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Yamareco

記録ID: 655665
全員に公開
ハイキング
奥秩父

十文字峠-白泰山 〜シャクナゲと 苔むす森へ〜 A9

2015年06月06日(土) 〜 2015年06月07日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
25:41
距離
24.7km
登り
1,677m
下り
2,217m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
3:37
休憩
0:32
合計
4:09
11:21
59
梓山バス停
12:20
12:36
43
13:19
13:19
56
14:15
14:16
4
14:20
14:35
55
2日目
山行
7:05
休憩
0:18
合計
7:23
5:40
24
6:04
6:05
26
6:31
6:39
92
8:11
8:11
17
8:28
8:28
58
9:26
9:34
51
10:25
10:26
157
13:03
ゴール地点
6/6 梓山バス停 11:20 - 12:15 毛木平 12:40 - 14:20 十文字小屋 14:35 - 乙女の森、かもしか展望台往復 15:30 十文字小屋
6/7 十文字小屋 5:40 - 四里観音避難小屋 6:35 - 三里観音 7:45 - 9:20 白泰山避難小屋、のぞき岩 9:30 - 10:05 白泰山 10:35 - 一里観音 11:40 - 13:00 栃本関所跡バス停
天候 6/6 曇り 6/7 晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2015年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
6/6 〜小淵沢駅 9:57 - 10:39 信濃川上駅 10:45 (川上村営バス、550円) 11:10 梓山BS
6/7 栃本関所跡BS 13:40 (秩父市営バス、300円) 14:15 大滝温泉遊湯館BS 15:15 (西武バス西武秩父駅行急行、620円) 16:10 西武秩父駅 〜
※大滝温泉から西武秩父駅行急行バスに乗車する場合、三峯神社からの乗客がいるため時により約1時間立つことを覚悟しなければなりません。時間に余裕があれば大滝温泉始発三峰口行きのバスに乗ってゆっくり眠れます。
コース状況/
危険箇所等
三里観音から白泰山避難小屋の間、岩場が2箇所あります。鎖ありません。
白泰山から一里観音の間、直進してしまう紛らわしい踏み跡があります。
その他周辺情報 ☆6/13の「日本の名峰・絶景探訪」は十文字峠が主役だそうです!今回間に合いませんでしたが、番組ではシャクナゲの美しさを堪能できそうです。おかみさんも出演かな。
大滝温泉遊湯館 道の駅併設。700円。遊湯館内レストランは休業中。道の駅の方へ。
梓山バス停、今日は3パーティーほどが降車した。
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梓山バス停、今日は3パーティーほどが降車した。
この季節、レタスたちは整然と並んで収穫のときを待つ。
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この季節、レタスたちは整然と並んで収穫のときを待つ。
毛木平への直線道路。
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毛木平への直線道路。
毛木場駐車場、予想どおり満車、路上にも少しあふれていた。
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毛木場駐車場、予想どおり満車、路上にも少しあふれていた。
源流の道への分岐点。
2
源流の道への分岐点。
尾根まで出ると峠までは緩やかな登り。
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尾根まで出ると峠までは緩やかな登り。
十文字峠。いつか三国山の方にも行ってみたい。
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十文字峠。いつか三国山の方にも行ってみたい。
シャクナゲの花に迎えられる。
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シャクナゲの花に迎えられる。
乙女の森より。ピークは1週間前。
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乙女の森より。ピークは1週間前。
かもしか展望台から源流コース方向を望む。昨秋同様、ここでコーヒータイム。
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かもしか展望台から源流コース方向を望む。昨秋同様、ここでコーヒータイム。
十文字小屋。西沢渓谷の空に誓ったとおり7ヶ月ぶりに来ましたよ、おかみさん。
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十文字小屋。西沢渓谷の空に誓ったとおり7ヶ月ぶりに来ましたよ、おかみさん。
団体客の朝食、出発を待ってから、5時40分クラシックコースへ。必ずまた来ますね。
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団体客の朝食、出発を待ってから、5時40分クラシックコースへ。必ずまた来ますね。
