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記録ID: 768873
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ハイキング
富士・御坂

杓子山-鹿留山 〜幽・絃・閑 後編〜 B31

2015年11月23日(月) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:00
距離
12.2km
登り
876m
下り
869m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:03
休憩
1:00
合計
6:03
7:32
27
忍野村役場前バス停
7:59
7:59
15
8:14
8:15
33
8:48
8:51
37
9:28
9:29
34
10:03
10:17
32
10:49
10:49
7
10:56
11:33
10
11:43
11:43
50
12:33
12:37
58
13:35
内野バス停
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2015年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
前泊 河口湖駅前(前編から続く)
往路 河口湖駅7:00発(富士急バス御殿場駅行き、240円)富士山駅7:08着、7:10発(富士急バス内野行き、460円)村役場BS7:30着
復路 内野BS13:59発(富士急バス河口湖駅行き、510円)河口湖駅14:20着、14:40発(中央高速バス、1750円)新宿高速バスターミナル17:30着(定刻は16:25)
東京発だとどうしても乗れない、河口湖駅7時発のバスに乗り、富士山駅で内野行きに乗り換える。
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東京発だとどうしても乗れない、河口湖駅7時発のバスに乗り、富士山駅で内野行きに乗り換える。
村役場前バス停下車。ほぼ絶望的な空を見上げ、出発する。
村役場前バス停下車。ほぼ絶望的な空を見上げ、出発する。
やはり昨日同様、望みは叶えられそうもない。引き返す勇気がないので前進する。
2
やはり昨日同様、望みは叶えられそうもない。引き返す勇気がないので前進する。
鳥居地峠。途中、またも2万5千分の1に惑わされたが、何とかたどり着いた。
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鳥居地峠。途中、またも2万5千分の1に惑わされたが、何とかたどり着いた。
林道を行く。挨拶した地元の方に「降られなきゃいいけどな」。降られてもいいから麗しき姿を見たい。
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林道を行く。挨拶した地元の方に「降られなきゃいいけどな」。降られてもいいから麗しき姿を見たい。
杓子山登山口に着き、登山道へ。
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杓子山登山口に着き、登山道へ。
今日もこの情景が続くのだろう。
2
今日もこの情景が続くのだろう。
脆い黒土、雨道が出来、すべりやすく歩き難い。
3
脆い黒土、雨道が出来、すべりやすく歩き難い。
前進あるのみ、決して振り返らず。
1
前進あるのみ、決して振り返らず。
富士は何処に。
高座山通過。
時折現れる急坂や岩場がせめてもの、、
2
時折現れる急坂や岩場がせめてもの、、
明見からの道を合わせる。
2
明見からの道を合わせる。
うっすらと道志山塊西端の山々。今日はとてもあそこまで行く気が起きない。
2
うっすらと道志山塊西端の山々。今日はとてもあそこまで行く気が起きない。
このモノレール、林業用ではなさそうだ。
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このモノレール、林業用ではなさそうだ。
忍野の里、山中湖へ向けて飛び立つ。想像しただけでわくわくする。
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忍野の里、山中湖へ向けて飛び立つ。想像しただけでわくわくする。
誰もいない。大権首峠からここまでの間にすれ違った二人が、結局唯一出会った人たちだった。
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誰もいない。大権首峠からここまでの間にすれ違った二人が、結局唯一出会った人たちだった。
鐘の音、空しく響く。
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鐘の音、空しく響く。
忍野村は姿を現してくれた。
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忍野村は姿を現してくれた。
鹿留山。静かで広々とした山頂だった。
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鹿留山。静かで広々とした山頂だった。
こ、これは。円谷プロの、、
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こ、これは。円谷プロの、、
今にも動き出しそうなブナの大木を眺めているうちに、気分が晴れたきた。楽しくなってきた。
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今にも動き出しそうなブナの大木を眺めているうちに、気分が晴れたきた。楽しくなってきた。
もしかしたら、かの姿を眺めるよりも飽きなく、穏やかな時を過ごしているのかもしれない。
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もしかしたら、かの姿を眺めるよりも飽きなく、穏やかな時を過ごしているのかもしれない。
静寂。風も心も凪ぎ、バーナーの音だけが響く。
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静寂。風も心も凪ぎ、バーナーの音だけが響く。
来るべきところに来られたことに感謝。
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来るべきところに来られたことに感謝。
ここより南下、急降下始まる。
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ここより南下、急降下始まる。
振り返ると結構な急坂。
2
振り返ると結構な急坂。
原始の森から植林帯へ。
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原始の森から植林帯へ。
立ノ塚峠。今日はここまで。内野へ下る。
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立ノ塚峠。今日はここまで。内野へ下る。
登山道終わり、舗装路を進む。
登山道終わり、舗装路を進む。
やはり大きな存在。
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やはり大きな存在。
にぎやかなバス停。
にぎやかなバス停。

