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Yamareco

記録ID: 749845
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

金精峠-奥白根山-湯元 〜霜降、心凪ぐとき〜 B29

2015年10月24日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
08:47
距離
11.5km
登り
1,197m
下り
1,561m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:32
休憩
1:16
合計
8:48
5:23
28
スタート地点
5:51
5:52
43
6:35
6:37
17
6:54
6:54
24
7:18
7:21
25
7:46
7:48
12
8:00
8:00
8
8:08
8:12
68
9:20
9:21
9
9:30
10:00
36
ショートカット合流点(昼食)
10:36
10:41
17
10:58
10:59
16
11:15
11:17
29
11:46
11:47
20
12:07
12:10
65
13:15
13:16
24
13:40
14:00
10
休暇村(温泉入浴)
14:10
14:10
1
14:11
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2015年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
前夜 都庁大型バス駐車場23:15発 (毎日あるぺん号日光線、6,800円)
当日 金精峠入口5:15着
   湯元温泉14:30発(東武バス、1,700円、いろは坂渋滞)日光駅16:25着、東武日光駅17:02発(臨時特急日光64号、4,000円、えきねっとで予約)新宿駅19:09着
コース状況/
危険箇所等
金精峠入口〜金精山
 崩壊地、梯子、ロープなど盛り沢山。ナメてると落ちる。
金精山〜前白根山
 下り、目印あるが踏み跡多く迷いやすい。尾根道を外さない。多少のアップダウンは避けられないが、眺望よく、気持ちのよい稜線歩き。
前白根山〜奥白根山
 こちらのコース、岩場少なく歩きやすい。南面ゆえこの季節でも汗ばむ。
前白根山〜湯元温泉
 滑り止めのガラ敷き、倒木だらけの急坂。荒れた道は疲れた体に堪える。
その他周辺情報 休暇村日光湯元 日帰り温泉900円(12時〜15時)、露天風呂もあり綺麗、タオルの貸出、寛げるスペースも有る。
湯元温泉には外15か所以上の日帰り温泉がある。
金精峠入口(トンネル栃木側)を出発。
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金精峠入口(トンネル栃木側)を出発。
いきなり崩壊地を渡る。
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いきなり崩壊地を渡る。
目覚めたばかりの金精峠に着く。
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目覚めたばかりの金精峠に着く。
金精峠から夜明け前の男体山を望む。
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金精峠から夜明け前の男体山を望む。
男体山と中禅寺湖が美しい。
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男体山と中禅寺湖が美しい。
女峰山(違います!)もとい大真名子山から日が昇る。
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女峰山(違います!)もとい大真名子山から日が昇る。
思いがけずご来光を得られた。
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思いがけずご来光を得られた。
気難しい標識。
瞬く間に日光連山のシルエットが浮かび上がる。
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瞬く間に日光連山のシルエットが浮かび上がる。
金精山。意外に登り甲斐のある山だった。
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金精山。意外に登り甲斐のある山だった。
金精峠、湯泉ヶ岳を振り返る。
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金精峠、湯泉ヶ岳を振り返る。
趣のある道を進む。
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趣のある道を進む。
五色山到達。いよいよ間近に彼が現れる。
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五色山到達。いよいよ間近に彼が現れる。
五色沼の向こうに白根山の雄姿。
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五色沼の向こうに白根山の雄姿。
一旦、右手避難小屋へ下ってから登り返す。
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一旦、右手避難小屋へ下ってから登り返す。
圧倒的な存在感。
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圧倒的な存在感。
前白根山。広い山頂からは360度の大展望。
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前白根山。広い山頂からは360度の大展望。
五色沼避難小屋。
3
五色沼避難小屋。
分岐から望む。社を経由して向かい、帰りは右手のショートカットで帰る。
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分岐から望む。社を経由して向かい、帰りは右手のショートカットで帰る。
白根山、素敵な山だった。
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白根山、素敵な山だった。
中禅寺湖と日光連山を見晴らす。
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中禅寺湖と日光連山を見晴らす。
五色沼。右手の山々をつないできた。
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五色沼。右手の山々をつないできた。
コーヒータイム。シェ・リュイのパンはいつもながら美味しい。
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コーヒータイム。シェ・リュイのパンはいつもながら美味しい。
霜降の日、午前10時、下山のとき。
3
霜降の日、午前10時、下山のとき。
再び前白根山へ。
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再び前白根山へ。
名残惜しいが、いろは坂渋滞が気になるのです。奥白根山、また会いましょう。
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名残惜しいが、いろは坂渋滞が気になるのです。奥白根山、また会いましょう。
晩秋へと向かう穏やかなときに感謝。
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晩秋へと向かう穏やかなときに感謝。
天狗平。この辺りから予想以上に疲労していることに気づく。
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天狗平。この辺りから予想以上に疲労していることに気づく。
心中察してか、見上げればいつしか曇り空。
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心中察してか、見上げればいつしか曇り空。
いつもなら楽しめる急坂なのに。
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いつもなら楽しめる急坂なのに。
ゲレンデを経て湯元温泉へ下る。このあたりほとんど意識薄れていたため、いつの間にか温泉へと導かれる。
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ゲレンデを経て湯元温泉へ下る。このあたりほとんど意識薄れていたため、いつの間にか温泉へと導かれる。
湯上がりの心地よさを感じながら、渋滞遅れ必至のバスに乗り込む。
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湯上がりの心地よさを感じながら、渋滞遅れ必至のバスに乗り込む。
日光から直通で新宿へ。スペーシアの快適な旅が始まる。
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日光から直通で新宿へ。スペーシアの快適な旅が始まる。
このゆとり、この静けさ、かけがえのない時間。
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このゆとり、この静けさ、かけがえのない時間。