昨秋は夜明け前に甲武信ヶ岳へ向かった。今日は左へ、奥秩父の奥へ。
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昨秋は夜明け前に甲武信ヶ岳へ向かった。今日は左へ、奥秩父の奥へ。
爽やかで趣のある道、期待以上だ。
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爽やかで趣のある道、期待以上だ。
川又への沢沿いの道を分ける。
2
川又への沢沿いの道を分ける。
四里観音。この奥ゆかしさ。
4
四里観音。この奥ゆかしさ。
四里観音避難小屋が見える。
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四里観音避難小屋が見える。
後日のために寄ってみた。水場、トイレ、きれいな室内。人気が有るのも頷ける。
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後日のために寄ってみた。水場、トイレ、きれいな室内。人気が有るのも頷ける。
この道を往けることに感謝。
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この道を往けることに感謝。
三里観音。危うく通り過ぎるところだった。
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三里観音。危うく通り過ぎるところだった。
これか、「鍾乳洞入口」標識は。確かに何もない。
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これか、「鍾乳洞入口」標識は。確かに何もない。
奥秩父の若葉たちもまた、初夏の訪れを感じ始めている。
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奥秩父の若葉たちもまた、初夏の訪れを感じ始めている。
岩場を過ぎると巨大な岩に出迎えられる。
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岩場を過ぎると巨大な岩に出迎えられる。
上方に白泰山避難小屋。
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上方に白泰山避難小屋。
のぞき岩から歩んできた道を振り返る。
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のぞき岩から歩んできた道を振り返る。
向かう白泰山。確かに眺望は得られそうにない。
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向かう白泰山。確かに眺望は得られそうにない。
白泰山避難小屋に戻る。
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白泰山避難小屋に戻る。
二里観音。麗しい。
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二里観音。麗しい。
白泰山への分岐、今日一番の急登を経て山頂へ。
4
白泰山への分岐、今日一番の急登を経て山頂へ。
白泰山。何もないが、静寂の支配する空間で何にも妨げられず。
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白泰山。何もないが、静寂の支配する空間で何にも妨げられず。
言葉で言い尽くせぬほど美しい森だった。
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言葉で言い尽くせぬほど美しい森だった。
一里観音。やさしく微笑む。
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一里観音。やさしく微笑む。
突然の明るさに少し眩む。
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突然の明るさに少し眩む。
登山道入口を振り返る。林道を渡り再び森の中へ。
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登山道入口を振り返る。林道を渡り再び森の中へ。
風情ある四阿。味わいたくも歩を緩めず。
2
風情ある四阿。味わいたくも歩を緩めず。
両面神社。無事の下山を報告、そして感謝。
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両面神社。無事の下山を報告、そして感謝。
ここからは舗装道、間もなく終着点。
2
ここからは舗装道、間もなく終着点。
午房平。信州道旧道起点、行ってみたいが。
2
午房平。信州道旧道起点、行ってみたいが。
何気ない景色にも秩父往還の面影を感じる。
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何気ない景色にも秩父往還の面影を感じる。
栃本関所跡バス停に到着。待ち人よけて、光を失いつつある空とともに。
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栃本関所跡バス停に到着。待ち人よけて、光を失いつつある空とともに。
栃本関所跡。
関所跡から見たバス停と「賑やかな」パーティー。
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関所跡から見たバス停と「賑やかな」パーティー。
天空の村、栃本集落。
3
天空の村、栃本集落。

