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Yamareco

記録ID: 4651534
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

扇沢〜針の木谷〜読売新道〜雲の平〜赤木沢〜黒部五郎〜双六〜新穂高♨

2022年07月29日(金) 〜 2022年08月03日(水)
 - 拍手
GPS
128:00
距離
64.2km
登り
5,184m
下り
5,518m

コースタイム

1日目
山行
8:07
休憩
1:05
合計
9:12
7:18
78
8:36
8:52
180
11:52
12:23
56
13:19
13:27
39
蓮華岳
14:06
14:16
119
針の木小屋
16:15
16:15
15
2日目
山行
3:44
休憩
1:25
合計
5:09
7:14
122
9:16
10:18
102
南沢出合
12:00
12:23
0
針ノ木谷渡渉点
3日目
山行
12:40
休憩
1:48
合計
14:28
3:30
107
5:17
5:25
135
標識2/8
7:40
8:06
114
標識5/8
10:00
10:33
144
12:57
13:05
72
14:17
14:40
87
16:07
16:17
101
4日目
山行
9:37
休憩
1:03
合計
10:40
6:20
125
8:25
8:51
75
五郎沢出合
10:06
10:06
178
赤木沢出合
13:04
13:38
26
水切れ
14:04
14:04
98
15:42
15:42
10
15:52
15:53
7
16:00
16:02
58
5日目
山行
9:31
休憩
2:25
合計
11:56
4:54
119
6:53
7:16
84
8:40
9:12
0
9:12
9:12
58
10:10
11:12
0
11:12
11:12
59
12:11
12:23
197
15:40
15:56
54
16:50
ゴール地点
天候 常に午後から夕立、降らなかったのは初日と最終日
過去天気図(気象庁) 2022年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
七倉荘 素泊まり約4600円、駅から5分、自炊道具も整い一晩過ごすのには何一つ不自由なし。近隣デリシアは21時閉店
コース状況/
危険箇所等
【針の木谷〜渡し舟】
 ルート入口が刈り払い痕があったものの、本当に入口のみ。ジグザグ片斜面的な感じで下る。傾斜が落ちて涸れ沢状が顕著になってくると、踏み跡も存在しているが沢を下った方が早い。苔むした岩が積み重なった場所で急に水量が増える。ここで沢靴に変更した。水流を進んだ方が楽。本流に出会うところの大岩に赤ペンキで『針ノ木谷』と記載あり。船窪乗越へ向かう登山道は浅い渡渉必要。その少し手前(上流)右岸に絶妙天場あり。
 さらに下流へは登山道と思しき取り付きにピンクテープがぶら下がっているものの、夜露でぬれた草が覆いかぶさっているため激しく濡れた。なので本流を下る。どうせ濡れるならRFが楽ちん、小滝がいくつか出てくるものの問題なし。南沢渡渉点には本流をトラロープが渡してある。水量が多く(私の行動時、渡渉箇所は深くて膝)なっても特に大きく高巻くところもないまま、材木を組んだ橋に出合うと終了、左岸の水平道に移る。

◎ワサビ平がクマ出没により幕営禁止!新穂高バス停で野宿するつもりでしたが、ダメもとで平湯キャンプ場に電話したところOkとのこと。760円だったっけ?山の中で泊まるより安いってなんだ?
本当に天場代どうにかならないかなぁ…高すぎるんだよ。場所とトイレ代でそれはないよなぁ
その他周辺情報 平湯の森
i 登録量が一杯のため、画素数落としたi-phoneの写真が先に来てしまった。
コマクサの量がものすごい。北葛岳へ下る道は全部コマクサ。一度見てほしい。
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i 登録量が一杯のため、画素数落としたi-phoneの写真が先に来てしまった。
コマクサの量がものすごい。北葛岳へ下る道は全部コマクサ。一度見てほしい。
i とんで読売新道5合目、眼下は黒部湖
ここで展望開ける。急ではないが先が長い。
いい天気だったのだけれど…
i とんで読売新道5合目、眼下は黒部湖
ここで展望開ける。急ではないが先が長い。
いい天気だったのだけれど…
i 御山谷と雄山
i 岳人BNの表紙で紹介されたのを見て行きたいと思った、こちら側からの景色。やっと2度目、なかなか足が向きませんでした。
i 岳人BNの表紙で紹介されたのを見て行きたいと思った、こちら側からの景色。やっと2度目、なかなか足が向きませんでした。
i 新鮮な景色なので、森林限界から先は飽きが来ない。
i 新鮮な景色なので、森林限界から先は飽きが来ない。
i ガスるかと思っていたけれど間に合った。
i ガスるかと思っていたけれど間に合った。
i チングルマが満開の時に来てみたい。
i チングルマが満開の時に来てみたい。
i 水晶デカッ
i GW滑ったカールはこんな感じでした。
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i GW滑ったカールはこんな感じでした。
i 水晶Pから鷲羽方面
1
i 水晶Pから鷲羽方面
i 赤牛を振り返って
1
i 赤牛を振り返って
i  久しぶり!
