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Yamareco

記録ID: 689568
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

編笠山-権現岳 〜その余韻に〜 A11

2015年08月02日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
09:55
距離
14.0km
登り
1,374m
下り
1,773m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:44
休憩
1:00
合計
9:44
4:30
49
5:19
5:19
30
5:49
5:49
71
7:00
7:02
31
7:33
7:38
32
8:10
8:11
22
8:33
8:33
12
8:45
8:46
9
8:55
8:55
10
9:05
9:05
54
9:59
10:42
6
10:48
10:49
23
11:12
11:12
23
13:00
13:04
8
13:12
13:13
4
13:17
13:17
17
13:34
13:34
16
13:50
13:50
19
14:09
14:10
4
14:14
ゴール地点
観音平 4:25 - 雲海 5:15 - 押手川 5:50 - 7:00 編笠山 7:10 - 7:30 青年小屋 7:35 - 8:00 のろし場 8:10 - 8:50 権現小屋 9:00 - 権現岳 9:10 - 10:00 三ツ頭 10:40 - 前三ツ頭 11:10 - 天の河原 13:00 - 天女山 13:15 - 14:10 甲斐大泉駅
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
前夜 竹橋毎日新聞社前22:40 発(毎日あるぺん号八ヶ岳線、5,800円)
当日 観音平4:05着
   甲斐大泉駅14:35発(JR小海線)小淵沢駅15:00着、
   16:27発(快速ビューやまなし号グリーン車、1,670円)三鷹駅18:55着〜
※信濃川上付近で発生した土砂崩れの影響で小海線のダイヤが乱れ、接続待ちした
 中央線を含め発着時間は通常と大きく異なります。
※日頃、韮崎や塩山からの帰りにお世話になっているビューやまなし号の
 2階グリーン車。リクライニングシートでぐっすり眠れます。勿論あずさの
 指定席より断然廉価。
コース状況/
危険箇所等
観音平〜編笠山
 緩やかな登坂、山頂直前は急登。
編笠山〜青年小屋〜権現小屋
 青年小屋直前は岩場の下り。雨天時は滑りやすい。
 ギボシのトラバース路、鎖を頼りに足元確かに進めば高度感は和らぎ、
 立ち止まって深呼吸をする必要はありません。ただし、1か所、鎖を
 握りしめてしまう場所があります。
権現岳〜天女山
 権現岳を下り三ツ頭までの間に1か所鎖場があります。登りは何のことも
 ないでしょうが、下りでは取りつき点が見えず少し緊張します。
 三ツ頭から天女山への道は、変化なく単調、木陰も少なく暑く飽きます。 
観音平駐車場。仮設トイレが設置されていた。
1
観音平駐車場。仮設トイレが設置されていた。
空が白み始めた。もうヘッドライトは必要ない。尖峰目指して出発する。
2
空が白み始めた。もうヘッドライトは必要ない。尖峰目指して出発する。
広葉樹林帯から針葉樹のそれへ、僅かな間に変化してゆく。
2
広葉樹林帯から針葉樹のそれへ、僅かな間に変化してゆく。
岩の間を通り抜ける。
1
岩の間を通り抜ける。
雲海。45分で320m上昇、ゆっくりしたペース、疲れもない。
2
雲海。45分で320m上昇、ゆっくりしたペース、疲れもない。
木々の間の空が広がってきた。しばらく雲の心配もない。
2
木々の間の空が広がってきた。しばらく雲の心配もない。
押手川。2,000mを超える。
2
押手川。2,000mを超える。
テープを頼りに最適なルートを進む。
1
テープを頼りに最適なルートを進む。
岩がちになり、足場を選びながら登る。
1
岩がちになり、足場を選びながら登る。
大分急になってきた。山頂は近い。
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大分急になってきた。山頂は近い。
久しぶりの青空が視界を占めて、
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久しぶりの青空が視界を占めて、
編笠山に到達する。
2
編笠山に到達する。
阿弥陀岳、赤岳、権現岳。
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阿弥陀岳、赤岳、権現岳。
遠くに女神、蓼科山。
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遠くに女神、蓼科山。
雲海に霞む富士。
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雲海に霞む富士。
雲海に浮かぶ南アルプス。
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雲海に浮かぶ南アルプス。
中央アルプスと御嶽山。
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中央アルプスと御嶽山。
北アルプス。
阿弥陀岳、赤岳、ギボシ、権現岳。
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阿弥陀岳、赤岳、ギボシ、権現岳。
青年小屋が近づく。
2
青年小屋が近づく。
青年小屋正面。
編笠山方向を振り返る。
3
編笠山方向を振り返る。
