡る。
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沢を鋼製の橋で渡る。
朝の沢は清々しい。
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朝の沢は清々しい。
石仏分岐。
登山道凍結。
スピード維持のため早めにアイゼン装着。
3
スピード維持のため早めにアイゼン装着。
北面の道、雪が残り踏み固められている。
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北面の道、雪が残り踏み固められている。
直下の急坂。暑い。発汗を抑えながら進む。
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直下の急坂。暑い。発汗を抑えながら進む。
高畑山に到着。
当然秀麗富嶽は見えず。
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当然秀麗富嶽は見えず。
風は無く、空腹。天気の崩れる前に大休止にするか迷ったが、微かな期待をして山頂を後にする。
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風は無く、空腹。天気の崩れる前に大休止にするか迷ったが、微かな期待をして山頂を後にする。
天神山通過。
御正体山の上には青空が覗く。
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御正体山の上には青空が覗く。
穴路峠。
なるほど。
山頂が近づく。
倉岳山、秀麗富嶽は見えず。
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倉岳山、秀麗富嶽は見えず。
待望の昼食。今日は何故か君と一緒のようです。それにしてもデイズニーづくしとは。
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待望の昼食。今日は何故か君と一緒のようです。それにしてもデイズニーづくしとは。
先程こちらを望んでいた市街地を目下ろす。
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先程こちらを望んでいた市街地を目下ろす。
峠から上がって来た5人組パーティと入れ替わりに出発。
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峠から上がって来た5人組パーティと入れ替わりに出発。
立野峠が近づく。
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立野峠が近づく。
立野峠、予定どおり梁川駅へ下る。
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立野峠、予定どおり梁川駅へ下る。
倉岳山水源(水場)周辺は広がりのある爽やかな空間だった。
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倉岳山水源(水場)周辺は広がりのある爽やかな空間だった。
今日は君と一緒で良かった。そろそろ雪とお別れです。
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今日は君と一緒で良かった。そろそろ雪とお別れです。
恐るべし「てんきとくらす」、前日の予報どおり昼前後に青空が。
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恐るべし「てんきとくらす」、前日の予報どおり昼前後に青空が。
「飲用には向きません」が消されていた。
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「飲用には向きません」が消されていた。
昼過ぎだが路面凍結、6本爪を効かせながら下りる。
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昼過ぎだが路面凍結、6本爪を効かせながら下りる。
アイゼンを外すに良い場所。沢で洗い、この先凍結個所の無いことを祈りながら進む。
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アイゼンを外すに良い場所。沢で洗い、この先凍結個所の無いことを祈りながら進む。
気温は高く、苔むす沢を吹く風が気持ち良い。
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気温は高く、苔むす沢を吹く風が気持ち良い。
別に苔フェチではないが。
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別に苔フェチではないが。
今更この凍結か…。心配なかった。
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今更この凍結か…。心配なかった。
林道出合。
新旧ポストと案内板。
2
新旧ポストと案内板。
天候の悪化する前に終えるつもりで歩いてきたはずなのに。この青空に会えるなら、、、
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天候の悪化する前に終えるつもりで歩いてきたはずなのに。この青空に会えるなら、、、
梁川大橋からの景色は何気なく素晴らしい。
5
梁川大橋からの景色は何気なく素晴らしい。
梁川駅。無人駅。駅舎で南風を受けながらのんびり待つとしよう。
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梁川駅。無人駅。駅舎で南風を受けながらのんびり待つとしよう。

感想

 やりきれない気持ちを収めることも、今回の山行目的だった。いつものように井の頭線始発電車に乗るべく家を出たが、路上は既に濡れておりしかも小雨がパラついてきた。体調が今一つ優れないこともあって早くも引き返す勇気が湧いてきたが、まだ微かに吹いている北風に期待を寄せ、進むことにした。
 高尾発大月行の乗客は少なく、私は1車両を占領して身繕いを始めた。車窓は、時間を追うごとに朝靄にけぶる町並や山々を映し出す。定刻どおり鳥沢駅に着き、そのまま歩き始める。車道歩きでウォーミングアップ、早めにペースを掴むため登山口で念入りにストレッチを行う。幸い雨は降っていない。小鳥のさえずりのみが響く気持ちの良い静かなスタートだ。
 小篠貯水池、思いがけず美しい。しばらく見とれたのち、沢沿いの清々しい道を進む。今のところ予報に反して風も無い。今日は、富士が雲に隠れぬうちに山頂へというプレッシャーも無い。気持ちに余裕のある登りは、やがて現れる凍結個所でも落ち着いた対応をもたらしてくれた。それでもペースダウンをきらい、早めにアイゼンを装着し、ストックのゴムキャップを外す。脱着の手間に代えられない安心感を得てからは、トラバース、急登にも時間のロスは無い。
 この季節にしては気温も高く、早々にセーターを脱いだにもかかわらず、高畑山直下の登りでは、発汗を抑えられなかった。当然のように「秀麗富嶽」は見えないが、雨が降らないだけでも良しとしなければならないのだろう。珍しく山上で空腹を覚え、天候の悪化も気になるためここで大休止とするか迷ったが、昼頃一時的に晴れるというピンポイント予報に僅かな期待を託し山頂を後にする。
 天神山、穴路峠を経て倉岳山へと続く尾根道では滑り止めは必要なかった。100メートルあまりの標高差を登り下りして1時間ほどで山頂に着く。南からの風が吹き始めていた。いよいよ来るか。ベンチに座り、風と富士に背を向けて慌ただしく昼食を取る。しかし、食後ふと振り返ると青空が見え始めた。今にも雲間から陽の光が射してきそうな気配である。恐るべし「てんきとくらす」。昼に本当に晴れてきた。風も予報どおり5、6メートルだ。
 出発しようと準備をしていると5人組のパーティが上がって来た。駅を出てから初めて会う人だ。下り始めて2パーティとすれ違ったが、その後駅まで出会う人はいなかった。立野峠へと急坂を下ったのち左に折れて梁川駅までの道を進む。やはり北面沢沿い、十分に凍結している。