いつ来てもいい山です。
i  久しぶり!
いつ来てもいい山です。
i おー、顔出した。
i おー、顔出した。
i 読売新道道中ご一緒させていただいた豊橋の2人組
夏山JOY的、最近雑誌読まないけど、まだあるのか?
i 読売新道道中ご一緒させていただいた豊橋の2人組
夏山JOY的、最近雑誌読まないけど、まだあるのか?
i 飛んで4日目、祖父沢源流部、下ります。
i 飛んで4日目、祖父沢源流部、下ります。
i 正面に黒部五郎、この角度からはあまり記憶にない。
i 正面に黒部五郎、この角度からはあまり記憶にない。
i 黒部川出合
夏は久々、釣りしたーい。
i 黒部川出合
夏は久々、釣りしたーい。
i 五郎沢出合
 ここまで戻れなかった。
i 五郎沢出合
 ここまで戻れなかった。
i 難しいとかそんなことはまるでなく、ただただ雰囲気がよい。
i 難しいとかそんなことはまるでなく、ただただ雰囲気がよい。
i 赤木沢出合の上流側の淵
とうとう来た。美しい…
i 赤木沢出合の上流側の淵
とうとう来た。美しい…
i 定番本流唯一の滝
i 定番本流唯一の滝
i 赤木沢入って…
i 赤木沢入って…
i でた〜‼始まりです。
i でた〜‼始まりです。
i 最高すぎる
i 何も言うことなし。
i 何も言うことなし。
i ゴーグル忘れたのに気づいた。
いまだここで泳いだことなし。深くて怖い。
i ゴーグル忘れたのに気づいた。
いまだここで泳いだことなし。深くて怖い。
i はじめの2時間に凝縮されてます。
右奥・大滝、これを越えるとさびしくなる。
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i はじめの2時間に凝縮されてます。
右奥・大滝、これを越えるとさびしくなる。
i でもナメは続く。
i でもナメは続く。
i わかりにくいとは思いますが、
i わかりにくいとは思いますが、
i 稜線直下で振り返る。
i 稜線直下で振り返る。
i 下の切れ込みが赤木沢
i 下の切れ込みが赤木沢
i でかいなぁ、黒五
i でかいなぁ、黒五
i 証明写真
i 雲が低くなってきた。
i 雲が低くなってきた。
i ここゆっくりしたかった。
i ここゆっくりしたかった。
i 軽い雨の後、希望の虹…ではなかった。
1
i 軽い雨の後、希望の虹…ではなかった。
i ロックガーデン最高
i ロックガーデン最高
i この後、大雨になった。
i この後、大雨になった。
i 最終日
計画は裏銀座、天候悪化予定なので新穂高へ
i 最終日
計画は裏銀座、天候悪化予定なので新穂高へ
i 双六稜線
i 野球場で写真撮り忘れた。
i 野球場で写真撮り忘れた。
i これでお別れ
また来まーす。
i これでお別れ
また来まーす。
ここからまた初日
G7Xで撮ったやつ
実際このくらい暗かった。
ここからまた初日
G7Xで撮ったやつ
実際このくらい暗かった。
白、見つけました。
白、見つけました。
若一王子奥宮直下のコマクサ
若一王子奥宮直下のコマクサ
晴れているときに見たかった。
晴れているときに見たかった。
針の木谷下降し、水流出てきた。
もう沢靴で下ります。
針の木谷下降し、水流出てきた。
もう沢靴で下ります。
針の木谷出合のペンキマーク
針の木谷出合のペンキマーク
船窪分岐付近
BSにて
なぜか高山植物がたくさん
BSにて
なぜか高山植物がたくさん
2日目、ド快晴だったのに…
2日目、ド快晴だったのに…
この岸壁の所が魚留らしい
この岸壁の所が魚留らしい
南沢出合
沢を渡すようにトラロープ張ってあります。
南沢出合
沢を渡すようにトラロープ張ってあります。
立山を見ながら下る。
立山を見ながら下る。
湖岸道から針の木谷出合の仮設橋
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湖岸道から針の木谷出合の仮設橋
読売新道5合目
黒部湖と白馬岳
まだあるなぁ、どんどん曇ってくる。
まだあるなぁ、どんどん曇ってくる。
この岩、印象的だったな。
この岩、印象的だったな。
上部は気持ち良い尾根
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上部は気持ち良い尾根
Pにて
薬師が出てきた。
Pにて
薬師が出てきた。
チングルマ天国
こんな角度で見えるんだ。
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こんな角度で見えるんだ。
背景は野口五郎
カールはお花畑でした。
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カールはお花畑でした。
DPに雪が残っていました。
DPに雪が残っていました。
これ船窪出合天場にも咲いてた。
イブキジャコウだっけ?ミヤマクワガタだっけ?