感想

霜降、心凪ぐとき

 日光、そこは特別な場所だった。バブルの喧騒が収まっても尚、昂る心を静めるために訪れた。湖の畔に立ち、木立に注ぐ光を感じ、静謐な世界へといざなう径を歩く。すでに登山を諦めていた頃でもあった。山々の姿は、大らかな草原の形作る風景の一部にすぎなかった。ゆっくりと心の変化を確かめながら街へのドアを開ける。急速に回復してゆくものを感じながら車を走らせていた。

 最も好きな季節、晩秋を前にして選んだ山は奥白根山。コースの選択に十分迷った結果、1週間前に今期最後の夜行登山バスを予約した。金曜夜発のため、土曜の仕事を日曜に回した。相変わらず狭い車内には予想に反して満員の乗客、眠れない環境が整っている。都庁を15分遅れで出発したバスは、15分遅れて金精峠入口に着いた。
 夜明け前の金精峠入口を出発、まずは峠を目指す。ヘッドランプが不要となった頃、峠に着いた。振り返ると大真名子山から今にも朝陽が昇ろうとしていた。思いがけなく出会った美しさにしばし見とれる。山行記録によると、今日最初のピークへは幾つかの梯子やロープの助けが必要とあった。登り甲斐のある道を進み、やがて金精山に到達する頃には風速15メートル程度の強風に晒されていた。予定どおり無休息の通過をしたのち、踏み跡多い樹林帯に入る。時折ルートを外しながら鞍部を通過、徐々に高度を上げて行った。
 その決して美しいとは言えない山容は、五色沼の清らかさと対比されるかのように眼前に現れる。五色山から前白根山に至る稜線から望むうちに、次第に堂々としたその姿に圧倒され始めていた。広々とした頂を持ち、360度の眺望が得られる静かな山、前白根山には長く滞在したかったが、美しい青空を望める間に奥白根山に向かうことにする。
 稜線を離れ避難小屋まで下り、五色沼からの道を合わせ、最後の登りにかかる。緩やかな斜面はいつしか岩場の連続する急坂に変わり、傾斜角を増すに連れ青空の占める割合は確実に減少してゆく。やがて立ちどまり見上げることに飽きた頃、眼前の空は瞬く間に大きさを取り戻した。目的地を右手に確認したのち、神社経由で近づく道を進む。
 百名山の山頂は、例のごとく賑わっていた。午前9時18分、様々な光景に出会ったが、時間はそれほど経過していなかった。それなりの達成感を得て、僅かな滞在であとにする。復路は地図にない道を選んだ。ショートカット・ルートの方が岩場を通らず明らかに歩きやすい。
 稜線の道へ復帰した地点で、初めて腰を下ろす。気分が良かった。遠く上州の山々を望みながらコーヒーを淹れ、美味しいパンを食す。風は止み、穏やかな光が降り注いでいた。自然に感謝し、心凪ぐときを感じていた。
 そろそろ前白根に戻り、湯元までの長い下りに備えなければならない。避難小屋までゆっくりと下り始めた。前白根への登り返し、予想どおり厳しい。再び山頂に立つ。山頂には3名の登山者しか見当たらず、奥白根山の喧騒を十分に忘れさせてくれた。天狗平を通過する頃、いつもとは異なる嫌な疲労感を覚えていた。体のコントロールができず何度もよろける。滑り止めのガラ、倒木の連続、岩の急坂、楽しめるはずの下りが、ただ転倒に気を遣うだけの退屈な行為と化していた。次々と道を譲りながら、のどを潤すことと渋滞への不安とが交互に脳裏を過った。