 11日の報に接してからは、しばらく山に行く気がしないだろうと思っていた。僅かとはいえ、つながりの無いわけではない二人の極限状況や無念さを想うほど、やりきれなさが込み上げてきた。当然のごとく15日に予定していた山行は中止し、相変わらず多忙の日々に身を投じていた。数日前、登山に関して先輩である義父と話をしているうちに少しずつ気は晴れ、いつしか天気図や交通予想に目を向けられるようになった。

 峠からほどなく倉岳山水源である水場に到着した。実に気持ちの良い場所だった。沢のせせらぎだけが響き、周囲には雪が残り、そして見上げると木々の間から青空が覗かせていた。ザックの中にいつの間にか忍び込んでいた相棒を雪の中に佇ませてみた。ベンチに座り、ボーッと眺めていると、不思議と気持ちが和んできた。感謝の気持ちと共にゆっくりと立ち上がり、もう一度空を見上げた。
 沢の渡渉個所でアイゼンを外し、泥を洗い流す。その後の凍結個所で装着と勘違いしないよう、冷たい水で頭も冷やす。バスを気にせずのんびり歩ける時間を楽しみながら進むと、名残惜しいかな登山道は終わり林道に出る。見上げなくてもわかるほど晴れていた。もっと遅い時間の行程にすればもしかすると出会えたかもしれない。一瞬脳裏を過ぎったが、富士が見えなくても十分良い山だった、すぐに気を取り直して歩き始める。
 しかしながらせめて下山後の楽しみがないだろうか。これも一瞬にして打ち消された。梁川駅前に何もないことは往きの車窓から確認済みだった。梁川大橋を渡り、無人駅である終着点に着く。列車は1時間2本、時にバスを1時間待っていることを思えばどうということはない。のんびり南風を受けながら、いくらか軽くなった心を感じていた。

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コメント

初めまして
優しい方だなあと思いながら読みました。やり切れなさ、若い人を喪うやり切れなさ感じます。貴方も気をつけてと家人に昨夜言われたのも、痛く感じました。気をつけて行きましょう。お互いに。
2015/2/23 17:57
何事も無く、当たり前のように帰ることを
roadwalker様、メッセージをありがとうございます。ヒマラヤの未踏峰を征したパーティの隊長であり、日本山岳会をこれから牽引するはずだった、かけがえのない人であることを知り、どんなに無念であったかを想い、そして祈りました。私はもう雪の高山や岩稜帯のような危うき場所には赴けませんが、たとえ低山ハイクでも用意周到に慎重に行動してゆきたいと思っています。roadwalker様にとってこれからも安全で楽しい山行となることを願っております。
2015/2/23 21:51
お気持ちが軽くなられたようでよかったです
kimichin様
苦しいお気持ちが、お山によって癒されて、少し軽くなられた御様子でよかったです。
山での事故や遭難のニュースを聞くと、心がぎゅっと苦しくなります。roadwalker様もおっしゃっていらっしゃいましたが、kimichin様の山を愛するすべて方々への深い思いを感じました。
次回の山行もお天気に恵まれますよう、心より祈っています。
2015/2/23 20:36
周囲の人にも気づかれるほど打ちのめされてしまいましたが、もう大丈夫です。
reochi19様、いつも暖かいメッセージをありがとうございます。遭難のニュースを知ってもこれほどのダメージは受けなかったのですが、若くても責任感や思いやりに満ちた人であったことを知り、どうしようもなくなってしまいました。単純なので、優しい心遣いを感じたり、静かで穏やかな空間に身を置くと、立ち直りも早いのですが。これからもreochi19様の山での時間が、さらに優しさを増してくれることを願っております。
2015/2/23 22:06
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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