これ船窪出合天場にも咲いてた。
イブキジャコウだっけ?ミヤマクワガタだっけ?
祖父沢途中
至ってこんな感じです。
祖父沢途中
至ってこんな感じです。
右:本流、左:祖父沢
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右:本流、左:祖父沢
前日の雨でレンズ曇った
前日の雨でレンズ曇った
源流には白と緑と青が似合う。
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源流には白と緑と青が似合う。
左岸から越えました。
右岸から泳いでも良かったかな
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左岸から越えました。
右岸から泳いでも良かったかな
下の淵は腰までつかって、水中の岩を飛んでいつもの滝へ
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下の淵は腰までつかって、水中の岩を飛んでいつもの滝へ
ホントキレイだ
赤木沢のいいところ、前半に集約されています。
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赤木沢のいいところ、前半に集約されています。
晴れがよく似合う沢だ
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晴れがよく似合う沢だ
飛び込んどけばよかった
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飛び込んどけばよかった
大滝上から
あとはこんな感じ
詰めの沢を間違えないように
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あとはこんな感じ
詰めの沢を間違えないように
くさい写真
G7Xほボケ味勝負ですかね。
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くさい写真
G7Xほボケ味勝負ですかね。
最終日、昨日ものすごい夕立だったので視界がクリア
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最終日、昨日ものすごい夕立だったので視界がクリア
薬師方面
三俣カール
まぶしい
1
三俣カール
まぶしい
何度来ても飽きない場所
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何度来ても飽きない場所
双六南峰ト笠
弥助沢って結構急なんですね
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弥助沢って結構急なんですね

感想

 計画だけは壮大だったような…針ノ木峠越えから読売新道、赤木沢を経て五郎小舎から源流に下り、岩苔乗越から裏銀座・烏帽子から下山しエネルギー博物館バス停までロードするつもりだった。結果、予定の最終日が悪天予報らしく、もう雨にあたりたくないという意識が強すぎたので、一日早く下山したのだった。もう少し達成可能な計画を立てるべきか、短縮は可能だから予定はあくまで予定で組むべきか悩むところだ。

7/28 とにかく眠いのが嫌だ。自家用車もとにかく寝心地が悪く、ここ最近の傾向として、登りの効率を上げるために前日入りを心がけてみようとしている。本来最終日が宿だったらと思うのだけれど…