のろし場。
噴煙の如き雲を湧き立たせる富士。
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噴煙の如き雲を湧き立たせる富士。
西ギボシの絶壁。
2
西ギボシの絶壁。
編笠山と南アルプス。
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編笠山と南アルプス。
西ギボシへの登り。
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西ギボシへの登り。
西ギボシへの鎖場。
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西ギボシへの鎖場。
東ギボシと権現岳を望む。
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東ギボシと権現岳を望む。
南アルプスの山々からも噴煙の如き積乱雲が生まれ始めた。
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南アルプスの山々からも噴煙の如き積乱雲が生まれ始めた。
東ギボシのトラバース路。こちらも絶壁ではない。
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東ギボシのトラバース路。こちらも絶壁ではない。
鎖場を越えると、旭岳を経て赤岳へと結ぶ稜線が見え始める。
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鎖場を越えると、旭岳を経て赤岳へと結ぶ稜線が見え始める。
権現小屋。右下に小屋番の姿。「おはようございます」声をかけてくれた。
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権現小屋。右下に小屋番の姿。「おはようございます」声をかけてくれた。
赤岳への縦走路を望む。
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赤岳への縦走路を望む。
権現岳が目前に。
2
権現岳が目前に。
奥秩父の山々とトンボ。
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奥秩父の山々とトンボ。
ギボシと権現小屋を振り返る。
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ギボシと権現小屋を振り返る。
権現岳。滞在はできない。
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権現岳。滞在はできない。
三ツ頭へ向かう。
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三ツ頭へ向かう。
三ツ頭から望む権現岳、阿弥陀岳、赤岳。
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三ツ頭から望む権現岳、阿弥陀岳、赤岳。
昼食。パンの選択を誤ったが、あまりの気持ち良さに気づけば40分経過。
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昼食。パンの選択を誤ったが、あまりの気持ち良さに気づけば40分経過。
八ヶ岳神社方向への道を分ける。
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八ヶ岳神社方向への道を分ける。
南アルプスの積乱雲も大分発達してきた。
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南アルプスの積乱雲も大分発達してきた。
前三ツ頭通過。
陽射しが強すぎる。もう3ヶ月早い季節であれば気持ちよさそうな尾根道。
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陽射しが強すぎる。もう3ヶ月早い季節であれば気持ちよさそうな尾根道。
樹林帯を歩きたい。
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樹林帯を歩きたい。
天の河原。標高1,620mなのにこの暑さ。皮肉に聞こえる名称。
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天の河原。標高1,620mなのにこの暑さ。皮肉に聞こえる名称。
天女山駐車場。冷たい飲み物への微かな期待は儚くも潰える。
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天女山駐車場。冷たい飲み物への微かな期待は儚くも潰える。
天女山のベンチ。ここにも日陰はない。
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天女山のベンチ。ここにも日陰はない。
1ヶ月前に前泊するはずだった天女山荘。
2
1ヶ月前に前泊するはずだった天女山荘。
夢にまで見た自販機。何もなかった天女山、あれから45分、長かった。
2
夢にまで見た自販機。何もなかった天女山、あれから45分、長かった。
甲斐大泉駅に着く。無人駅でなくて良かった。小海線はダイヤが乱れているので、早めに小淵沢まで行くよう勧められた。窓口の素敵な女性のお蔭で、列車の遅れに苛立つ者はいないだろう。
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甲斐大泉駅に着く。無人駅でなくて良かった。小海線はダイヤが乱れているので、早めに小淵沢まで行くよう勧められた。窓口の素敵な女性のお蔭で、列車の遅れに苛立つ者はいないだろう。