 やがて湯元のスキー場が目に入り、季節外れの強い陽射しの下、無意識に歩を進める。そして無意識に汗を流し着替えられる場所を探し求めていた。束の間の、僅か15分の時間を惜しみながらバスターミナルへと急ぐ。事前に聞いていたバス会社の言葉どおり、いろは坂渋滞によりダイヤは当然のごとく乱れていた。湯あがりの爽やかさが無ければ車中の時間はとても長く感じられたことだろう。身動きのままならない混雑による遅れにも、全く反応せず増発しないバス会社に疑問を覚えた。それでも日光駅への時間は通常の2倍ほどで済み、発券後、予約していた特急列車に乗車するため東武日光駅まで戻る。
 これほど快適に過ごせる時間になるとは予想もしていなかった。これほど下山後の時間が愛おしく感じられるとは思いもよらなかった。シートに身を預け、日常とは全く異なる時間を過ごした余韻に浸りながら、今も変わらず特別だった場所に感謝した。

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コメント

引き立て役の雲
kimichin様
こんにちは。
おつかれさまでした。

今回お写真を拝見して、まず思ったことは、雲があることによって、朝日の光も、稜線も空の青さも引き立つのだなあということでした。雲の形が時間毎に様々に変化する様子も、お山としっくりなじんでいて、なんとなくいい感じだなあとのんびりした気持ちになりました。

お山でいただく、お気に入りにパンって通常の10倍以上おいしいと思います。
私も、家の近くのパン屋さんのマドレーヌを、山頂で水筒の紅茶と一緒にいただくことが、お山の楽しみのひとつです。

木枯らし1号も吹いて、季節はだんだん冬に向かっています。
kimichinさんのレコを拝見していると、春夏秋冬のそれぞれの楽しみ方を満喫されていらっしゃいます。とっても素敵です。

次回もお天気に恵まれて楽しい山行になりますように。
2015/10/27 13:28
雪だより、待ち遠しいですね。
reochi19様
 さすが目のつけどころを心得ていらっしゃいますね。前回から雲を意識して撮るようにしています。この季節、青空と、刻々と姿を変える雲の対比が、心を豊かにしてくれるような気がします。引き立て役ではなくむしろ主役なのです。
 コーヒーを飲みながらボーッと空を眺めていました。何も考えず、なににも関わらない時間を大切にしていました。きっとreochi19様にもそんな時間の必要なときがありますよね。
 心癒される山歩きを楽しまれますよう、雪だよりが届く頃を楽しみに。
2015/10/28 0:12
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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