 高尾から予定の列車、自分の計画書記載ミスで30分以上乗り換え待ち。長野行きの中央本線は夏休みとはいえ、平日この時間とあって空いていた。自分的には信濃大町のあの怪しい飲み屋横丁的なところで、夕飯を食べてゆっくりしようと考えていたのだけれど、こんな時に限ってよくないことが起こりがちだ。岡谷でものすごい雨、大糸線に乗り換えるも穂高で豪雨のため電車が止まった。すぐに運行開始になるかと思っていたけれど、田んぼに落ちる稲妻の数がすごい。とうとう代行バスによる運行に切り替わってしまった。宿はチェックインが遅くなる場合は電話してくれればということだったので、なんとなく余裕ぶっこいていると結構時間がかかってしまっている。21時少し前に大町到着、チェックイン時に宿の若女将さんに聞けば、デリシアは21時閉店だから急いだほうがいいと教えてくれたので猛ダッシュかますがアウト。結果駅から少し離れた7-11で夕飯を買ったのだけれど、帰ればもうフロントは非対応でありながら門限も遅いらしく、この時間でも夕飯が食べられる店を聞いてから宿を離れればよかった。山小屋よりもコスパが全然いい。
/29
 あまりに宿が快適だったので、始発のバスではなく1時間後のものにしてしまおうかと思った。でも天気予報は夕立ということだったので、後ろ髪惹かれつつも予定通りとした。それでも眠かったのは当直明けで出てきたからだろう。
 扇沢に到着するも、普段山スキーで来る山は足をスライドさせれば前に進めるんだから、普通に歩いて登るのはかなり億劫だ。大汗かいて大沢小屋に到着、今年から営業再開したそうだ。
 小屋から先、雪渓までの間、本流に向かって何か所か踏み跡がついているが、一番太いものを進む。雪渓に乗るとおおむね右岸を進んだ。ノド先から傾斜落ち、右岸の雪が消えそうなところまで登り、左岸に渡った雪が消えたところで休憩。雲が多い天気だ。再び右岸に渡り夏道に取り付き、汗だくになって針の木小屋に到着した。
 針ノ木は割愛、コマクサが見たかったので蓮華岳往復に出かける。出発前におじさんとザラ峠越えについて話し込む。コマクサは花のピークは過ぎたものの大量に咲いており、ものすごい感動した。多分自分が知っているコマクサ群生地としては、この周辺が一番規模が大きいのではないか。なんせ北葛岳への登山道斜面はコマクサしか生えていないといっても過言ではない。蓮華岳に着くや否や雨、まったくついていない。
 急いで小屋まで戻り、まだ未踏の針ノ木谷へ下降開始する。刈り払いされているなぁなんて思っていたのは初めのほんの数m、あとはボサがかかった斜面、はじめの急斜面は木止め階段で始まるが、樹林に入ると滑るし灌木は下向きに生えているのでザックは引っかかり、かわすのに一苦労だ。下りに下り傾斜が緩んだころ涸れ沢に出るが、はじめのうちはいわゆる正規ルートをたどることに必死になる。でもよく考えるとただ涸れ沢を辿ればよかった。しばらくして流水音が大きくなり、湧水の出ている石積み滝から下部は足を濡らさなくては辿れなさそうだったので、ここで沢靴にチェンジ。水は冷たいものの足元が気にならずどんどん進める。地図記載の水場はよくわからなかった。
 小滝や段差の大きい場所は巻き道がついている。本谷出合はペンキで大岩に『針の木谷』の記載あり。本流は穏やかな浅い流れで、このあたりの岩盤の特徴である花崗岩の砕けた白い砂礫で、とても美しい流れだ。巻く場を探しながら下ると、『ここだ!』という場所が右岸に出現する。なぜかこの砂地の天場にはイブキジャコウ、イワツメクサ等々高山植物が多く咲いている。上流から種が流れてくるんだろう。申し訳ないと思いつつ幕営、焚火もできた。ここで醤油、コンソメ、釣り餌を忘れたことに気付く。水はすぐ先の船窪沢から汲んだ。この沢の流れ込みの所から船窪稜線に上がる登山道がある。テープや表示があるので間違えないだろう。結局雨には降られず、明日は奥黒部ヒュッテまでなのでゆっくりスタートとして眠りについた。
/30
 もう登山道は拾わず、白い岩や砂の明るい谷を下る。特に難しいところはないが、増水したらそれなりにつらいかも。登山道が時折目に入るが、ブッシュがうるさく朝露でかえってびしょびしょになるので、沢を下るのが正解。南沢出合付近はあまりにきれいな水の色なので、すでに2日目で塩の線が出ている服や体を洗いたい衝動に駆られる。南沢出合には太いトラが張ってあり、渡渉の補助となっているようだ。出合で若干遊ぶがアタリなし。