感想

 家を出て早速雨の洗礼を受ける。少し肌寒い。祝日ではない土曜発の登山、久しぶりだ。今朝も新宿駅は人で溢れている。登山者の姿も多い。いつものように30分前には着いてしまった。けれども今日はいつもの山行とは大いに異なる。ノイズキャンセラーが、喧騒と慌ただしさの中、逸る気持ちを抑えてくれる。
 最良の選択、最悪の状況をイメージして臨むこと、常に心がけているつもりだが、今回の山行は最善でなくてものちに後悔しない行動をとるよう努めることにした。アプローチの計画は周到に、山上での行動はなるべく鷹揚に。
 臨時特急あずさ51号、定刻どおり発車した。西に向かうためか、車窓から見上げると急速に空は明るくなり雨も上がった。青空の向こう、この1週間、めまぐるしく変化する予報に一喜一憂してきた自身の姿が思い浮かぶ。
 梓山で村営バスを降り、期待どおりの好天の下、心穏やかに歩き始める。足並みを揃えて進む、一体何年ぶり、いや何十年ぶりだろうか。昨秋、収穫が終わり何もなかった畑にレタスが整然と並ぶ。長く感じた直線状の道路も、今日は気づくとすでに緩やかな弧を描いている。
 予定どおり1時間後に毛木平に着き、軽食を取った。沢沿いの道を往けば、僅かな疲労も感じないうちに尾根へ、そして程なく十文字峠に着けること、記憶に新しい。峠から小屋へ、咲き残ってくれたシャクナゲに迎えられる。7ヶ月ぶりに戻ってきた。晩秋の一夜が甦る。小屋に入るとおかみさん(と呼ばせてもらってよいのだろうか)の姿がとても懐かしく映った。
 宿帳に記入してから乙女の森に向かう。残念ながら予想どおり、ピークは過ぎていた。僅かに残ったシャクナゲの花に感謝しながら、再びのかもしか展望台に歩を進める。絶景とは言い難くも、今回の山行で数少ない眺望を得てコーヒーを味わった。
 小屋に戻ると、続々と登山者が到着していた。1年でもっとも賑わう「シーズン」にやってきたのだ、静けさは望むまい。よく見ると3団体に2,3名のパーティ、単独登山者の姿はなかった。そして、どうやら私が最年少のようだった。「大人の宿」は笑い声に満ちていた。
 夕食は17時から2回転、小屋のスタッフの慌ただしい姿と変わらず美味しいポトフに感謝。ランプの灯がゆらめく豊かな時間ののち、小屋前でティータイム。標高2000メートル、セーターを羽織る。やがて日没、小屋では宴会が始まっていた。ほとんど疲労を感じておらず、絶えることのない会話に眠れるか心配だったが、十文字小屋の「三段ベッド」は今回も安らかな眠りを約束してくれた。
 やはり皆、朝は早い。先輩方はそのほとんどが4時起床である。6時出発のゆっくりとした計画であったが5時には準備が整ってしまった。その先輩方のほとんどを見送ったのち、おかみさんに再来を告げて小屋を後にする。「今度はひまなときに来てちょうだい」素敵な言葉に見送られた。
 奥秩父の素晴らしさを堪能するために、苔むす深い森へ。栃本へのクラシックロード、緑多き奥深さに、一歩進むたびに嬉しさが込み上げてくる。どこからか聞こえる小鳥のさえずり、道端に咲く色彩豊かな草花、原生林に注ぎ込むやわらかな陽の光、これほど素の自然をゆっくり感じられることはあまりない。
 四里、三里の観音像を愛でながら、思いがけず強面の岩場を過ぎながら、このコース唯一の展望ポイントである、のぞき岩に到着した。奥秩父主稜線を遠くに、辿ってきた稜線を感慨深く望んだのち、眼前に現れた白泰山を目指す。避難小屋から二里観音を経て分岐点へ。山頂直下、このコース唯一の急登に息を切らせながら一歩一歩踏みしめる。
 白泰山、眺望もベンチも何もない、ただ、しじまだけがそこに在る。ほんの僅かな時間、その静寂を享受したのち、コーヒーのための湯を沸かした。バーナーの音が途絶えると再び森の息吹を全身に感じる。ゆっくりと、大切にそのひとときを過ごした。
 一里観音を過ぎる少し前、確かな踏み跡を辿ったはずが見事にルートを外した。広い尾根道、付近を見渡し登山道に復帰する。ケアレスミスに注意力の散漫を自覚した。時に緩やかに、時に急坂で里に誘(いざな)われる。登山道入口に立てば、天空の村、栃本集落はまもなくだ。
 栃本関所跡でバスを待つ。およそ10分遅れで現れた秩父市営バスに乗り、大滝温泉のある道の駅へ。珍しく温泉に浸かり、美味しい天ぷらそばを食す。ソフトクリームの札を横目で睨みながらバス停へと向かった。計画どおりに進めなくても良いと思いながら計画どおりに山行を終え、ときに計画どおりでないことの楽しさを、或いはセオリーに背いた嬉しさのあることを少しわかったような気がしていた。

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コメント

おつかれさまでした
kimichin様
2日間にわたる山行、おつかれさまでした。

雨降らなくて本当によかったです。

ゆったりとした雰囲気、木々の青さや、岩の苔など、今の季節の緑をこちらも堪能させていただきました!!

観音様ですが一里から四里のお名前ということは、道標としての役割を果たされているのでしょうか?皆様とてもお優しそうなお顔立ちで、ほっとします。

十文字峠ですか。先日、東京都と埼玉県の県境の小沢峠に行って以来、峠に少し興味を持つようになりました。集落と集落をつなぐ道、生活の道、大切な道なんだなあとその時思いました。テレビでの放映楽しみです。(おっちょこちょいなので録画予約忘れないようにしなくては!!)

次回の山行もお天気に恵まれて楽しいひとときになりますように!!
2015/6/9 13:17
苔むす深い森に期待以上のやすらぎを与えてもらいました。
reochi19様
 奥秩父の素晴らしさを十分に堪能しました。苔むす深い森を歩き、これまで知り得なかった自然の寛大さを感じることができました。2度目の十文字でしたが、やはりホッとできる、かけがえのない空間だと思います。
 多少の雨は覚悟していたのですが、終始爽やかな空気の中、ゆっくりと歩けたこと、本当に良かったと感謝しています。
 夏に向けて、様々な計画をお持ちでしょう。reochi19様もこれからも楽しい山行を。
2015/6/9 18:08
プロフィール画像
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