感想

 夜行バスは、夜明け前に標高1,560mまで運んでくれた。コースタイム9時間40分、尖峰を目指し出発する。黎明の曖昧さは、差し込む朝陽と植生の変化により、次第に薄れゆく。緩やかに、されど確実に高度を稼ぐ。静かな始まり。
 雲海、押手川、2,000mを超え、木の根が洗い出された斜面から岩がちな地形へ。先ほどまでのやさしい傾きとはうって変わった急登が現れると、ほどなくして編笠山に到達する。その視界のほとんどを青空に占められ、言葉を失う。見渡す限りの名だたる山々。赤石山脈、木曽山脈、飛騨山脈、そして独立峰たち。雲海の上に浮かぶ彼らに魅せられながらも、辛うじて感謝の気持ちを表し、北東に聳える岩峰に向かう。
 大岩の床を越えて青年小屋に着き、編笠山を振り返る。素晴らしい眺望を叶えてくれた貴方にも感謝しなくてはならない。水分を十分に補給してから、逸る心を抑えてゆっくりと歩き始める。この青空に見守られながら快い山歩きを続けよう。
 のろし台。西ギボシの岩壁を望みながらグローブを着け、ストックを仕舞う。いよいよ楽しみにしてきたギボシの鎖場が迫る。心地よい風が吹き渡る稜線からは、空も雲も山々も、何もかもが鮮やかさを増して映った。
 そして始まる。先ずは斜度のある岩場を上がり、鎖が現れる。西側を登りきるとやがて東のトラバース。事前にWEB上の写真やコメントでイメージしてきた場所、慎重に足元を確かめて行けば時間を意識せずに通過できる。1か所、幅狭く、高度を感じる場所が有り、赤岳の見える稜線に至るまでは緊張感を維持する必要があった。
 夢中で進んだせいか、いつになくのどが渇いていた。権現小屋で態勢を整えてから山頂に向かう。赤岳への縦走路がはっきりと、招いているように映る。暫く八ヶ岳の盟主を、今まで見えなかった奥秩父の山々を、そして幾つもの積乱雲を発達させた南アルプスをこの目に焼き付け、間近の頂へ一歩を踏み出した。
 10数名の団体が去るまで手前の岩で待機し、写真を2枚撮るだけの時間で狭い山頂をあとにした。三ツ頭への下りには1か所鎖場がある。団体の通過待ちの後、ようやく下り始めると登りのパーティーが待っていた。慌てた。最も危険な場面だった。そして今回の山行で最も反省すべき時間だった。
 気持ちの切り替えができぬまま三ツ頭への登り返し、とても厳しかった。何度も立ち止まりながら10時ちょうどに山頂に着く。歩き始めて5時間半、ようやく腰を下ろした。陽の光が容赦なく降りそそぐ中、湯を沸かす。パンの選択は誤ったが、コーヒーは上出来で、ここまで辿り着けた安堵を感じていた。幸い、西の積乱雲は近づかない。ゆっくりと下山すればよい。
 しかし、天女山は遠く、続く道は予想以上に険しかった。標高2,500mから1,500mまで、樹林帯の中を快い速度で下り、天女山で一息つき、甲斐大泉の温泉で汗を流す、はずだった。単調で退屈な行為は、最も疲労を覚える。緩急もなく、木陰の少ない道を、ひたすら歩む。季節が異なればまだ耐えられるのだろうが、この異常なほどの暑さの中、無心で歩を進める。先月、逆ルートの計画を悪天候により中止したこと、それを唯一の支えに、休むことなく歩き続ける。
 天女山、隣の美し森山と異なり、何もない。一息つくどころか一瞬たりとも立ち止まりたくはない。あまりの渇きに、数時間前の鮮明な記憶たちが薄れてゆく。山中で淡い期待を抱いていたその場所からおよそ45分、ようやく自販機が目に入った。500mlの清涼飲料水を一気に流し込み、駅を目指す。
 甲斐大泉駅の窓口で、えきねっと発券が可能か尋ねると、信濃川上付近の土砂崩れでダイヤが乱れ、次に来る列車で小淵沢に行った方がよいと勧められた。温泉、コカコーラ(またはコーヒー牛乳)、まったりとした時間、それらが目前で音を立てて崩れた。慌ただしく着替え、25分後には車中の人となった。小淵沢までの間に、あずさをキャンセル、快速列車に変更した。
 ビューやまなし号2階グリーン席は、予想どおり空いていた。隣席のいない、静かな車内で、コーラを飲みながら意地になってまったりとした時間を過ごした。先月、北で感じた碧き香り、今日の岩の感触、そして間近に迫った南へのたゆたう望み。シートに身を委ねながら、想いは、いつしか深い眠りの中にあった。

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コメント

対等な高さの富士山
kimichin様
まずは、おつかれさまでした。

電車のトラブルを最小限に回避できて本当によかったです。
えきねっとは本当に便利ですよね。
私が今使っている携帯電話がガラ携帯なのですが、9月13日でガラ携帯対応のえきねっとがなくなってしまうので、ぼちぼちスマホに買い替えなくてはならなくなりました。ユーザーが少ないのでしょうか、ちょっと残念です。
とにかく、山に登っている時でも、1ヶ月先の電車の予約ができるので重宝しています。

雲海と富士山ですが、見上げるではなくて、ほぼ対等な位置に見えるのですね。
雲の間から山頂がちょっと見えているところがいいです!!

それから奥秩父の山々とトンボのお写真、トンボは小さいのに、山々を悠然と見下ろしているように見えますね。
前回も書きましたが、空の青色が違います。なんともいえない青さです。

8月2日は本当に暑かったです。kimichin様が自販機にダッシュされたことは充分うなずけました。

熱中症には充分お気をつけください。
2015/8/5 13:22
偶然被写体となったトンボにも感謝しています。
reochi19様
ありがとうございます。前半の、眺望と岩場歩きの心地よさが、後半の、炎天下単調歩きで
打ち消されるところでした。ある程度の覚悟をかなり上回る試練でした。歳月の重みも感じ
ました。
北アルプス、八ヶ岳、いよいよ来週は南の南へ向かいます。学生時代、北のストイックで
清楚なイメージに比べ、南は泥臭い男の世界を感じ、好きになれませんでした。昨年から
今年にかけて何度か南アルプスと周辺を歩き、大分イメージが変わりました。加齢の重み
を感じます。
気をつけて行ってきます。reochi19様も暑さに負けない、楽しい山行を。
2015/8/5 20:19
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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