火打山-妙高山-赤倉温泉 〜高嶺の花〜 A19
- GPS
- 26:23
- 距離
- 20.1km
- 登り
- 1,864m
- 下り
- 1,957m
コースタイム
- 山行
- 5:54
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 6:40
天候 | 第1日:雨のち曇り 第2日:晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
第1日 長野駅着4:50、発5:14(しなの鉄道、830円)豊野駅着5:27、発5:31、妙高高原駅着6:00、発7:20(頸南バス、笹ヶ峰直行バス、1,000円)笹ヶ峰着8:05 第2日 山頂駅発(スカイケーブル、1,300円)山麓駅着(赤倉温泉立寄り入浴、昼食)(タクシー、1,960円)妙高高原駅着13:50、発14:06(しなの鉄道、830円)長野駅着14:49、発17:00(高速バス3列、4,400円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
百名山ゆえに良くも悪くもほぼ完全に整備されている。妙高山南面の鎖場では、ツアー客のいる場合には渋滞し、行程の遅れが生じるかもしれない。 コース中、ご来光ポイントは山頂を除き、高谷池から茶臼山に登る途中に在る。およそ20分。 |
その他周辺情報 | ・立寄り温泉「セントラルホテル」9:00から入れる。500円。冷たい麦茶と少し熱めの湯に迎えられて十分に癒される。スカイケーブル駅から徒歩約10分。電話0255-87-3311。 ※「立ち寄り温泉入浴マップ」はスカイケーブル駅で入手できる。 ・食堂「こやま」懐かしいスキー場ロッジのメニューが並ぶ。「セントラルホテル」から徒歩1分。電話0255-87-2792。 ・「高谷池ヒュッテ」一人一つの布団が確保され、ゆっくりと休める。寛げる談話室、用具の充実した自炊室、清潔なトイレ。素泊まり4,600円。 |
写真
感想
何も連休に混んでいる山小屋を選ぶ必要はない。北アルプスの某山小屋に事前(5月中旬)に問い合わせると、すでに個室は埋まり、4畳に8人もやむを得ないかもしれません、などと恐ろしいことを言われ、ゆっくりと滞在できる山小屋を探した。そして、妙高の二つの山小屋は完全予約制、一人一つの布団が確保され、詰め込まれないことを知った。山小屋を決めてからコースを選んだ。
果たして十分素敵な時間を過ごせた。前線と低気圧により天候にはあまり恵まれなかったが、それでも一時、妙高山は北アルプスを望ませてくれた。往復共快適なバスによる移動、小屋での十分な休息、入山者の少なさ、貸切の温泉、期待を大きく上回る、上出来の山旅だった。
バスタ新宿には、23時を過ぎても夥しい数の人がいた。乗車予定の高速バスもほぼ満員だったが、3列独立、ほぼ4時間半は眠れた、ような気がする。4時55分、定刻より早く長野駅に着いた。飯山線、しなの鉄道を乗り継ぎ妙高高原へ。昨日から運行の始まった笹ヶ峰直行バスに乗車する。乗客はおよそ10名、静かな時間はここまでだろう、いずれ人だらけの百名山の洗礼を受ける。
雨脚は予想外に強く、笹ヶ峰バス停の待合所から出発するのが躊躇われた。その意志を試すかのように、雨粒が容赦なくフードに叩き付けられる。登山口の門をくぐり、泥濘の道へ。瞬く間にスパッツは茶褐色に彩られ、足場選びに細心の注意を払う。徐々に勾配は増し、十二曲りの急登にかかる頃には、むしろマイペースで歩かせてくれる雨に感謝していた。今回の山行では、幸い団体による渋滞にも遭遇せず、天候のせいか独り静かに歩く時間も多かった。
富士の全く見えそうもない富士見平には、ほぼ予定どおりの時間に着いた。黒沢池と高谷池との分岐を左手に進む。雨は上がりつつあった。撮影やメモを取る時間が少ないため、小屋には午前中に到着、ただちに受付をお願いした。説明を受けたのちに迷った挙句、休憩もデポもせず火打山に向かった。