 少し長めの休憩から歩き始めると、なんと下流から釣り師が上がってきた。上から水の中を歩いてきてしまったことを伝えると、遊びのことだから気にしないでと言ってくださった。この方たちは針ノ木谷の釣り歴が長いらしく、この沢の釣り事情について話してくれた。魚留は右岸の大岩のところ、ニジマスが遡上してしまっていること、橋からわたしまでは20分ほどということ等々、丁寧に教えてくださった。
 橋までは出パしてから20分ほどで到着、橋からの湖岸道は広く砂の大地を歩くところもあった。河原が広く北アの沢はいいなと改めて感じた。避難小屋というか細長いあずまやを通過、渡しの上部には30分かかった。この先はめちゃくちゃ静かな橅林の水平道、中木挽谷の向かいあたりだろうか、桟道修理の拠点としたと思われる広場下で水も得られたので休憩した。
 この先、アップダウンがきつくなる。雨が降ったらこの階段滑っていやだなぁと思っていると、察したように雨が降り始める。樹林内なのでしばらくカッパなしで行けるかなと思っていたら、昨日と状況が違い量が多かった。カッパは着用せずに歩いてきたが、東沢出合まで来ると増水がすごかった。幕営を済ませ夕飯のおかずを獲得しに沢に戻ったが、濁りもひどくまるで釣りにならず。いじけてテントに帰ると、結構下山してくる人が多いのに驚いた。隣のテントの老夫婦も1週間前くらいに針ノ木谷を下ったらしい。残っていた足跡はあの二人のものだったようだ。
 ここの天場はいつ来ても静かでいい。そして砂地なのがまたいい。雨でブヨなども出てこないのも良かった。遠いけど…
/31
 今日は長い行程、3時半くらいに出パ。久々の読売新道、昨日降りてきた人々に聞けば『滑る、ぬかってる。』と口をそろえて言っていた。とにかく頑張るしかない。涼しく天気が安定しているうちにできるだけ進んでおきたいところだ。地図上の鎖場がガレのトラバースの所ということか?2/8の手前くらいに沢の音がするところがあり、ここを水場として降りていく踏み跡をつければいいのにと前にも思った。
 2/8から上部がぬかるみ多かった。4/8には小さな湿原があり、5/8は急に眺めがよくなりここで休憩、振り返れば黒部湖や立山が見事だ。ここで豊橋からの二人組に追いつかれ、水晶小屋までほぼ一緒に行動する。森林限界となり、ハイマツと白い岩の感じが日本庭園風になるのがこの尾根のいいところだろう。読売新道を登りたいと思ったのは、過去の岳人でこの眺めが紹介されていたのを見たからだ。両側を長い稜線に挟まれた湖から続く尾根は、不思議な光景になっていると自分は思う。
 10時に赤牛岳に到着、ばてた。下り組も数名おり、ずっと黒部湖を見ながら下るのもいいなと思いつつも、5/8から樹林帯と考えるともう少し記憶がなくなってから下りに使おうかなと思う。到着してしばらくで雲に隠れていた薬師岳が顔を出した。風が涼しく曇りなのだがとりあえず主要な山は全部見える感じ。温泉沢ノ頭までは思いのほか時間がかかった。このP手前の二重山稜にBSあり。
 この先はGWに滑りに来た沢を確認し、さらに滑ることができなかった場所を予習するのに忙しく、あの時は疲れていたので往復しようとは思わなかった水晶岳に到着したときは、今日の仕事が終わった感が出て、雨もまだ降らなさそうなので景色を堪能した。水晶小屋で炭酸が飲みたくなりジンジャーエールでエネルギーチャージ。そして今まで同行していただいた2人に別れを告げ、まだ距離がある雲ノ平に向かった。