感想

 それは幽玄。古より佇むブナの大木、静寂に支配される無彩色の世界。鹿留山の頂は、眺望こそないが、落ち着き豊かな時間を与えてくれた。バーナーに火を点し、その閑静を破ることが罪のように思えた。

 河口湖連泊により、御殿場行き始発バスに乗車し、富士山駅で内野行き始発バスに乗り換えることができた。けれども歩き始めは7時半、すでに山頂付近は厚い雲に覆われているようだった。これほど見渡すにちょうどよい距離に居るのに、麓からもその姿は望めなかった。
 犬の散歩に従う人、数人とすれ違ううちに峠に着く。そこから数分でようやく登山道に入れた。富士山周辺の柔らかい土に、雨道が深く刻まれている。雨後でもないのに滑りやすい。慎重に歩を進めると、ハンググライダー離陸場が現れる。忍野の里、山中湖、そして富士に向けて飛び立つ。たとえ今日の天気でも、想像できないほど気持ちよさそうだ。
 今日唯一出会うこととなった二人組パーティーとすれ違い、直下の急登を経て、誰もいない杓子山へ到達する。天空の鐘を鳴らしてみる。その響き、あまりの大きさに手を添えた。現れるはずもない姿を虚しく待ちながら、早めの食事。風が出てきた。だが吹き払い、願いを叶えるものでないことは確かだった。未練を振り払い、鹿留山を目指す。

 それは思いがけず、かけがえのない時間となった。コーヒーを味わい、ブナの大木に礼を捧げ、山頂をあとにした。子の神分岐からは岩場、急降下が続く。やがて勾配が緩やかになったのちしばらくして立ノ塚峠に着く。二十曲峠への、明るく広々とした道に誘われそうになったが、今日は鹿留山で過ごした時間だけで十分だった。内野へゆっくりと下ってゆく。
 真新しい舗装路に出た。宅地開発でもするのであろうか。道端に重機が出番を待っていた。さらに緩やかになった下り坂を経て、市街地に入った。眼前の雲の中から大きな存在が垣間見えた。見えそうで見えないもどかしさを感じながら、歩き続ける。1本早いバスに乗れる時間だった。ストックを仕舞い、頼り甲斐のあるセーターを羽織って待つ。高速バスの予約は増便のお蔭で難なく完了した。
 時間どおりに来たバスに乗り、再び、いや三度、河口湖駅へ。もう一度あのカレーを食べたかったが、新宿で夕食を取れるよう運んでくれるバスに乗り換えた。いつもながらの中央道渋滞。いつものように私の乗るバスは空いている。本を開いて数分ののち瞼を閉じていた。幽玄、絃の響き、そして澄み渡る閑さ、味わい深い山行だった。

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コメント

最後にまた見えました!!
kimichin様
こんにちは。

ブナの巨木は本当に動き出しそうです!!

木々は、風や雨や積雪などで思いもかけない形になってしまったりするそうですが、お山を歩いていて、ぐるっとまいていたり、変形していたりする木に出会うと、確かに、元気がもらえます。もしかしたら、何百年も頑張っているんだろうなあと思ったら、自分なんぞは、もうちっぽけな存在で、大きな気持ちになれます。

最後に富士山また見えました!!
私もうれしくなりました!!

急に寒くなりました。
お身体にはくれぐれもお気をつけください。
2015/11/27 13:26
地味だけど、素敵な山行でした。
reochi19様
 そうですね。元気をもらえるのは、富士山だけではありませんね。海の底のような(行ったことありませんが)閑さと、ブナの大木に囲まれ、当分頑張れる力を得ました。感謝しています。
2015/11/27 22:57
プロフィール画像
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