霧は濃く、木道を早足で歩く。その木道にクマの糞が在った。立ち止まることなくカンカン響かせながらさらに早足で歩く。いったい今年はどれほど脅かされれば済むのだろう。天狗はその庭を隠し、厚い雲は向かうべき火打山を覆っていた。デポしなかったことを後悔し始めた頃、ライチョウ平に着いた。今度は迷うことなくザックをデポし、思っていたよりもはるかに軽くなった体を感じてダケカンバの斜面を登った。
火打山山頂に到達する直前、雲海の上に青空が広がった。何故か一歩遅かったことをそれほど残念に思わなかった。もう何も見えない山頂に慣れたからかもしれない。腰を下ろさず、何も口にせず山頂を後にした。水も食料もライチョウ平に置いてきたことに、大いに驚き、少しだけ反省していた。
ライチョウ平でようやく休憩をし、持参したぬるめのコーラを半分飲んだ。再び下り始めてから間もなく前方の見通しが効くようになった。天狗の庭を見下ろし、名称の由来を理解した。やがて木道の続く平坦路まで戻り、高谷池と畔に佇むヒュッテの姿にしばらく見とれていた。
ヒュッテに戻ってからコーヒーを淹れた。私にとっての就寝時間が迫っていた。1杯に止め、夕食の準備にかかる。用具の整った自炊室でスープパスタを作り、ゆったりとした時間を過ごした。およそ欠点の見出せない優れた小屋に違いなかった。
期待どおり穏やかな眠りを経て、4時直前に目覚めた。付近でご来光を得る場所は無い、勝手に思い込んでいた。ゆっくりと身支度を整え、小屋を後にした。けれども茶臼山に到達する直前、小屋からは15分程度の地点にて、日の出間もない美しい光景を目の当たりにした。雲海が輝き、遠く上越の山々が浮かぶ。諦めたことを大いに後悔した。
黒沢池を眼下にし、妙高山の頭を望めば、心も晴れやかであることを実感する。外輪山の大蔵乗越を経て鞍部の長助池分岐へ。途中、雨後のせいか水量豊富な水場を通過する。これからの登りに備えるのに十分なスポットだった。妙高山北面の道は予想以上に急登が続く。岩がちで涼しいことが救いだが、直下の標高差150メートルは厳しく山頂の幻に何度も惑わされた。
北峰は休憩場所を探す必要がないほど広かったが、少しでも進んでから休もうと南峰に向かった。ここでも人の少なさに助けられ、岩陰でのんびり休むことができた。雲海に浮かぶ北アルプスを望み、至福のひとときを過ごす。コーヒーの代わりに今日もぬるい清涼飲料水。何も気にならないほど気分が良かった。両山とも素敵な山だった。やはり日本百名山には惹きつけられる山が多い。
山頂を後にして、急降下してゆく。鎖場、団体が下りた後らしく、時間どおりに通過できた。天狗堂から降り出した雨は徐々に強さを増したが、レインハットのみで強引に進んだ。記憶に新しい経験を活かし、車道に出てからも熊鈴を鳴らし続ける。大谷ヒュッテからケーブル山頂駅までの40分は長かった。終盤、ゲレンデを下る頃には、ひたすら下山後の二つのイベントばかり考えていた。
山頂駅に着いてからエアコンプレッサーによる泥弾きの気持ち良さを体感する。概ね落としてからゴンドラに乗った。例によって何も見えない。街に備え、身繕いに勤しむ。下りてから立寄り温泉には時間の早いことに気づいた。観光案内所の女性がマップで近くの宿を教えてくれたが、どこも掃除中か日帰りやってませんの応え。少し遠かったが9時からやっているホテルを目指すことにした。
懐かしい赤倉温泉の地図看板前を通過して、この期に及んで現れた上り坂を、気力のみで上がってゆく。右手にソフトクリームの看板が見える。これで二つのイベントの完遂を確信した。静かな老舗ホテル。歓待してくれた。貸切状態の湯船に身を沈める。何事もなく下山し、あまりにも充実した時間を過ごせたことに心から感謝した。
kimichin2さん、こんばんは。
惜しい! 私が火打山登山を1日遅らせていたら山中でお目にかかっていましたね?