 この『W水晶』での時間浪費が災いし、岩苔乗越で悪天に捕まる。急激に雲が低くなり止む感じのない雨の中を歩いた。久々にカッパ着用となるのだけれど、ゴアとはいえもうまるで防水が効かないカッパは、ただ濡れたものと重量を増やしただけとなった。祖父岳から直接天場に下れる道、再開しないかなぁ…あのものすごい大回りは雨では何も見えず気分的にきつい。そして天場に到着して、ここは水はけ悪くぬかるみが多かったのを思い出した。小雨に変わっていたことで水がはけた後だったから、残った場所でも割といいポジションに幕営できた。明日は沢下り、どうせ濡れるから服も乾かすことなく、乾いた服に着替え眠りについた。ほんとに長い一日だった。
8/1
 これまで何度も来ている雲ノ平、その中でも祖父沢はいつか下降したいと思っていた。今日は赤木沢遡行だ。ロープをまたいで水場の流れをそのまま下る。今はトイレが循環式になっているけれど、昔は地下浸透式だからこの沢水は見た目がきれいでも水質に問題ありなんだろうな。すぐにナナカマドとハイマツのボサがかぶってくる。祖父岳側を見ればとてもすっきりした流れが…よく見て入渓すればよかった。
 沢そのものはゴロタの緩やかな渓相、上部の解放感が素晴らしく、しばらく正面に黒部五郎を見ながら下ってゆく。北アの沢は気分良し。そのうち傾斜が出てきて、ダケカンバを交えた石積み状の滝が続く風景に変化する。特にこれといった見せ場もなく下り続け、左岸にガレが見えると沢は右カーブする。すぐに小さめのガレが出てきて左カーブしたところで伏流したかのような流れとなる。ここから本流まで距離があるものの『ここは!』というポイントに必ずイワナがいる。足元をビュンビュンイワナが走る。まさに天国だー。今日は割と忙しい行程になると思われるので、釣りは我慢。そして祖父沢よりも河床が一段高い黒部源流に合流する。さらにほんの少し下ると五郎沢出合。流れの近いところにたくさん大きなサワグルミが生えている。五郎沢の左岸に砂の台地があり、予定はここまで下ってくることにしているが、果たして戻ってこられるか。昔、源流部にはまっていた時によく泊まっていた五郎沢出合、でも当時こんな立派な砂地はなかったなぁ。とりあえずここで休憩する。
 黒部源流は白い岩と青空、そして樹林帯の緑、これらの色味バランスが絶妙でとても美しい。昨日の天気とは打って変わって青空の中を、ひたすら幅広の河原を下ってゆくと水がエメラルドグリーンの大きな淵に出る。源流部唯一の滝はもう目と鼻の先だ。濡れるのはまるで問題ないが、ショルダーパットにつけたカメラが濡れるのが嫌なだけだったので、上段は左岸から通過し赤木沢の流れ込む下段は、左岸側の水中に見えているいくつかの岩の上を腰まで浸かって通過し、いつもの滝上にでた。ここもいつ来てもとてもいいところだ。
 赤木沢に入れば、もうこの沢のポテンシャルは全開!初めの2時間にこの沢の全ての良さが凝縮しているといっていい。グイグイ進めるので、つい足早になってしまうがゆっくり楽しまなければならない場所だろう。50代の男が一人で滝つぼに飛び込んだり潜ったりするのはイタイ景色だろうと客観的に考えてしまい、十分に楽しめなかった気もする。誰も見ていないんだから思い切って遊べばよかった。一か所ポットホールが一人用風呂くらいの大きさがあるところでは、入浴的な感じで写真はとった。気が付けば大滝到着。本当にあっという間だった。
 右岸から巻いて終了、あとは詰めを間違えずに中俣乗越を目指すだけだ。ナメ滝が延々と続く。2本目の二俣を左、3本目を右で進む。するとフェース滝が見えるがこれも左の水量の多い方へ。すぐ上で水涸れのため足周りを変更した。藪が薄いところを進みたいと思い、薄いところを探していたら、正解はフェース滝を登るのが正解だったようで、ハイマツと笹の中を進む結果となってしまった。それでもお花畑の中を登らなくてはならない部分も多く、ここについては申し訳ない思いで一杯になった。
 とりあえず歩きやすい所へトラバースして稜線到着、まるでプールから上がった後のようなダルさだ。五郎沢出合まで戻るのはちょっときついかな?