もっとも3連休中17日は天気が最悪 のようだったので、この日に日帰り登山をしていたら”踏んだり蹴ったり”でした・・・
妙高山では晴れて 北アルプスの展望が得られ、下山後の温泉 も堪能されたようで何よりでした!
私は下山後は胃の調子が悪くソフトクリームはお預けでしたが・・・
火打山も妙高山もさすが百名山、魅力がありますね?
toshishun様
メッセージをありがとうございます。
久しぶりに本格的な雨に降られてしまいましたが、
行程1/3程度が晴れて満足しています。
百名山の登山は楽しいですね。良い山が多く登り応えも有ります。
渋滞さえなければもっと行きたいのですが。
今夏はもう1山、百名山に登る予定です。
toshishun様にとって素晴らしい山行が続きますように。
kimichin2 さん こんばんは
いいですね・・火打、妙高。
前々から行きたい山稜のひとつなんですが
何故だか行けてませんね。
秋の頃もいいんでしょうけど、登山者も多そう。
高谷池・・天狗の庭・・妙高山からの眺望と雲海・・
写真に引き込まれてしまいそうです。
ありがとうございます。
TODAY様
予想以上に素晴らしい山々でした。小粋な小屋も、多彩な道も、そして豊富な温泉も、
この山域には魅力的なものが沢山有ります。訪れるのは、真夏は避けて今頃か晩秋が
良いように思われます。
コメントをありがとうございます。
良い季節に素敵な山行でありますよう。
kimichin2様
こんにちは。
3連休お天気が安定しない中、最初の泥濘歩きで大変な思いをされた分、高度を上げるにつれ、青空も顔を出し、御来光も見られて本当によかったです!!
お山と青空と雲と太陽の光が作り出す世界観は、まさに一期一会ですね。
雲の間から見える太陽、濃い青色の空と山容がなんともいえません!!
月山の姥ケ岳駐車場で、雲海を初めて見た時は、息をのんだ記憶があります。
そして、天狗のお庭。雲と天狗様存在は、個人的には切っても切り離せないような気がします。ガスっているとかえって天狗様がいらっしゃる感じがします。
雲は色々なものをつないでくれる役割を担っているのかなあと思います。
下山後のソフトクリームいいですね。
この季節は特に下山後にアイスがたべたくなります。
最近、私は、セブンイレブンの「ティラミス氷」を探しています。
(5月に数量限定販売された商品で、知ったのが7月に入ってからなのでもうだめかなあとあきらめています。)自分の生活圏のセブンイレブンでは完売してしまったので、下山後、奇跡を求めて、セブンイレブンを見かけると入って探しています。
次回も静かなお山歩きになりますように!!
reochi19様
こんにちは。
梅雨時なので多くを期待してはならないし、大荒れにならないだけマシなのですが、
それでも期待はしてしまいます。なので青空が顔を出すと何より嬉しい。今回は時間
にして1/4程度の晴天でしたが、十分満足しています。
天狗が隠れているとは思いもよりませんでした。不在なので、隠しているのかなあ
と思っていました。晴れてから俯瞰すると、「こ、これは」を見つけられたのですが、
わかり難いのでやめました。
温泉とソフトクリームのセットは、このところ欠かせないのですが、「ぐっすり
眠れる」(今回は3列シートと山小屋)というキーワードをできるだけプラスできる
よう、今後も企てたいと思っています。
足元気をつけて、楽しい山旅を。
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