 五郎肩に着くと急に重そうな色のガスが立ち込めてきた。まだカール側は見えていたのでここまで来たしと往復に出かけるが、荷物に帰る途中に雨が降り始めた。何とか雨が降る前にはどうにか五郎小舎にはと思っていたが甘かった。カールを下り始めると本格的に降り始めた。カール底に降りると再び止むものの、これが3波、4波と降っては止んでを繰り返す。それでもロックガーデンはいい雰囲気を醸し出している。樹林に入るともう止む感じはない。せっかく一日かけてカッパを乾かしてきたので、濡れもの増えて重量もアップするのは避けたかったので、小舎に到着まではびしょ濡れになりながらも粘った。
 到着してがっかりしたのは、テント場の予約したかをはじめに確認されたこと。正直納得いかない。屋外はマスクなしでもいいという世間一般の状況、なぜ感染対策としてテント場が管理対象になるのだろう。そして2000円という値段。まぁ、菌持って山に来る登山者がいけないんだろうけど、テント場まで同じ扱いというのは納得いかない。そもそも来てほしくないなら、幕営禁止にすればいいと思うんだけど。
 着いてからちょうど雨が強くなり、軒を借りて雨宿りをすること1時間半、暗くなってようやく止み始めてから、一番奥の天場で幕営した。カッパを温存しておいて正解だった。ちょうど止んだタイミングだったので、水没しないところが一目瞭然でいい場所に張ることができた。奥の天場から九郎右衛門谷に向かって結構いい流れが生じていたが、きっと双六谷は結構な増水をしていたんだろう。黒部川も同じだったかもしれないと納得させ、今日の行動を終えた。ただ、なかなか計画通りにいかない自分は意志が弱いなぁ…
/2
 昨夜の疲れもあって朝はぼーっとしてしまった。毎日夕立にやられ、これにあわないように行動しなくてはと思うことがストレスだ。計画では今日は源流に下って岩苔乗越まで登り、裏銀を烏帽子で行動終了予定。でも明日がの天気が悪いらしい。また雨か…そう思うと早く下って、雨とは関係ない所へ行きたいと思うのが人情?今日はワサビ平まで行って明日の歩く距離を短くすることに決定。後ろ髪惹かれるが気持ちが切れた。本日の天気は上々、三俣蓮華へ登り始める。
 双六稜線に乗ると、いつも思うが緑と青空のコントラストが素晴らしい。野球場も健在、さすがに人が多くなってくる。自分が嫌いな道の一つが小池新道、長いのが嫌だ。山スキーならば大ノマから1時間あれば左俣橋まで行けるのを、敢えて歩いてまでここを下りたくないというのが本音だ。しかもGWに来ているし…双六小屋に着くと急に面倒くさい感が出てきた。そしてたまたま一緒になった人達と話し込んでしまうこと1時間、楽しい時間だったけれど重い腰を上げて出発することにした。
 歩き始めてすぐ気になる看板が目に入った。ワサビ平テント場で小熊が出没しているので幕営禁止ということらしい。一瞬『えっ?』となるもどうにかなるかなと思って下り始めた。
 鏡平では小池新道にクマが出て、登山道を歩いていたという話題で持ち切りだ。『山なんだからそりゃ出るでしょ』くらいにしか思っていないため、『ついてきた』ならまだしも、なんでそんなに大ごとなのかちょっと理解できない。ここでクマが怖いので一緒に下ってもらえますかという女性がいたので、暑く退屈な下りだしと思い一緒に行動し始める。イタドリヶ原と小秩父沢水場付近だったらしいが、ちょうど同世代で子育て問題などを話しながら下っていくと、割とあっという間だった。単独なのが長く感じる原因だったのか?
 ワサビはやはり幕営不可、お礼にときゅうりをご馳走になり、新穂高バス停で野宿すると決めてバス停まで下り、その方と別れた。登山補導所は結構気温が高い。快適性を求めるために、ひと桁バッテリーの携帯で思い切って平湯の森に電話してみるが、素泊まりは空きがないとのこと。キャンプ場だからきっと料金が高いのだろうと思いつつ、平湯キャンプ場に電話してみると、サイトは空いているのでどうぞと快く言っていただき、肝心な料金を聞くと『700円』とのこと。一瞬耳を疑ってしまう。もう是非お願いしますと告げて終バス一本前で平湯へ向かいチェックイン。平日とあり、さすがに空いているようだ。しかも平湯の森まで徒歩ですぐなのがうれしい。そして家まで帰らなくていいのがさらにうれしい。おかげで夜の露天風呂をゆっくり楽しむことができた。
 朝は笠ヶ岳も雲の中、もしかしたら降ってなかったかな?ちょっよ欲張った計画だったと反省しつつ、終わり良ければ総て良し?朝イチ平湯の森で入浴後、帰宅した。釣りができなかったことが唯一の心残りかな?
 山の中は要予約で2000円なのに、整備されたキャンプ場に飛び込みで700円。絶対何かおかしい。来年、幕営代が下がるといいな。 

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